書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「【コラム】出合うべき「相手」に出合った日本」 から

2010年11月02日 | 抜き書き
▲「Chosun Online 朝鮮日報日本語版」2010/11/02 11:43:09、鮮于鉦(ソンウ・ジョン)東京特派員。(部分)
 〈http://www.chosunonline.com/news/20101102000045

 だが、中国とロシアの覇権主義に負けず劣らず、歴史から目をそらす日本の態度もたちが悪い。尖閣諸島やクリル列島に対する中国とロシアの挑戦が、国民的な反日感情を背負っている点を考えてもそうだ。現在の中国とロシアは、日々の暮らしに精いっぱいで行動を起こせなかった、かつての古い大国ではない。日本が歴史から目をそらせばそらすほど、日本はより大きな挑戦に直面し、北東アジアの安定も揺らぐことになるだろう。日本は、宿命の相手に出合うべくして出合ったのだ。

 この人、突然馬鹿になった。『海遊録』の最後になって突如雨森芳州のことをぼろくそに言った申維翰を想いださせる。本国への帰り支度か?

桂米朝 『特選!! 米朝落語全集』 第13集 「住吉駕籠 けんげしゃ茶屋」

2010年11月02日 | 芸術
 「けんげしゃ茶屋」(平成2・1990年4月20日於大阪コスモ証券ホール収録)は、ほんの子供のころにテレビでこの人の口演を観たことがある。題のわけのわからなさと“ババの旦さん”の汚なさでいまに憶えていた。
 「住吉駕籠」(平成2・1990年11月22日於大阪コスモ証券ホール収録)は初見。「ようおぼえとけ、あれがほんまのクモ駕籠や」のオチは、今日の世ではかなりの力業に属するだろうが、意表を突いて、やはり見事。

(東芝EMI 2002年11月)

「NHK、情報漏洩の記者に停職3カ月 会長らは減給処分」から

2010年11月02日 | 抜き書き
▲「asahi.com」2010年11月2日16時33分。(部分)
 〈http://www.asahi.com/national/update/1102/TKY201011020304.html

 NHKによると、この記者は今年7月、他社の記者から「明日、相撲協会に対して家宅捜索が行われるようだ」という情報を得た。これを受けて記者は、取材先の時津風親方(元幕内時津海)に「明日、賭博関連で数カ所に警察の捜索が入るようです。既に知っていたらすいません。ガセ情報だったらすいません。他言無用でお願いします。NHKから聞いたことがばれたら大変なことになりますから」と記したメールを送った。

 一族郎党でよってたかって詰め腹を切らせろ。できなければ扇腹で斬首。しょうもない。

司馬遼太郎 『翔ぶが如く』 1 から

2010年11月02日 | 抜き書き
 相五左衛門という兵隊は淵辺群平という西郷から愛された男に突っかかって行き淵辺をなぐろうとしてその唇にさわった。このとき淵辺は口を猛然とひらき、その兵隊の親指を噛み切って杯洗へ吐き捨てた。 (文春文庫版、130頁)

 先週、あるパーティーで、淵辺群平ゆかりの方と、偶然同席した。淵辺群平といえば、西南戦争や明治の薩摩関係の史料でときどき出合う人物である。司馬遼太郎『翔ぶが如く』でも登場し、この第一巻では他の薩摩人ともに酒宴で乱闘沙汰の大騒ぎを起こして、両国の中村楼をほとんど半壊させる。もちろん歴史上、それだけの人物ではない
 前にも書いたが、私は故・山本夏彦の薫陶おおいに宜しく、生きている人と死んだ人を区別しない。さらに言えば、会ったことのあるひとと会ったことのない人もほとんど区別しない。その人の言動(著作・録音・映像を含む)に接する直接間接の差を念頭に置くのみである。   
 淵辺は、気になる人物の一人だったので、そのご子孫にお会いして、ある種本人に会ったかのような感慨を持った。

 (文藝春秋 1980年1月第1刷 1994年9月第39刷)

「Medvedev’s Milestone Kuril Islands Trip Irks Japan」 から

2010年11月02日 | 抜き書き
▲「The Moscow Times」02 November 2010, by Alexandra Odynova.(部分)

  In a sign of Japan's importance to the islands, Medvedev conducted his tour in a Japanese-made Nissan Patrol.

 末尾の一文。
 The Moscow Times にはときどき、このようなユニークな見方――そしてそれと互いにコインの表裏を為すものとして表現――が見られて、はっとさせられる。Alexandra Odynova というこの記事を書いたジャーナリスト個人の資質に帰せられるべきものかもしれないが。

「JFK Adviser Theodore Sorensen (1928-2010)」 を読んで

2010年11月02日 | 思考の断片
▲「Time.com」Sunday, Oct. 31, 2010, by Adam Sorensen.
 〈http://www.time.com/time/politics/article/0,8599,2028527,00.html

  The last of the Kennedy old guard, Sorensen was a tireless defender of Kennedy's legacy. Never, privately or publicly in the years since, did he take credit for the words or actions that made the 35th President an icon of the office. (部分)

 の著書 Kennedy (1965年 訳:大前正臣 「ケネディの道―未来を拓いた大統領」サイマル出版会 1987年)と The Kennedy Legacy (1969年 訳:山岡清二 「ケネディの遺産 未来を拓くために」サイマル出版会 1970年)を読んだ感想は、「述べて作らず」である。彼は、ケネディ兄弟が生きている間はその分身あるいは黒子に徹し、その死後は、その思想と業績を祖述することに残りの一生を費やした。
 ちなみにこの obituary を書いた Adam Sorensen (an associate editor at TIME.com.)は、Theodore Sorensen の甥だそうだ。

「Final Kyrgyzstan election results announced」 から

2010年11月02日 | 抜き書き
▲「BBC NEWS」,1 November 2010 Last updated at 10:42 GMT. (部分)
 〈http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-11664990

  Five political parties will be represented in Kyrgyzstan's new parliament, according to the official results of the 10 October election.
 
  Kyrgyzstan is trying to build the first parliamentary democracy in Central Asia, which is dominated by post-Soviet era stongmen.

 すごいことだと思う。
 民主主義には欠陥ももちろんあって、とうてい完全な制度ではないが、それでも一人や少数による専制独裁よりははるかにいいのは確実だ。
 そうじゃないという人間は、その自分の礼讃擁護する専制独裁国家へ行って、さっさとそこに帰化すればいいのである。なぜそうしない? やい、本音を吐け。

YouTube  テレサ・テン「メリー・クリスマス イン・サマー (MERRY X'MAS IN SUMMER ) 」

2010年11月02日 | 音楽
 〈http://www.youtube.com/watch?v=veZJ9LOUXZw&feature=related

 聴いていて、昔、台湾へ茶を作りに行った日々を思い出した。朝からヤカンの底に葉が沈む白毫烏龍茶を茶碗についで飲みながら、夜っぴて、自分で摘んだ茶葉の発酵を見守ったっけな。また台湾の地で、どこかの茶館か飯店で、話梅を肴に茶を飲みながら、あるいは一献傾けながら、聴きたくなる曲だ。