くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「心を整える。」その2

2013-04-24 05:06:36 | 芸術・芸能・スポーツ
 本を読むとき、補助知識が必要になります。例えば長谷部さんのプロフィールやサッカーの海外リーグ、チームメイトはどんな人なのか、そういうこと。でも、わからないままでもあんまり影響はないというか。
 きっと分かる人にとっては、この本、さらにおもしろいんだと思います。文章の向こうに見える景色が、わたしとはまるで異なるような気が。
 わたしもこれまで、スポーツ選手の書いた(語った)本は結構読みました。サッカーであれば澤さんの本も二冊。ライターの方の構成による部分は大きいと思います。もちろん、選手個人の魅力が上回るのですけど。
 で、この本のように「生き方」を説く本は少なくありません。でも、他の本とは違うものがある。
 「読書は自分の考えを進化させてくれる」「読書ノートをつける」が非常におもしろかった。ここに登場する本を集めてフェアができますよ。本田宗一郎、斎藤茂太、松下幸之助、姜尚中、太宰治、沢木耕太郎……。二十代男性でそこまで読む人は、読書家といえるのでは。しかも、現在はドイツに住んでいて。さらにニーチェに孔子ですよ。「直にして礼なければ、すなわち絞す」なんて、目を向ける人初めて見ました。
 ミスチルの曲ベスト10とかも書いてあって、普通の自己啓発本とはひと味違います。(ついでに言っておくと、挙げられた曲でわたしは一曲しか知りません)
 ブログをやっている、と書いてあったので。
 検索してみましたよ。見も知らないサッカー選手の公式サイトを見るなんてことがあろうとは。自分でも驚きです。
 写真がいっぱいあるわけでもないし、今後自分がサッカーの試合を深夜まで見る日がくるとは全く思いませんが、本としての魅力はかなり大きいと思います。他のサッカー選手の方の本を続けて読むかと言われたら、多分読まないとも思うんです。長谷部さん個人のプレーも、おそらくはニュースで見るときにチェックするくらいか、と。
 なにがそんなにおもしろかったのか、と言われたら、やっぱり文章でしょう。構成がいい。前回、清水さんと陶芸の話を出しましたが、その文の中に目立たないけれど支えるものについて、そしてスポーツ選手の身体づくりについてを書き込める力量に感心させられます。
 ぜひ、二冊めを。同じスタッフで作ってくれるといいなぁ。


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