くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「アフリカにょろり旅」青山潤

2016-01-15 21:11:35 | 歴史・地理・伝記
 図書館の特集棚に「爆笑エッセイ」としてこの本があったのです。
 青山潤「アフリカにょろり旅」(講談社文庫)。
 ふと後ろの紹介文を読むと「世界で初めてニホンウナギの産卵場所を特定した東京大学海洋研究所の『ウナギグループ』」と書いてある。
 これはっ、読書感想文の課題図書だった「うなぎ」に関わる本なのでは? そう思ってぺらぺらめくると、塚本勝巳教授の名前があるではないですか。
 こういう読書のつながりって大切にしたいと思うのです。
 息子も感想文は「うなぎ」で書きました。
 興味津々で読み始めたら、ぐいぐい引き込まれて。
 一体いつになったらアフリカのうなぎに巡り会えるのか。青山さんと、同行する俊さんとのやりとりに、大変そうだなーと思いながらつい笑ってしまうというか。
 塚本先生が若者二人に負けないくらいパワフルで驚きましたが、行程途中で日本に帰国してしまいます。でも、うなぎを見つけないうちは彼らは帰れない。
 ロワーシレのバングラでは、ニャマチョマに辟易する俊さん。店の人は「ヤギ」というけれど、彼には人肉としか思えない(!)のです。
 食事を拒否して、どんどん衰弱していく。
 地元のおじさんに誘われて国境を越えることになってしまった青山さん。しかも徒歩! 苦労して歩いたのに、水が不足して大変だったのに、徒労に終わるのでした……。
 あれこれ苦労した結果、なんとかうなぎを手に入れることができます。
 
 ところが。
 実は、研究のためには三十匹分ものデータを集めなければならないのです。アフリカ各地をさまよったあとに、運びこまれるうなぎをじっと待つ生活。辟易した二人……。
 帰国した彼らを迎える塚本先生。
「おぉ、帰ってきたのか! お帰りお帰り。お疲れさんでした。二人とも元気か? いやぁよくやったよ。さすがだよ。君たちならやると思ってたけどな。よしよし。また後で話聞かせてね。あぁ、ところで早速だけだと、こうなると青ちゃんの発表は今日の三時からだから、頼むね!」
 素敵すぎます。

 気になって「うなぎ」を読み直してみました。
 青山さん、調査隊の「番頭」さんなんですねぇ! 「にょろり旅」の紹介もされていましたよ。
 他の著作も読みたいと思って、図書館蔵書検索したら、なんと宮城県内の図書館、どこにも青山さんの本が登録されていない!? 愕然としました。(でも、これを借りた県外の図書館には全作あるのでほっとしました)
 昨日親知らずを抜いたので、居心地の悪い感じのする一日でした。
 明日は久しぶりに実家に行きますー。

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