河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1588- インディオ交響曲、ラプブルー、新世界より、バッティストーニ、東フィル2014.1.26

2014-01-26 19:09:51 | コンサート・オペラ

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2014年1月26日(日)3:00pm オーチャード

チャベス 交響曲第2番「インディオ交響曲」 12′

ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー 17′
 ピアノ、清水和音
(encore)ラフマニノフ作曲/アール・ワイルド編曲
    「美しい人よ、わたしのために唄わないで」 4′
Int

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」  9′13′7′10′

アンドレア・バッティストーニ 指揮
東京フィルハーモニー交響楽団


切れば湧水のように溢れ出す若々しい才能のイルミネーション。
いやぁ、なにをやっても様になり、それに前向きにとらえ突き進むオーケストラがこれまた素晴らしいの一語に尽きる。オーケストラを個体として前へ前へと進ませる力を持った指揮者、それ自体魅力のあるもので、聴くほうも思わず前のめりになってしまう。

チャベスのインディオ、CDは確か一枚持っているはず、生演奏はもちろん初めて。短い曲でブラスバンド風味もあり刻みも鋭く、とにかくオーケストラの鳴りがとっても良い。イキイキしていて活力あふれる演奏、音響パノラマがステージの全面、右から左までまんべんなく広がっている。素晴らしい演奏でした。

ラプブルーは、しゃっくりのように一つずつの音を深くスウィングするように鳴らせれば雰囲気がもっと出てくると思う。アメリカン・イディオムのDNAのようなものがあればいいのかもしれない。この日の演奏は飽くまでも楽譜に落としたインクのオタマジャクシをその通り再度音にしたということ。これはこれで、こうしないと再現できない。しょうがないのかもしれない。演奏のノリ具合はチャベスから引き継がれており、羽目を外した演奏は無理ながら、特にブラスのシンコペーションに見られるスッキリ感はうまく出ていたと思います。前向きな演奏となっておりました。
ソロの清水は埋没気味、アンコールの美しい演奏で挽回。

後半の新世界、
バーンスタインの若い時代の演奏のように超ストレート。楽譜の裏も表もない。最近の中年顕微鏡的解釈の指揮者たちとまるで違う。ストレートな演奏と響き、東フィルもどうしたことか、良く鳴る!!指揮者によってこんなに違うものかとあらためて思ってしまう。
この場合、音が詰まっているというのは詰まっていて出てこないのではなく、たくさんの音がそこにあるということ。凝縮圧縮された充実のサウンドだということがよくわかります。こうなると、全く陳腐でない新世界で、気持ち的にはチェリビダッケのカリスマ演奏を思い起こす。あれ、何度聴いても飽きないんですよね。

新世界の最後のトーン、そして拍手までのシ~~ン、額に入れて飾っておきたいぐらい見事に決まっておりました。
素晴らしい演奏ありがとうございました。
おわり


1587- カトゥリ・カルミナ、カルミナ・ブラーナ、ファビオ・ルイージ、N響2014.1.25

2014-01-26 01:54:11 | インポート

2014年1月25日(土) 6:00pm NHKホール

オルフ カトゥリ・カルミナ  37′
 ソプラノ、モイツァ・エルトマン
 テノール、ヘルベルト・リッペルト
 東京混声合唱団

int

オルフ カルミナ・ブラーナ 59′
 ソプラノ、モイツァ・エルトマン
 テノール、ティモシー・オリヴァー
 バリトン、マルクス・マルクヴァルト
 東京混声合唱団
 東京芸術大学合唱団
 東京少年少女合唱隊

ファビオ・ルイージ 指揮 NHK交響楽団


カトゥリ・カルミナはお初で観ました。名の知れたカルミナ・ブラーナと両曲並べたルイージの意欲的なプログラミングで、価値ある演奏会となりました。一言で言って、
ワイルド!!、ルイージの棒もワイルド!!

