河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1556- ロッシーニ スターバト・マーテル、ジャナンドレア・ノセダ、トリノ王立歌劇場2013.12.6

2013-12-06 23:17:25 | インポート

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2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
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2013年12月6日(金)7:00pm 東京文化会館
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オール・ロッシーニ・プログラム
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泥棒かささぎ、序曲 9′
セヴィリアの理髪師、序曲 6′
ウィリアム・テル、序曲 11′
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スターバト・マーテル
 7′5′6′4′3′7′4′4′5′6′
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ソプラノ、バルバラ・フリットリ
メッゾ、ダニエラ・バルチェッローナ
テナー、ピエロ・プレッティ
バス、ミルコ・パラッツィ
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トリノ王立歌劇場合唱団
合唱指揮、クラウディオ・フェノーリオ
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トリノ王立歌劇場管弦楽団
指揮、ジャナンドレア・ノセダ
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いい選曲と並び具合。前半は軽快なロッシーニの序曲を聴いて、後半は同じロッシーニのシリアスな歌に浸る。在京オケの企画ものではなかなか聴けないもの。
この前のトスカが素晴らしく、この日のスターバト・マーテルも期待できる。
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前半一曲目のかささぎから響きが素晴らしい。トリノの音はノセダ好みにいまだ変貌しつつあるのか、それとも進化継続中のオーケストラなのか。とにかくトリノの音はツルツル、艶があり、切れ味鋭い。
2曲目のセヴィリアの理髪師は、硬いアクセントを意識して排していたと思う。最初の拍から少しトローンとぼかして。
最初のかささぎではスネアを両翼に一個ずつ配しメリハリが効いていてセヴィリアとの違いが強調された。
3曲目のウィリアム・テルは、クレッシェンドの妙にとどまらずドラマ性のある序曲で、前半後半一曲で2度楽しめるようなところがある。かささぎとセヴィリアが混ざった感じ。
きれいなサウンドで耳が洗われました。
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後半はこの日メインのスターバト・マーテル。
つい先だって(2013.9.19)、ドウダメル&ラ・スカラのアイーダで悶絶ものアムネリスで圧倒的な歌を聴かせたバルチェッローナ。
フリットリの余裕。それから男声陣(ちょっと知りませんあしからず)。
ロッシーニは曲自体この前のアイーダのようなドラマチックなものではないため、あれを聴いた後だと手応えが今一つだが、コントロールされた抑揚感はまた別のおもむきがあり、これはこれで味わいが深い。
それにトリノの合唱とオーケストラ、これが大変に凄い。コーラスとオケが一体化しており、境目がわからない。どこまでが声でどこからがオケの響きなのか、渾然一体となったアンサンブルはあまりに見事。全てがインストゥルメントの響きのように聴こえるし、声のようにも聴こえる。
オペラの舞台でのアンサンブル構築とはかなり異なるのではないか。あえてシンフォニックと言いたくなるが、そうすれば自然と、ノセダの力量の勝利。
やや硬質で滑らか、美しく流れるスターバト・マーテル、フリットリは出番でないところでは座って口ずさんでいる。あぁ、身体の中に沁みついているのだろう。ノセダはコーラスと一緒に歌っている。当然と言えばそうかもしれないが音楽と演奏の一体化があって聴衆に激しくうったえかけてくる。音楽と演奏と聴衆、一体化しました。
素晴らしい音楽と演奏、ありがとうございました。
おわり