河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2449- ポケットにハンマーを持った男、新日フィル室内楽シリーズⅩⅣ、2017.11.15

2017-11-15 23:40:16 | 室内楽

2017年11月15日(水) 7:15pm 小ホール、トリフォニー

佐々木亮輔 人間的な2つの「性格」for 2tp-hr-tb-tba  7

石川亮太 金管大相撲 for 2tp-hr-tr-tb  5

ウェルナー・ピルヒナー ポケットにハンマーを持った男 for 2tp-hr-tb-tba 21

Int

山口尚人 ニュー・ブラス!(wp) for 3tp-hr-tr-tb  4

ヴァーツラフ・ネリベル 金管楽器のための三重奏曲 for 2tp-tb 4

オスカー・ベーメ トランペットのための六重奏曲 for 3tp-hr-tb-tba 6-3-4-4

(encore)
モーツァルト(高橋宏樹 編曲) モーツァルトだよ人生は  3
原六朗(浅見亜希子 編曲) お祭りマンボ  2

以上
トロンボーン、山口尚人
トランペット、伊藤俊、服部孝也、杉木淳一朗
ホルン、田島小春
テューバ、佐藤和彦


新日フィルさんのブラスセクションによる室内楽。この室内楽企画はお初で聴きます。この小ホールも初めて。
ちょっとデッドだがブラスにはちょうどいい感じ。
前後半3曲ずつ計6作品、うち5作品に参加したテューバは大変だったろうね、これ最初の実感。

最初の佐々木さんの作品は何かの入選作と記憶。二つのテーマで進めていく。今聴くとちょっとやにっこいところがあるように思う。いきなりこれから始めたのでこちらの没入度が浅かったのかもしれない。濃さは感じました。
新日フィルの面々は、普段二つ持っている定期シリーズで馴染みの衆です。こうやってあらためてオケではなく裸のブラスアンサンブルで聴くと新鮮味ありますね。まぁ、ザッツの合い具合が気持ちいい。こうゆうのを阿吽の呼吸というんですね。オケには無い接近遭遇ポジションですしね。

次の石川さんの作品。小泉首相の「感動した!」にインスパイアされたもののようで架空力士による相撲を、呼び出しから始める。行司、相撲、擬音効果的な吹きも含めしなるようなサウンド進行で面白い。しも手サイドにめくり台があり、めくりには相撲の様子を表わす縦字幕キャプション、黒子が一枚ずつめくっていく。演奏とよくシンクロしていて、面白い試み。
錦糸町で聴くと国技館の近さが実感される。

当オケ副首席トロンボニスト山口さんのプロデュースによる今回の企画、その企画タイトルはピルヒナーの曲から冠した。
大規模なブラスクインテット作品。7曲あって最後がハンマー男。ハンマー男は割とあっけない。それぞれのピースに説明が付いていて日本語の対訳が欲しいところ。作品のイメージが先か説明書きが先か、そんなところも味わいたかった。ピースごとの表情付けが明瞭。きっちりとメリハリ効いた演奏で覚めている目がさらに目覚める。
ブラバンだとやりがいあり過ぎまくりの曲だろうね。


後半、プロデューサー山口さんの世界初演もの。
久石さん的ミニマル風味をブラスでというものらしい。フレーズがつながっていくものというよりは、音を切っていって、それが連鎖していく。前半3曲のあとこれを聴くとなにやらオーソドックスなスタイルに聴こえてくるから不思議。もう少し長くてもいい作品。手応えありました。
ネリベル、ベーメに並べてきた山口さん新作という話しですな。

そのネリベル。安定の三重奏で、理想的なバランスとパワー。高音域低音域の動きが見事に一致。これだと金賞もの間違いなしでしょうね。堪能できました。

最後のベーメ。
山口さんのニュー・ブラス!とこの作品が6重奏。Njpに少しない熱量、内からのアツいものがこのオーケストラに欲しい、そういう思いからのプロデュース選曲。その期待にそえたか、はたまた。
熱いものではあったがさらなる精度が要求されるところも、の実感。
スタンダードナンバーで内容もシックで素晴らしく出来のいい作品だけに色々と見えてくるものもある。

充実した内容で楽しめました。トークやヴィデオも楽しかったし、演奏後の写真OKもいいですね。感動表現はスタンディングオベーションで、と。
ワンコインパーティーもあったようですね。錦糸町で酔ってしまうとたぶん、ハシゴすると思う。
おわり