書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「アルコールはヘロインやコカインよりも危険 英研究チームが警鐘をならす」 から

2010年11月08日 | 抜き書き
▲「Cool Cool Japan !!!」2010/11/07 11:00。(部分)
 〈http://sasakima.iza.ne.jp/blog/entry/1879795/

 アルコールはどんな薬物よりも危険性が高い-。英国の科学者らが、20種類の薬物の人体への有害性や依存度、他人への悪影響などの項目で評価、比較したところ、人類にとってアルコールはコカインやヘロインよりもさらに危険な物質であるとの結論を導き出した。/飲酒運転事故、酒浸りの親、夫による幼児虐待や家庭内暴力、そして、酩酊(めいてい)状態に陥った状態での殺人…。健康被害にとどまらず、酒にまつわる事件や事故は枚挙にいとまがないが、違法薬物に比べると、アルコール害については比較的、軽く見積もられる傾向があるだけに、この報告書は日本社会にも大きな警鐘を鳴らしそうだ。(本文中に引く記事。部分)

 タバコはあかんと言ったその次は、酒も駄目てか。困ったなあ。ストレス発散や憂さ晴らしはどうしたらいいのかしらん。あとはやっぱりヒロポンにしろとでも? 「運動」なんて言うなよ。
 最初にコカインやヘロインではなくてアルコールを選ぶ人間の資質の調査や他薬物摂取者との比較評価はせんのか。いい加減だな。それなしではアルコールを貶める目的でためにするものではないのかと疑ってしまう。

「まるで鳥みたいなゴーヤ」 から

2010年11月08日 | 抜き書き
▲「YOMIURI ONLINE(読売新聞)」2010年11月8日10時19分。(全)
 〈http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101108-OYT1T00327.htm

 埼玉県新座市堀ノ内の会社役員高橋一浩さん(52)方で、鳥の形をしたゴーヤが採れた。
 自宅のグリーンカーテンとして朝顔などとともに育てていたもので、今月3日に残っていた実を摘んだ際に見つけた。
 沖縄産のアバシゴーヤで、長さ約13センチ、最大部の直径は約4センチ。へたの部分がねじれて鳥の頭のようになっており、ツルの残りがくちばしに見える。3年前からゴーヤを育てているが、初めて見る形という。
 高橋さんは「捨てようと思って見てみたら、鳥に見えたので驚いた。生育期にツルが絡まったためにできたのでは。小さくて食べられないが、しばらくは自宅に置いておきたい」と話している。


 ゴーヤチャンプルーは、ゴーヤと豆腐の割合がむずかしい。ゴーヤが多すぎると、調理前に塩で揉んでも、やはり口当たりが苦くなる。(本文および写真とは関係ありません)

柳家花緑 『落語家はなぜ噺を忘れないのか』

2010年11月08日 | 芸術
 好きだから。真剣だから。ある意味、バカみたいな答えだが、もうひとつ、口立てで憶える、あるいは台本を読んで(あるいは口立てを自分で書き起こすところから始めて)憶える、いずれの方法かを問わず、完全に憶えるまで自分の口と身体を使って繰り返すから。これは、漢字や英単語を覚えるのに、ただ眺めていて憶えるよりも、声に出して誦む、自分の手で綴るほうが、早いし確実なのと同じことだ。これでもバカみたいか? しかしこれは言うは易く行うは難しのわざである。(なんでそこまで)とか(面倒くさい)とかと思ったら、じつはそれほど好きでも真剣でもない、つまりその分野には本当には向いていないということである。さっさとやめちまえ。

(角川SSコミュニケーションズ 2008年11月)

「<落武者伝説>村民はローマ帝国軍の末裔?地元大学に研究機関が発足―甘粛省」 から

2010年11月08日 | 抜き書き
▲「レコードチャイナ」2010-11-08 13:13:05、翻訳・編集/NN。(部分)
 〈http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=46825

 2010年11月6日、中国の甘粛省金昌市永昌県者来寨(しゃらいさい)村の村民が2000年前のローマ帝国軍の末裔ではないかとされるいわゆる「落武者伝説」について、学術的に研究する機関が地元の蘭州大学に設置された。7日付で蘭州晨報が伝えた。/「伝説」が注目されるようになったのは2006年10月、2000年前に失踪したローマ帝国軍の末裔がこの地に暮らしていると報道されたのがきっかけ。

 2006年の報道は、そのとき読んだ。香港の『亜洲週刊』で。正直、いまごろ何かというのが第一の感想。

 「伝説」を学術的に検証・研究しようと「蘭州大学イタリア文学研究センター」が発足した。

 これを、「学術的な検証・研究」とはいわんのか? それにこれまでに学界である程度の論議と評価がなされているのはまるきり無視か。

 発足式にはRiccardo Sessa駐中国イタリア大使も出席、「これをきっかけにイタリアと中国の文化交流が促進されることを期待する」と挨拶した。

 ははあ、さてはこれが目的かいな。観光、客寄せ。
 「曹操の陵発見」と同じ類か。

「透明のマントももうすぐ?物体が見えなくなる物質『メタフレックス』」 から

2010年11月08日 | 抜き書き
▲「AFPBB News」2010年11月08日 08:31 発信地:パリ/フランス。(部分)
 〈http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2773581/6421913

