この11月のオーケストラ・来日ラッシュでは、
クリストフ・エッシェンバッハ指揮パリ管、
マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送響、
などもきた。
この二人、二つのビックオーケストラの常任を兼務している。
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クリストフ・エッシェンバッハ
→パリ管
→フィラデルフィア管
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マリス・ヤンソンス
→バイエルン放送響
→ロイヤル・コンセルトヘボウ管
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彼らの才能が、どうのこうの言う前に、いかに人材がいないか。
または、
彼らに匹敵する指揮者が本当にいないのか。
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この二人が、これらのビックオーケストラを4つも席捲しているなんて、うそみたい。
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実際のところ半分うそみたいなもんだろう。
だって、音楽シーズンはどこへいっても秋から翌春までときまっている。
たとえ両方をフルに振ったとしても、半分ずつしか振れない。
実態はもっとひどいと思う。
1シーズン30週ぐらいだとして、半分で15週。
これだけで、既に、希薄な関係。
客演とかで、指揮者だけあっち行ったりこっちに来たりするから、せいぜいその半分の7~8週ぐらいが関の山だと思う。
1シーズンに7~8週ぐらい振って、常任指揮者だと。
はっきりいって、指揮者とオーケストラの特別な関係なんて無いに等しいのではないか。
エッシェンバッハがパリ管の常任になって何か変わったのか。
彼が振っているときだけ、彼向きに変わっているだけでしかない。
そんなの別に常任でなくても客演で指揮者の場合でも、山のようにある現象だ。
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いまどき、指揮者とオーケストラの関係なんて、こんなもんなんだろう。
適当に変えて、また、ベートーヴェン全集やブルックナー全集のCDを作り、去っていく。去らされていく。
そしてまた新しい指揮者が、別の全集を同じように作ってまたいなくなる。
なんとも味気ない業界になってきたものだ。
オーケストラは無個性となり、そんなのあたりまえ、指揮者が無個性、だったりするもの。
そして、文化の平板化が始まる。
金太朗飴のオーケストラには金太朗飴の棒振りを。
なぜ、パリ管とフィラデルフィア管をこの指揮者が振っているのか、全く理解できない。
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