2017年3月5日(日) 2:00-4:50pm びわ湖ホール
びわ湖ホール プレゼンツ
ワーグナー 作曲
ミヒャエル・ハンペ プロダクション
ラインの黄金
キャスト(in order of appearance, also voices’ appearance)
1-1.ヴォークリンデ、小川里美(S)
1-2.ヴェルグンデ、森季子(Ms)
1-3.フロスヒルデ、中島郁子(Ms)
2.アルベリヒ、志村文彦(Bs)
3-1.フリッカ、谷口睦美(Ms)
3-2.ヴォータン、青山貴(Br)
4.フライア、森谷真理(S)
5-1.ファゾルト、片桐直樹(BsBr)
5-2.ファフナー、ジョン・ハオ(Bs)
6-1.フロー、福井敬(T)
6-2.ドンナー、黒田博(Br)
7.ローゲ、清水徹太郎(T)
8.ミーメ、高橋淳(T)
9.エルダ、池田香織(Ms)
沼尻竜典 指揮 京都市交響楽団
(duration)
序奏 5′
第1場 19′
第2場 46′ (場面転換から)
第3場 28′ (場面転換から)
第4場 46′ (場面転換から)
第4場ハンマー 10′
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ラインの黄金、昨日に続き二日目です。
二日目のほうが初日に比べ、よりこなれているといった話はあまりないと思う。入念なリハを積んでいるように見えますし、キャストの妙はありますが、総じて同じ。違いがあるとすれば初日のほうが少し鋭角的でメリハリがあった。観る方の感覚も、初日夜の飲みで鮮度が薄まっているということもあるかもしれない。(これ実感。祇園5+浜大津1)
国内組の豪華キャスト。ドンナー黒田、フロー福井、これは贅沢キャスト。まぁ、色々あるのだろうが、こうゆう日があってもいい。
ドンナー黒田は2015年の初台のラインの黄金ではフロー役。ボクシングスタイルでしたね。6回上演全部黒田さんでした。
1999- ラインの黄金、千秋楽、新国立劇場、2015.10.17
あと、黒田さんと福井さんが一緒に歌った第九ありましたね。
2135- 第九、準・メルクル、国立音大、2016.6.12
フロー福井は声が飛びぬけていまして、役的にもったいないぐらいのものですけれども、点のような出番ではありますが、たまにはいいかも。
黒田さんはドンナーやったりフローやったり大変ですね。個人的には、影山役をやった鹿鳴館、あのシックな雰囲気が目に焼き付いてますね。
1650- 池辺晋一郎、鹿鳴館、飯森範親、東フィル、新国立劇場、2014.6.21
ヴォークリンデの小川さんは両日ともに出演。全部魅力的です。つい最近の蝶々夫人あれも最高でした。
2277- 蝶々夫人、笈田プロダクション、バルケ、読響、2017.2.18
自然体で秀逸なヴォータン青山、こうゆうのも出てました。
2241- ジェルジ・リゲティ没後10年、日本現代音楽協会、2016.12.11
ヴォータンの相手役、フリッカ谷口さん、最高でしたね。容姿、仕草、歌唱、全部余裕の出来、素敵でした。旦那を突き放しつつも彼以外はいない、そんな感じ、よくでてました。
フライヤは今日も素敵な方。昨日の砂川、今日の森谷、いうことなしです。巨人の気持ちもよくわかる。
フリッカ、フライヤともになめし皮のような声はよく出ていて美しいものでした。聴きごたえありましたね。
ミーメ高橋、エルダ池田、声の出具合も余裕。ほかの演目でなんども見ておりますし、コンスタントにレベル保ちつつ、抜群の安定感。みなさんにとってはいつものことかもしれないが安定の秀逸歌唱でした。
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沼尻さんは第4場が昨日よりもだいぶスロー。こってり時間かけてやっていました。オケをぐいぐい引っ張っていくモーションが大きい割には音が出てこないもどかしさがあって、反応は殊更いいとはいえず、それは残念。レスポンスがいまいち。
大編成でもなくて、ある種、清涼感のようなものがずっとあってそれはそれで味わい深いものでした。
演出については昨日書いた通りです。カラフルでエンターテイメント風味。飽きさせないもの。飽きさせないというのはそれを観ている時の話です。
ワーグナーの演出は手を変え品を変え色々とやられてきて、劇が主役の昨今ではありますが、視覚は、飽きはこずとも同じものを観ていれば陳腐なものとなる。演出は古くなる。策を凝らして演出は常にリフレッシュしていかなければならない憂き目。
音楽は残り、演出は消える。
視覚は繰り返しの事象をそのまま積もらせていくものなのかもしれない。
おわり