2017年3月10日(金) 7:00pm パウゼ、カワイ表参道コンサートサロン
ハイドン アンダンテと変奏曲ヘ短調 9′
ベートーヴェン ピアノソナタ第23番ヘ短調 熱情 9′6+8′
Int
ムソルグスキー 展覧会の絵 33′
(encore)
シューマン アラベスク 7′
シューマン=リスト 献呈 3′
ショパン ポロネーズ第6番 英雄 6′
ピアノ、藤田真央
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お初で聴きます。昨年2016年の浜松国際ピアノアカデミーコンクールのチャンピオン。1998年生まれですから二十歳前。
写真だけだとわかりませんが小顔で大柄。大谷翔平や羽生結弦といったあたりの雰囲気感じます。腕力ありそう。
実際のところかなり激烈な演奏です。熱情はベートーヴェンの一番ホットな面を魅せつけてくれました。神秘的な開始からの運命動機のたゆたう流れ。中間楽章の厚みのあるハーモニー。終楽章の力感、そして最後の過激なアチェルランド。
緩急自在でシャープなパースペクティヴがもろに効く。立体的で彫りが深い。変幻自在のダイナミズム。プレイ中のうなり声も聴こえてきます。このホールは彼にとっては小さすぎる。音の波が充満。ベートーヴェンのリアリティーここに極まれり。いい演奏でした。
展覧会も基本的に同一路線なんだが、激しさの中に滴る詩情が現れる。プロムナードで節目を作り、絵をのぞき込む。彼には絵が見えているのだろう。音楽の多彩な表情。
熱情は激烈だったが、このような標題系絵巻物での味わいも深い。音は揺れるが余裕の音揺れ。切れ味鋭くもハーモニーの濃さを実感できる圧倒的な演奏。展覧会オケ版を一昨日聴いたばかりだがあれよりも圧力ありましたわ。
1曲目のハイドン、さりげなくプレイを開始。エロイカの葬送と運命動機が混ざったようなフレーズが顔を出す。水際立った鮮やかな演奏。
アンコール3曲の大サービスまで全部満喫しました。ありがとうございました。
おわり