くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「虹の家のアリス」加納朋子

2012-02-27 21:49:35 | ミステリ・サスペンス・ホラー
家はその人のことを写す鏡なんだそうです。うーむ、わたし片付けが苦手なので、相当比較対象がよろしくないような気が。加納さんは奇麗好きなんでしょうね。
「虹の家のアリス」(文藝春秋)です。シリーズ二作め。可憐な助手だった安梨沙が、ちゃっかりした一面を見せていく。自転車操業だった仁木探偵事務所も、徐々に安定しそう、かな?
彼女のバックボーンがわかるにつれて、人間関係なども考えさせられます。
相手が自分をどう見るか。それによって理想的な人物像をあてはめられる。物分かりがよくて、賢い安梨沙には、それが苦しいながらもむげにはできないのでしょう。家を出たことで、それが変わっていく。
ラストで自分の本当の気持ちを仁木に伝える場面が印象的でした。その前に、世界が「不思議の国」のように見えるという部分もあり、その小説を読み返してみても、「チロ」という白い犬は重要な役割のようですよ。
「猫の家のアリス」の、ABC殺人事件に見立てたネット犯罪の話がおもしろかった。獣医の遠山先生が素敵です。十匹以上の猫を飼うのは大変そうですね。
ミセス・ハートをはじめとした奥様たちや、仁木の息子と娘の背景も紹介されて、世間が広くなったような気がします。
優しかった英一郎がなぜひねくれてしまったのか、とか気になることはまだあるのですが、ひょっこり続編が出たりしませんかね?
単行本は、横井司氏による作品論と、加納さんへのインタビューが収録されています。それによると、「螺旋階段」のテーマは「夫婦」、「虹の家」のテーマは「家族」だとか。
図書館のはしごをして、結構加納さんの本を収集してきました。古本屋にもまわりましたよ。とりあえず在庫は六冊。さあ、読むぞー。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