くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「君はレフティ」額賀澪

2017-04-08 19:10:50 | 文芸・エンターテイメント
 左利きの人、増えてきたように思います。13人にひとりかぁ……。
 「君はレフティ」(小学館)。
 小谷野真樹は、夏休みに事故にあって記憶を失います。全く何も覚えていない状態で登校することになりますが、直前に、自分は写真部に所属していたこと、同じ部には同級生の春日(女子)と生駒(男子)がいて、親友だったことを知ります。
 休み明けの高校は、文化祭に向けての熱気に包まれており、クラス委員の前園さんが仕切って縁日をすることになりました。
 普通の高校生活を取り戻したい小谷野でしたが、謎の落書きが彼を不安にさせます。体育館の壁に大きく書かれたオレンジ色の「6.7」。その日直だったので日誌を見たら、同じ字が赤ペンで書いてある。
 誰が? 何のために?
 クラスの黒板やツイッターにも現れるその数字は、明らかに小谷野へのメッセージと思われ、記憶を失った彼にのしかかってきます。
 そんなとき、前園さんから、春日が中学時代に家出をしてニュースになったことを知らされて……。

 帯に「ラストは決して誰にも言わないでください!」と書いてあるので、どんでん返しがあるのかなあ、と思ったのですが、途中で予想したことはまるっきりその通りです。
 でも、まあ、それが肩すかしとは思わないですが。思ったようにはまっていくおもしろさという感じですね。
 記憶を失った小谷野が、以前の自分について理解していくのも、なんかいい人である自分を知って不思議に思うのも納得いきました。
 左利きでバレーって、かっこいいですよね。
 公園のシカ(今思えば、お気に入りのシカの話題も伏線!)の話とか、ジェットコースターとか、友人のなみちゃんとか、いろいろエピソードがちりばめられていて、楽しく読みました。

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