2017年7月31日(月) 7:00pm ミューザ川崎
ワーグナー タンホイザー序曲(ドレスデン版) 14′
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 9+9+8′
ヴァイオリン、ダニエル・ロザコヴィッチ
(encore)
バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番BWV1004からアルマンド 5′
Int
シューベルト 交響曲第8番ハ長調 16-15-10+11′
ワレリー・ゲルギエフ 指揮 PMFオーケストラ
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毎年聴いているPMF東京公演。ワーグナーから始まりましたが、管はおしなべてレヴェルダウン。練習不足だったのだろうか。弦楽合奏は相応に力感ありみずみずしさも漂うのであっただけに。
ブラスセクションはオーケストラでの吹奏が板についていない感じ、全くしっくりとこない。
日本初登場のロザコヴィッチのヴァイオリン。これは素晴らしかった。2001年生まれというから16か17。華奢な感じの長身痩躯。出てくる音は力強くて自信に満ち溢れている。プログラムを読んでみるとドエライ活躍でびっくり。
弾き込まれたブルッフは下味がしっかりしたもので味わいが深く、このやりつくされた名曲にあらためて耳を傾けたくなるものだ。大きく力強く鳴るヴァイオリンは見事なものでした。ビューティフル・ブルッフ。
アンコールのアルマンドはまるでヴィオラのような響き。ふくよかなサウンドがホールいっぱいに鳴る。びっくり。これはうなるわ。
後半のシューベルトを最前列で母君と思しきかたと一緒に拝聴していたロザコヴィッチ。たまに顔に手を当て下を向きつつ。
そのシューベルトは弦楽合奏に活力があり、大規模ソナタ形式の力感を感じさせるもの。ゲルギエフの主題分けも見事なものだ。スケルツォの動きがちょっとユニークなところもあるゲルギエフの解釈、譜面無しの指揮、音楽の流れを作っていく棒はさすがとは思うが、精彩を欠いたところもあった。ノリは必ずしも良くない。
ウィンド、ブラス、管はちょっとスキルレヴェル的にきびしい。S席9千円はいかにも高すぎる。ゲルギエフ値段とはいえ。
シューベルトの最後、フライングゼロの世界で余韻を満喫できたのは良かった。あんまり拍手がこないので指揮者は苦笑い。
おわり