河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2292- ベトコン3、紗良、ツァラ、ウルバンスキ、エルプ・フィル、2017.3.12

2017-03-12 19:43:19 | コンサート

2017年3月12日(日) 2:00pm シンフォニーホール、ミューザ川崎

ベートーベン レオノーレ序曲第3番ハ長調  14′

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番ハ短調 17+10+9′
  ピアノ、アリス=紗良・オット

(encore)
グリーグ ペール・ギュントより 山の魔王の宮殿にて 2′

Int

シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき 34′

(encore)
ワーグナー ローエングリンより 第3幕への前奏曲 3′

クシシュトフ・ウルバンスキ 指揮 NDRエルプ・フィルハーモニー管弦楽団


首席客演指揮者というのはこのネイミングを変えたオケとどの程度つながっているものなのかわかりませんけれども、極端に抑えた弦の進行、その弦のパートは総じて同じ比重のようにバランスしている、など明確にウルバンスキの意思が浸透していて相当濃いな、と思わせるところが随所に見られました。つまり微弱弦でいて殊更パースペクティヴを求めているわけでもなく、また重心が重いバランスとなっているわけでもない。冒頭に置かれた長い序曲を聴けばよくわかる。
彼は、時としてチリチリと熱くなるようなヒート感の波を作っていっているように思う。オーソドックスなスタイルとは少し異なる。潮の満ち引きのように音が流れていく。
ダンシングコンダクトしますが、両腕は見事に胸より上で動いていて、それより下に下がることはほとんどない。プレイヤーにとって見やすい棒のはずで、まぁ、潔い明確さがありますね。

といったあたりのことが色々と混ざり合って、大上段に構えたツァラの頭3発のファンファーレはブラスセクションをはじめとしてよく呼吸のあったお見事な全奏で、なにやらナイーヴな雰囲気さえ漂う。大上段の言葉をうまく剥がした流れとなっていたように思う。
彼のこの曲におけるダンシングは内なるところから音楽が出てこいよといった感じで、譜面からだけではわからないような熱さをプレイヤーから引き出させようとしているように見える。音楽の流れは極めて自然ですね。角がないといったことではなくてどちらかというと急激な進行の変化を求めていない。音楽はよく流れる。プレイヤーにとって、棒のポジション含めおそらく演奏しやすいタイプの指揮者だと思われる。
ハンブルクのオケは幾分線が細くなったような気がしますが、ボテボテがなくなって機能性に富んだものとなったところもあるがそれは飽くまでも二次的な話で、やっぱり音楽を作っていく姿勢が熱いものだと思いました。

ソナタ形式の提示部が少しうんざりするぐらい長いベトコン3。ハ短調の暗さよりも、フォルテピアノ風味な響きが終始魅力的なアリスのプレイでした。この暗くて重い曲を逆手に取ったような軽快な音の運び。装飾音のまくれ具合、切れ味が非常にきれいにきまっていく。均質で平衡感覚に優れた演奏で堪能しました。
伴奏のウルバンスキとの呼吸も良く合っていたと思います。リハでタイミング合わせしたのがよくわかるものでしたね。

エルプにスタープレイヤーがいるのかどうかわかりませんけれども、アンサンブル良く、気合のこもった演奏を展開してくれて満足しました。

指揮のウルバンスキ、いつぞやのハルサイダンスもう一度みてみたいですね。
1559- ロメジュリ、チャイコン、神尾真由子、春の祭典!!!、クシシュトフ・ウルバンスキ、東響2013.12.14 

おわり