書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「【社説】北朝鮮の無差別挑発…国民的決意で懲らしめよう」 から

2010年11月24日 | 抜き書き
▲「中央日報 Joins.com」2010.11.24 11:48:04。(部分)
 〈http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=135184&servcode=100§code=110

 何よりわが軍当局の決然とした効率的で迅速な対応態勢が重要だ。わが軍は世界最高水準の戦闘力と訓練水準を維持しており、世界最強の米軍と密接な同盟を結んでいる。国民と政府の確かな支持が支えている。北朝鮮の挑発を決して容認してはいけない。

 だからといって、一国が他の一国を「懲罰」できるわけはない。「報復」はできるが「懲罰」はできない。主権国家は対等だからである。そんなこともわからんか。さすが金玉均を殺した上死骸を八つ裂きにして国内のあちこちで晒しものにしたことをいまだに恥じない未開なお国柄だけのことはある。安某より金玉均や朴泳孝・徐戴弼のほうがよほど愛国者だったろう。この記事を書いた記者とデスクは阿呆の阿呆だ。

「打倒ノーベル平和賞!?中国で孔子平和賞設立呼びかけ―中国紙」 から

2010年11月24日 | 抜き書き
▲「レコードチャイナ」2010-11-24 13:48:43、翻訳・編集/KT。
 〈http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=47291

 2010年11月15日、環球時報は、ノーベル平和賞に対抗するべく中国は「孔子平和賞」を設立するべきというコラムを掲載した。23日、シンガポール華字紙・聯合早報が伝えた。
 コラムの寄稿者は、スイス・チューリヒ州立銀行北京代表処の劉志勤(リウ・ジーチン)主席代表。中国の民間機構が「孔子平和賞」を設立し、ノーベル平和賞同様、世界から平和に貢献した人を選出するべきだと主張した。


 次は風水理論で宇宙ロケットを設計してみたら。

「砲撃事件、北朝鮮批判避ける中国メディア」 から

2010年11月24日 | 抜き書き
▲「AFPBB News」2010年11月24日 15:00、発信地:北京/中国。
 〈http://www.afpbb.com/article/politics/2776614/6509063

 国営紙・環球時報(Global Times)は論説で「小競り合いの中で、北朝鮮はその強じんささえ示した」とし、逆に韓国の「(対北朝鮮)強硬路線の失敗」を批判した。共産党の機関紙、人民日報(People's Daily)はトップで、韓国側が「無謀な軍事的挑発」で突然攻撃してきたために反撃したという北朝鮮側の主張を報じた。また新華社(Xinhua)通信は、衝突が起こった経緯は明確にせずに、「砲撃戦とされる(事件)」と表現した。

 そりゃ(藩)属国、というか版図の内だもの。今も昔も。暴れ馬で自分の利益次第で宗主国に何度も牙を剥き、最後には羈縻を切りほどいて中国の支配から離脱自立したベトナムに比べたら、少々ごてたって多寡の知れた可愛いもんですよ。(The Economist は 中国にとっての北朝鮮を "step-child" と形容しているが、言い得て妙。)

「【北朝鮮砲撃】仙谷官房長官『朝鮮学校無償化を停止に』」 を読んで

2010年11月24日 | 思考の断片
▲「msn 産経ニュース」2010.11.24 11:04。(部分)
 〈http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101124/plc1011241105008-n1.htm

 前のエントリーから続く。
 ああ、北朝鮮の外部でも、今回の砲撃の挙で得をする者はいるな。朝鮮学校無償化反対派にとっては、北朝鮮の“暴挙”はまさに待ってました、奇貨居くべしということになる。私? 私は高級学校の教科書の内容を読んだから知っているし、その結果として無償化にももとから反対だ。
 そういえば民団系の学校の教科書ってどんな内容なのだろう? 読んだことがない。日本との「歴史認識」問題に関しては、本国の同胞同様やっていることは総連とあまり変わりないようだが。こちらは無償化の是非は問題にならないのかしらん? 韓国学校はほとんどが一条校ではあるそうだけれど。
 型式と実質との間に乖離はないのか。朝鮮学校への無償化が問題となるのは、その反日教育が理由のひとつではないのか。あそこでは日本という国家の秩序と安定を脅かしかねない思想を教えているからというのが、ぶっちゃけたところの本音であろう。韓国(すくなくとも本国)の歴史教育も、基本的――近現代史になると根本的――に、反日、というより仇日である。私に言わせれば、日本の安寧にとって北朝鮮と同じくらい危険である。なにせテロリストを国家の英雄として祀り、人殺しを“義挙”と称え、そのテロリストを、日本人を殺したがゆえをもって尊崇する国なのだから。

