河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2460- 運命、ブラ1、フィリップ・ジョルダン、ウィーン響、2017.12.3

2017-12-03 18:27:31 | コンサート

2017年12月3日(日) 2:00-4:15pm サントリー

ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調op.67  7+9+8+8

Int

ブラームス 交響曲第1番ハ短調op.68  13-9-5+16

(encore)
ブラームス ハンガリー舞曲第5番  3
ヨハン・シュトラウスⅡ トリッチ・トラッチ・ポルカ  2

フィリップ・ジョルダン 指揮 ウィーン交響楽団


チケット発売時のあと日本では急にビッグになったように思うお初で聴くフィリップ・ジョルダン、王道プログラム2本。

棒の動きは。左手滑らか右手は少々硬い感じの指揮っぷり。大きく輪郭を取っていくオペラ棒の歌い口に見える雄弁な左腕。出てくる音はそのイメージとはだいぶ異なる。引き締まった弦は束になって光っている。磨けば光沢はさらに増すと思う。ウィンドとブラスにはスタープレイヤーが居れば要所が締まりピッチの事なども消えていくような気配はある。総じて前向きでやる気度満点の意思表示演奏ではあった。それに、なにやら昔のパリ管のようなキラキラ感が随所にありましたね。昔のパリ管のような。

前半の運命。
ベースも他の弦と同様二つセットで直列に並ぶ。14型でチェロ4プルトのうち3プルト目真横にベース1プルト目、2,3と後方向かい直列配置。結果、ホルン含めたウィンド2列目が一番外枠となりベースもこの並びにすっぽりとはまり、全体がきれいな半円型となる。トランペットとトロンボーンはその奥、外。ティンパニは半円に半分食い込む感じで。
この配列が功を奏しているのかどうかわかりませんが、全体の音がポーディアムに向かって集中していく気配があり、一点方向に向かうため大変に締まりのいい音。個々のテンションも高めやすく見える。運命凝縮演奏にはいい具合です。
テンポはそれほど動かさず強弱の濃淡で激性を高める。作為に過ぎるアンプリチュードとなる場面もあるが、これがピットから湧き出るオペラならちょうどいい具合だろう。
締まった演奏、艶の出具合もいい。エキサイティングな施しもそこそこに、品性を全体に感じさせてくれる。気品のある演奏でした。ベースサウンドは大きくならず、音場は弦バランスはそれぞれ1対1という感じかな。
4楽章提示部のリピート無し。

後半のブラームス。16型でブラス、ウィンド、ティンパニ、膨らむ。埃っぽさが少し出てきたオーケストラ。乾いた響きで時折潰れたようなところもある。大きな音で進むが聴こえるところは聴こえてくるものだ。
ジョルダンは運命同様の方針。後ろ髪を引くようなフレージングは取らずきっちりとすっと収めて次の展開に映っていく。こうゆうところも潔癖というか品があるというか。
編成は運命より大きくなっているものの、音の進行方向を一点に集中させていくスタイルは同じで横への広がりよりも一点前に進んで行く。これがプレイヤーのやる気度とうまく一致していて勢いのある演奏となっていました。気品と勢い。
コーダは4拍子から2拍子に変えてこの日唯一の急激なギアチェンジ。徐々に加速というスタイルは取りませんね。そのようなアチェルランド式な感興を演奏に求めていないのでしょうね。
ブラス、ウィンド派手なところはありません。弦とブレンドしてくれればさらにいい響きが鳴り渡っていたと思います。
王道2本、正面突破の演奏でジョルダンの主張もよく見えたし、演奏もうなるものでした。リーズナブルな価格、それにアンコール2曲、久しぶりに聴くハンガリアン舞曲の第5番、それにうきうきするポルカ。
満喫出来ました。ありがとうございました。
おわり