河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2445- ディアナ・ダムラウ & 二コラ・テステ、オペラ・アリア・コンサート、2017.11.10

2017-11-10 23:18:04 | オペラ

2017年11月10日(金) 7:00-9:55pm サントリー

ロッシーニ セビリアの理髪師
      序曲  6
      今の歌声は ダムラウ  6
      陰口はそよ風のように テステ  5

グノー ロメオとジュリエット あぁ、私は夢に生きたい ダムラウ  5

ヴェルディ ドン・カルロ
      ひとり寂しく眠ろう テステ  9
      バレエ音楽  6

ベッリーニ カプレーティとモンテッキ あぁ、幾たびか ダムラウ  5

ベッリーニ 清教徒 おお、愛する叔父さま、私の第二のお父さま ダムラウ、テステ 12

Int

ワーグナー さまよえるオランダ人
      序曲  9
      我が子よ、いらっしゃいをお言い テステ  5

マスカーニ カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲  4

マイヤーベーア ディノーラ 影の歌 ダムラウ 9

ポンキエッリ ジョコンダ
       時の踊り 9
       彼女は死なねばならぬ テステ  4

ヴェルディ 椿姫 不思議だわ~あぁ、そは彼の人か~花から花へ ダムラウ 9

(encore)
童謡 春よこい ダムラウ  1

ガーシュウィン ポーギーとベス ベス、お前は俺のもの ダムラウ、テステ 6

プッチーニ ジャンニ・スキッキ 私のお父さん ダムラウ 3

以上

ソプラノ、ディアナ・ダムラウ
バス・バリトン、二コラ・テステ

パーヴェル・バレフ 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団


ダムラウの音源は2010年発売のティーレマン&ミュンヘン・フィルが伴奏をつけたシュトラウスの歌曲物を持っているだけなんだが、今を盛りの歌い手、これは聴きに行くしかない。

前半は4曲、うち旦那さんとのデュエットが1曲。後半は2曲。ちょっと少ないんじゃないかと思ったがアンコールもあることだろうし。

オーケストラ演奏があって歌があってイタオペ、フラオペ満喫。ダムラウは出てきただけで華があって、何も言うことは無い。
前半の最後、プリターニ、バックの伴奏のノリも良くて流れるようなベッリーニ節が素敵。フレーズの切れ目のところで跳ね上げる独特の清教徒節(なんとなくそんな感じ)、あれが良く決まる。全曲聴きたくなるわ。(清教徒、サザーランドで観たの思い出すわ)

(ベッリーニ 清教徒 ライブラリー)
1302- 清教徒 イ・プリターニ 一覧メモです。

オーケストラの伴奏も絶妙でいい呼吸。単独の演奏も手抜きの無いもので、オペラ・アリア・コンサートに艶を与える。

後半、何故かワーグナーから開始。
さまよえるオランダ人序曲、カヴァレリア間奏曲、ジョコンダ時の踊り。オーケストラの大きめの曲を置きながら、2曲の歌。トラヴィアータシビレマシタ。

ダムラウは伴奏が始まる瞬間にオペラのそのシーンにすぐに入り込んでいく。それらのオペラ全曲を歌っているのだろうから、このイメージ、大事ですね。ポイントとしてはこちらもそのオペラに一緒に入り込んでいけること。観たことあるに越したことはない。今日の演目で観たことが無いのはマイヤーベーアのディノーラ。あとは観てる。グノーのロメジュリなんか最高ですよね。(アルフレド・クラウス、チェチリア・ガスディアも観たな)

アンコールの1曲目、かなり低いキーで、何歌い始めたのと、いやいや、観てる方も楽し。楽しさ満開で。

次の、ポーギー&ベス、これはこれは、スウィートの極み、とろけるような歌、ちょっと焼けてくる。あんまり濃厚にくっつかないでよ、いくら夫婦でも。などなど。
オーケストラ伴奏も良い味付けで、美ニュアンスで歌との絡み良かったですね。一体感とセンスの良さが光る。
オペラは長いものですが、随所にガーシュウィン節がたくさん出てきて、まったりしたり、楽しんだり悲しんだり、いろんなものが詰め込まれている。(これも昔メトで何度か観たなサイモン・エステスだったかな)

