河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2484- ジュピター、幻想、ミュンフンチュン、東フィル、2018.1.24

2018-01-24 23:36:03 | コンサート

2018年1月24日(水) 7:00pm コンサートホール、オペラシティ

モーツァルト 交響曲第41番ハ長調K.551ジュピター  12-12-5-8

Int

ベルリオーズ 幻想交響曲Op.14  14+7-17-5+10

チョン・ミョンフン 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団


ゆっくりと揺蕩うジュピター1,2楽章。リピート全て行っているとはいえ破格のテンポ設定でコク、まろやかさ、深彫り、色々と旨味をつけていく。実に味わい深い音楽。噛み締めるようなMWC棒。指揮者の意を100パーセント汲みプレイするオケメン。ピュアなモーツァルトの世界を魅せてくれる。
MWCがプレイヤーに要求する緊張力はもの凄くて、それはとりもなおさず指揮者の能力、実力をプレイヤーたちが一番よく知っているという証明そのものといった感がある。先を急ぐことの無い佇まい。アンサンブルの表現幅が広く深く濃くなる。良くかみ合ったいい演奏でモーツァルトを堪能。

モーツァルトはベース4本、他編成はそれに即したもの。後半の幻想は一気に10本に増える。ラッパ、太鼓も盛りだくさんになる。前にここで復活をやった時と同じくホールキャパが問題になる。1600人規模のホールで、さらに悪いことにステージの左右と奥の端のほうはなぜか傘がかかっている。傘のあるステージという極めてまれな構造物件。チューバ2本、トロンボーン、パーカッション、等々、端にセッティングされるインストゥルメントは傘の下で窮屈。特にラッパが上を向いているチューバはどんな跳ね返りになるのかしら。奥行きも無くて3楽章の4人のティンパニストがいかにも窮屈そうに叩かなければならない。
音響がフン詰まりになるという事はないが地の音そのまんま飛んでくるようなところはある。
そんな諸条件の中での幻想。MWCは入念にバランスを取っていて、ブラスをはじめとする強奏はきっちりコントロール。3楽章まではジュピターの1,2楽章の佇まいを思い出させるもの。しっとりと美しい幻想。
4、5楽章のラッパ強吹きもメリハリはり棒吹きになることなく盛り上がりが心地よい。1,2,3楽章とのダイナミズムの対比は効果的で、気張らず力が良く抜けた状態での強奏は余裕がある。このようにバランスが取れた造形美は音楽全体の見通しの良さからくるもの。お見事ですね。幻想それにオーケストラの醍醐味、両方満喫。
ありがとうございました。
おわり