くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「嘘八百」天野祐吉

2010-03-27 00:05:03 | 総記・図書館学
うわぁーっ、なつかしーっ。つい買っちゃったじゃないですか。天野祐吉「嘘八百」(ちくま文庫)。
「ホラ出た、メリヤス!」(100ページ)なんか鮮明に覚えていますよ。丸善の広告だったんだー。
120ページの福助足袋の広告も、隣のオニタビも、242ページの森永ミルクキャラメルも。とてもとてもよく覚えています。
わたしがこの文庫の元本「嘘八百!」「また嘘八百!!」「またまた嘘八百!!!」「嘘八百これでもか!!!!」(文春文庫)を読んだのは、もう十五年くらい前。友人みえっちさんが、気に入って貸してくれたのです。
もうこれがつぼにはまってしまって。
当時もかなりヒットした本なので、目に留めた方は多いんじゃないかと思うのですが、よくぞこんな図版をこれだけ集めたものだと感心しきりです。
副題が「明治大正昭和変態広告大全」とあるように、昔の雑誌や新聞広告を現代の視点で振り返るといろいろおもしろいことがある……ん? 「変態広告」?!
この広告、変なのでしょうか。いや、そりゃ変には決まってますが、でも、そんなふうに考えたことがなかったので驚きです。
天野さんがなぜこの本に「嘘八百」なるタイトルをつけたのかというと、「嘘広告は人びとの想像力を切りひらき、人間ってバカだなァ、面白いなァ、と実感させる。あるいはその表現のなかに、宙づりにされた真実を、嘘みたいなホントを、それとなく見せてくれるところに、その神髄があるのです」という部分が鍵になっているかと思うのですが。
最後に、これは全国図書館協議会の推薦図書になるべき本だと天野さんはおっしゃいますが。
うーん、これも「嘘」なのか、それとも「嘘みたいなホント」なのか、ちょっと悩んでしまいます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