  この物質はナノレベル構造をもち、入射した光を表面で屈折させることができる。これによって、光は物質に吸収されるのではなく、水が岩の表面に沿って流れるように、周囲に沿って屈折するため遮蔽効果が生まれる。/人間の目が認識できる可視光線の波長は400ナノメートル(青や紫の光)~700ナノメートル(深紅の光の波長)だが、現段階のメタフレックスは620ナノメートル前後の波長の光を屈折させる。

 写真。
 雪山で姿が見えなくなったら、それはワムウです。 

小さな山脇東洋

2010年11月08日 | 自然科学
▲「asahi.com」2010年11月8日9時11分、赤井陽介、「アリジゴク、おしっこする 千葉の小4が通説覆す発見」(全2ページ)。(部分)
http://www.asahi.com/science/update/1104/TKY201011040161.html
http://www.asahi.com/science/update/1104/TKY201011040161_01.html

「アリジゴクは排泄(はいせつ)しない」という「通説」が覆されるかもしれない。千葉県袖ケ浦市の小学4年生、吉岡諒人(りょうと)君(9)が夏休みの自由研究で、アリジゴクの「お尻」から黄色の液体が出たことを確認した。吉岡君から質問を受けた日本昆虫協会(東京都千代田区)は「通説や本、インターネットの情報をうのみにせずに発見した、価値ある研究」として今年度の「夏休み昆虫研究大賞」に選んだ。6日に表彰式があった。

 こどもの頃からのアリジゴク好きでそのアリ地獄を見つけるたびにしゃがんで長時間観察している者としては、見逃せないニュースだ。それにしてもこんな通説があるとは知らなんだ。あれだけ食ったら(主として他の虫の体液=液体だが)、排泄しないなんてことはないだろう。

 アリジゴクはウスバカゲロウ科の幼虫。一部の種はさらさらの砂地にすり鉢状のくぼみを作り、落ちてきたアリなどの体液をあごから吸う。幼虫期は肛門(こうもん)がほぼ閉じていて、成虫になる羽化時にため込んだ糞(ふん)をまとめて出す。日本昆虫協会によると、本やネット上では、羽化時まで「排泄しない」と記されたものが多いという。
 吉岡君は、近所の植え込みの下でアリジゴクを見つけて採集し、7月から約1カ月、生態を観察した。当初はアリ以外も食べるかなどを実験。しかし、アップの写真を撮ろうと白い紙の上にアリジゴクを置いた時、黄色い液体を出したのに気づいた。「プクーって出た後にはじけて、黄色い染みが広がった」という。
 「おしっこやうんちはしないはず」と思い、染みの写真をインターネットの質問サイトや日本昆虫協会などに投稿して質問したが、納得のいく答えは得られなかった。


 〔吉岡諒人君は〕学校に提出するため、リポートをA4判55枚にまとめたところ、協会から「協会の賞に応募しては」と声がかかり、漫画家のやくみつるさんや昆虫研究家ら審査員9人の全会一致で「夏休み昆虫研究大賞」に選ばれた。協会の木村義志理事は「尿が実際に確認されない中、『排泄しない』という記述があふれ、『糞だけでなく尿もしない』という通説が広まっていたのに、流されなかったのはえらい」と話す。

 尋ねられた側もさぞ困惑したのだろう。普通は「通説ではこうだから」でそれ以上は考えないから。
 しかし中にはそうでない人もいる、あたりまえのことだが。行う側にも、認める側にも。通説を「本当にそうか」と疑う姿勢。自分の目と手で確かめてみるまでは鵜呑みにしない態度である。

 江戸時代中期の漢方医山脇東洋(1706年- 1762年)は、処刑された罪人の体を解剖して(実際は他人に剖かせたらしいが)、実際の人体内部の様子がそれまでの医学書(中国伝来の医書、およびそれにもとずいて書かれた日本の医書)にかいてある説明と違うというので、そのままを写生して『臓志』として出版した。
 近代解剖学は16世紀半ばのヨーロッパで始まった。わが国の山脇東洋による人体解剖は、それに遅れること約200年である。
 伝統中国(つまり革命前の王朝時代中国)でも、同様の機会に恵まれた医者はもちろんいたらしいが、彼らは、自分の目にする現実を否定して、教えられた通説を堅持した。その判断理由は、「これは罪人で悪い奴だから普通の人間とは人体の構造が異なっているのだ」というものだったと、何かの本で読んだ覚えがある。この説明の信憑性は知らないが、伝統中国では『蔵志』に類する精密な人体解剖図がついに出現しなかったのは事実である(注)。

 。清朝末期に出た西洋の解剖学書類の中国語訳は除く。

 ちなみに、尖閣ビデオを見て、「捏造だ」ではなく、「中国の領海を日本側が侵犯したことがはっきりした」「日本の船が漁船の進路をふさいだ」という反発は、この種の客観的現実を認識できない心性に由来するものと見るべきであろう。こういう前近代的で蒙昧な心性を、福澤諭吉は、「惑溺」と呼んだ。そろそろ「脱亜論」ばかり、それも遠山茂樹が引用した部分だけでなく、福澤のほかの著作文章も(身を入れて)読んでみたらどうかね。内外の方々。