最後のアンコール、プッチーニの泣き節、言うことなし。ダムラウさん。


結局3時間のコンサートとなった。全部楽しめました。
P席が半分ほどであとは満席。男客は1割ほどじゃなかったかな。女性客、それも若い方たちが多かったですね。

それから、いつもの最前列さんがスタンディングで拍手していた。めったに見れないものを見た気する。

ダムラウ、目をつむると、また浮かんでくる。
ありがとう。
おわり








2444- ラフマニノフ、死の島、チャイコン1、カティア、レーガー、ベックリン、上岡、新日フィル、2017.11.10

2017-11-10 22:46:28 | コンサート

2017年11月10日(金) 2:00-4:20pm トリフォニー

ラフマニノフ 死の島  19

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調op.23  19-6+6
 ピアノ、カティア・ブニアティシヴィリ
(encore)
シューベルト(リスト編曲) セレナーデ  6

Int

レーガー ベックリンによる4つの音詩op.128  11-4-9-4

(encore)
ワーグナー 神々の黄昏よりジークフリートの葬送行進曲  6

上岡敏之 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


ベックリンの死の島をラフマニノフサイドからとレーガーサイドから眺めたプログラム。これらにサンドウィッチされるようにカティアのチャイコン。お目当てはこちらいうところですが。
カティアさんのリサイタルはこの月曜に聴いたばかり。
2440- カティア・ブリアティシヴィリ、ピアノ・リサイタル、2017.11.6
弱音の流れが極めて美しいピアノでした。

今日はコンチェルト。ピアニストの心をこの上なくわかっているピアニスト上岡が振るわけですから申し分ない。
ンパパパパーウン、ではなく、ウンパーパーパーパーウン、と思いっきりオーケストラのレガートで始まったチャイコン。聞くところによると、このレガートの流れでそのあとすぐに入ってくるピアノがささくれだったところが無くなり、滑らかに流れる音楽となる、なるほど、ピアニストの歌心は同じピアニストが心得ているという話し。オーケストラの伴奏の重要性をよくわかっていて、そういう対応の流れを実際に作っていく。有言実行。無言であったとしてもカティアさんの波長の合い具合を見ていればおのずとわかる。のびのびとしていて本当に弾きやすそうでしたしね。
ピアニストが二人いれば鬼に金棒。弱音系を中心にこまやかに流れていくピアノ。ジャバジャバしない。きっちり締まって歌う。きれいな響きが大きめの波のようにクルンクルンと、美しさの極みですな。
一方、上岡タクトは、というよりもご本人は鍵盤を覗き込みながら鍵盤そこよ、というぐらい接近遭遇。アイコンタクトならぬボディーコンタクトの様相を呈したりする。でも、全部、ツボなところなのよね。二人の呼吸はピッタリ。ここぞというところで歌い上げる。オーケストラコントロールが抜群で、こっちのほうも息が合っていますね。上岡タクトの美ニュアンスを滔々と歌う。オケの溌剌としたやる気度100パーセント演奏、いいもんです。
三者がウィンウィンで歌い上げるものだから、あっという間の1楽章でした。
味わい深い2楽章、スリリングな終楽章。カティアさん弾きやすそうですね。よく息の合った演奏で最後までまんべんなく楽しめた。気持ちののっている演奏は幸せになってくる。
カティアの美質は弱音系の響きの美しさにある。月曜のリサイタルではそのことがよくわかった。今日のアンコールで弾いたシューベルト。これも同じですね。長いプレイで嬉しくなる。月曜の続き、堪能しました。

死の島、ラフマニノフとレーガーのほうは3曲目ですね。レーガーの倍あるラフマニノフ。こちらのほうがじっくりとしていて、ただ横に流れるだけの音が相応な味わいかな。でも、レーガー作品もなんだか似ている。同じインスピレーションだったのかしら。
ベックリンの絵だと岩や木立が縦方向になっているのに、2作曲家の音の流れはむしろ横に一つの音符が長く流れていって、描写としてみれば浮かんでいる島の周りの水平な海といった感じ。絵が空中に投射されているような錯覚に陥るようなところもある。林立するような音楽の起伏はそこそこあるにはあるがやっぱり濃い横の流れ。
描写というよりも絵を見て感じたものを心象風景として表現したものなのかもしれない。
オーケストラの柔らかいサウンド、真綿のようなハーモニー。鮮やかな演奏でした。

こちらもアンコールが有り、なんと、葬送行進曲。リングのツボのところですね。短い断片ですが、オペラの切り口で聴ける上岡タクトはオペラの雰囲気が濃厚。手応えあり。

定期公演では上岡さん指揮の時は収録が組まれていて、さらにアンコール演奏もする。収録音源のCD化の際、余白にアンコールピースを入れるのだろうと思っていたのだが、最近は、もしかしてアンコール曲だけのCDを作るのではないかと思えてきた。選曲が良くて演奏レベルがハイで充実してますし。
上岡効果で好調なオーケストラ、さらに高めていってほしいですね。
満足した演奏会でした。ありがとうございました。
おわり