河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1554- アゲイン!!、カルタ遊び、リストPf協1、ハフ、ショスタコーヴィッチ15番、シャルル・デュトワ、N響、2013.12.1

2013-12-01 19:11:32 | コンサート

131201_170901
.
2013年12月1日(日)3:00pm NHKホール

ストラヴィンスキー カルタ遊び

リスト ピアノ協奏曲第1番
 ピアノ、スティーヴン・ハフ
(アンコール)
ショパン 夜想曲Op9-2 変ホ長調

ショスタコーヴィッチ 交響曲第15番
  8′、18′、5′、17′

シャルル・デュトワ 指揮 NHK交響楽団


前日(2013.11.30)に続き日参。ショスタコーヴィッチの15番は外せない。
放送日ではないため時間制約がなく、前半ハフのアンコールありました。また15番は昨日より若干スローになっていたようでした。
前日よりさらに磨きがかかり、カルタ遊びにおけるブラスの引き締まったサウンド、ウィンドのメロウな響き、細やかな弦の表情、どれをとっても素晴らしい。目の前に広がるバレエを見ているような目の覚めるような演奏でした。このような演奏であればこそ好きになれるという曲もある。魅力的な音楽。
デュトワの身振りはかなり大きく精力的に振っている。オーケストラは敏感に反応するというより練習で全部出来上がっていて、双方、濃淡の表情をつけながら進行している感じです。良好な関係のように思えます。
この曲、あらためて聴きたくなりました。
.
リストの協奏曲におけるオーケストラの演奏はもはや伴奏の域を越えて、まるで交響詩のような濃い味付け、これだけでも十分な手ごたえ。
ハフの明晰な響きはどこからくるものだろうか。クリアで理知的でそのこと自体が一つの快感となる。いわゆるヴィルティオーゾ風なところもまるで無く、ぜい肉もない。
指の重さを万有引力に任せず意識された筋力の運動でコントロールした見事なタッチ。聴くならこのピアニスト。
.

ショスタコーヴィッチは前の日に比べ、アタッカ連結の第2,3楽章が若干長くなりました。
第4楽章の混迷とその解決は見事な音楽。ワーグナーが鳴り、すぐにヴァイオリンのしなやかなメロディーが小雨のように響く。そして終結部を感じさせるリズミックな運動。
ワーグナーは序奏でヴァイオリンは第1主題なのか、いやワーグナーは提示部第1主題でヴァイオリンは第2主題、いや引用だらけのバリエーションなのか。こちらの脳内をチェックしているかのようにショスタコーヴィッチの音楽は進む。不思議な曲だ。この二つのふしはもとのまま回帰する。リズミックな運動はそのままエンディングへつながるモチーフだ。
張りつめた空気。超絶的な長さのヴァイオリンの一音ユニゾン。ピアニシモがこれほど効果的な音楽があっただろうか、密やかに響くパーカッション、吸い込まれて最後はお経の鐘の音のような微弱な一音で空気がブラックホール化。何も言うことがない魅惑的過ぎる。
.
第2楽章が昨日に比べて入念というか、奏者の方に余裕が感じられました。この楽章の多彩な色、前の日も感じたことなのですが、この色のあやを見事に示してくれたデュトワの棒といったところでしょう。少しムソルグスキー的なむき出しのトロンボーン・ソロ、例のティンパニーリズムに合わせた巨大な全奏。第4楽章と対を成す楽章と思えますが、こちらはまだ理解しやすい。第4楽章に並ぶ深さの演奏、深化していく様はデュトワの見事な棒の成果。
この楽章は表現機能レベルが高くないとボロボロになってしまいそうです。N響のスキル水準の高さにあらためて驚きます。同じように第1楽章はトリッキーながら少しもやつしたような演奏になっていない。きっちり猛速をこなしている。これだけで15番をこうやって聴く価値があるというもの。
.
デュトワ、N響の忘れがたい演奏となりました。
おわり