「北朝鮮が韓国領土に砲撃、韓国戦争以来初めて…韓国軍兵士2人死亡、民間人20人負傷」 から

2010年11月24日 | 抜き書き
▲「東亜日報」NOVEMBER 24, 2010 09:19。
 〈http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2010112430388

 北朝鮮軍が23日午後2時34分ころ、黄海南道江寧郡(ファンヘナムド・カンニョングン)サンギョリ一帯の、一名「ケモリ」とムドの海岸砲吉から延坪島(ヨンピョンド)に向けて、海岸砲100発あまりを発射し、韓国軍海兵隊のソ・ジョンウ兵長(22)とムン・グァンウク二等兵(20)が戦死し、兵士17人と民間人3人が怪我を負った。延坪島の住民たちは地下の避難所などに避難したが、民家数軒が砲撃を受けて燃え、島の山には火が着いた。
 1953年に休戦協定が結ばれて以来、韓国領土に北朝鮮が砲撃を加え、それによって民間人の負傷者が出たのは初めて。


 なお「asahi.com」の記事によれば、その後の韓国関係当局発表によれば民間人の負傷者は4人、火災に遭った民家は22戸らしい。

 これが事態であるとすれば、いまこの時点で何のためにこのような行動に踏み切ったかということが問題となる。まずは外的要因ではなく、北朝鮮の内部事情によるものと見なすのが妥当だろう。いま北朝鮮がこのような過激な行動にでなければならない理由が、周囲の環境にはないからである。
 内部事情によるものとして、次に問題となるのが、この砲撃が、米国および中国そしてそのほか関係諸国の諸事情を読み切って、このくらい踏み出しても大丈夫と判断しての挙か、あるいはこれくらいの暴挙をしてみせなければならないほど、内的事情が切迫していて、その必要に駆られてのやむを得ざる突出かということだ。

狩野直喜 『中国哲学史』 「第六編 清の学術と思想 第二章 漢学の予備時代 第一節 顧炎武」 から

2010年11月24日 | 抜き書き
 2010年11月23日「『新たな日中摩擦 鉄道技術“盗用”の中国が各国に売り込み攻勢(1/2ページ)』 を読んで」より続き。とりあえず、同趣旨のエピソードを見つけた。

 炎武は或る人に書を与へて云ふ、今の人が簒輯する書は、正に今の人が銭を鋳るが如きものである。古人が銭を鋳るときは、銅を山より采つて用ひたのであるが、今の人は旧銭を買つて廃銅と称し、改鋳するだけのことである。〔中略〕しかし自分がこの書〔『日知録』のこと〕を著はすには、早夜誦読し反復尋究して、一歳の間僅かに十余条に過ぎない。しかしながら、此れは山から采り来つた銅たること間違ひなし、と。 (本書514頁。原文旧漢字)

(岩波書店 1963年12月第1刷 1967年7月第7刷)

デヴィッド・フィンチャー監督 『エイリアン3』 (1992年)

2010年11月24日 | 映画
 決して嫌いではないのだが、シリーズ4本の中では一番再見の回数が少ない。いかにもイギリス的な、画面の湿度の高さと暗さが、そうそう頻繁に見直そうという気にならない。そんな世界だからと理屈ではわかっているのだが、やはり鬱陶しくて厭になる。
 今回、見直してみて、この第三作が冒頭やはり設定上致命的なミスを犯していることを確認した。今作でとうとうリプリーに取り付くエイリアンのフェイスハガーが生まれてくる卵は、絶対そこ(スラコ号の中)にはありえないのである。
 今作では、前作『エイリアン2』でドロップ・シップの着陸脚格納部に潜んでいっしょにやってきたエイリアン・クイーンが、実は船のどこかにひそかに産みつけていたいうことになっている。しかしエイリアン・クイーンは、到着するとすぐビショップとリプリーに襲いかかったから、そんなことをしている暇はない。よしんば時間があったとしても、あの大気浄化施設から脱出するときに、排卵機能を担っていた下腹部を切り棄ててきたのだから、もはや卵を産むことは生理的に不可能だったはずである。
 それを『エイリアン3』では、産めたことにしてしまった。つまり作品世界のルールを破ったことになる。
 作品を続けるために作品そのものを成り立たせている約束事を曲げるという反則行為(つまりご都合主義)をやられると――しかもここまであからさまに――、あとのストーリーがいくら良くできていても(犬に寄生して犬の遺伝子を取り込んだ犬型エイリアンというのは奇抜で秀逸である)、観る方は醒めてしまって、作品に完全にはコミットできなくなってしまう。

(20世紀フォックス・ホームエンターテイメント 2000年6月)