前半のカトゥリ・カルミナ、
編成は、ピアノ4台、打楽器10人、合唱、ソロ2人。早い話が叩くものばっかりと歌。
むき出しの強烈な音楽、激しい、ルイージも激しく動く。ワイルドで精根こもっている。
ですが、
舞台に字幕スーパーがありません。暗い中、もしくは演奏前にプログラムにあるリブレットを読んでおかないといけません。
ですが、
読むと、苦笑を越えて本当に笑いたくなる、周りの連中も読んで我慢しているのかと思うと、笑えません。
音楽は激しく炸裂し際物の様相、指揮ぶりもそう。だまって聴くことにします。
粗野でエッチな音楽をルイージは猛然と振りまくる。音楽への共感以外の何物でもありません。偉大なものはたまに奇妙だったりするものだ。

この曲の歌詞や解説をネットで探してもいいものは出てきません。結局のところ、当夜のブックレットの解説とリブレットが一番内容のあるものではないかと思います。
FM生中継はできるが、テレビ放映での字幕スーパーをどうするか、NHKとしても難しい対応を迫られるのかとひそかな楽しみを待ちつつ。


後半のカルミナ・ブラーナ、神をも恐れぬ炸裂する音楽。打楽器群のぼっこんぼっこんな圧力は叩くことにより音楽のリズムが取れていくんだなというのがあらためて明白にわかる。リズムの饗宴とも言える。
一方、リピートしまくりの音楽ともいえる。3部構成に頭と尾がついたカンタータだが、全体に渡りフレーズの拡大、縮小、の繰り返しである意味では非常に単純でもある。複雑だとかえってこのような粗野な際物な響きにはなりえない。果てしもなく繰り返していくしかないのだ。こうなるとこの種の音楽に立ち向かうには指揮者の並々ならぬ共感がなければならない。
冒頭の駿馬が雲の中を駆け抜けるような音楽、そのあとの張りつめた緊張感、繰り返し。シンプルな響きの快感、カンタータの枠を超えた面白さ。
テノールのティモシー・オリヴァーのトリッキーな動きとハイ音。短いが強烈なインパクト、まして合唱が素晴らしい。立ち上がりが良く全体的にクリアで透明。ごちゃごちゃした音楽だがごまかしはきかない。濁ればダイナミックさは出てこず音がつぶれるだけ。合唱とオーケストラは見事な表現で、暴れまくるルイージの棒に冷静についていっている。演奏の主体的表現者はその途中、感動なんかしてはダメ。多彩な表現力が受け手を理解と感動に誘うと認識すべし、ということです。

今日の配置はカトゥリ・カルミナでは、指揮台が舞台下ギリギリ手前、ソリストは指揮台ほぼ真横、ピアノも打楽器も合唱もかなり前に出ておりました。
カルミナ・ブラーナでは全体的に後方へ。理由は不明ながら、バスドラをはじめバクバク鳴っておりました。
おわり


1586- サン=サーンス、月桂樹、ショスタコーヴィッチ、チェロ協1、ヴァシリエヴァ、サン=サーンス

2014-01-26 01:20:54 | インポート

2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
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2014年1月25日(土)2:00pm サントリー
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サン=サーンス 「糸杉と月桂樹」より、月桂樹 7′
 オルガン、大平健介
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ショスタコーヴィッチ チェロ協奏曲第1番
           7′12′10′
 チェロ、タチアナ・ヴァシリエヴァ
(encore)バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番から「サラバンド」3′
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サン=サーンス 交響曲第3番 オルガン付き
        19′14′
 オルガン、大平健介
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井上道義 指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
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前半と後半にオルガンを活用した、いいプログラム。でも一番すごかったのはオルガンのいらないチェロ協奏曲といった、よくありそうな話でした。
ヴァシリエヴァのチェロの音は濃く少しドライ、ねっとりとせず、思いっきり弾いている。ぐいぐい惹きつけていく、凄いチェロ。
このコンチェルトは伴奏のオケも好きなのですが、響きが透明でなくショスタコーヴィッチ独特の寂寥感があまりでません。伴奏の域を出ません。
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サンサーンスも同じで、ダイナミックな音楽と静寂な祈りがある曲なのですが、弦が薄くて前に出てこない。なんでかわかりませんが、とにかくそうなんです。
曲自体は楽しめました。
この指揮者の突き出す腕棒にはキレがない。もしかして音より遅れて出てきているのではないのかと、ふと疑ったりする。
おわり