くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「愛が好きですⅡ」中島みゆき

2011-10-19 05:17:47 | 芸術・芸能・スポーツ
知らなかった。続編が出ていたのですね。中島みゆき「愛が好きですⅡ」(新潮文庫)。
「愛が好きです」にはちょうどわたしがいちばん聞くようになる時期の直前までの歌詞しかなくて。だから中学から大学生くらいまでのあたりが気になって仕方がなかったのです。アルバムだと「予感」とか「missM」あたり。朝日文庫の同種の本にもこのあたりはなくて、残念に思っていました。
あったんですねぇ。もういちいち懐かしいです。忘れていた歌も、歌詞を見れば思い出してしまう。
昨夜は「黄色い犬」が頭の中で鳴り響いてなかなか眠れないほどでしたが(笑)、当時はカセットテープに録音していたために現在なかなか聞けません。
歌詞を見れば耳の奥に曲が流れてくるものもあれば、その近くにあっても思い出せない歌もある。「吹雪」なんかは第五福竜丸に関わると聞いていたのでとても気になるのですが、なんだかわからないままです。ごく近いところまでおりてきている気はするんですが。
中島みゆきがいうには、詞を全面的に彼女の体験から作られていると信じる人が多くて、「熱病」からテストを白紙で出したことがあるのは本当かと聞いてまわる人も多かったとか。「ファイト!」をオールナイトニッポンの投稿から作ったのだろうなんていう苦情もあったそうです。
この時期から「夜会」も始まったのですね。自分が利用していた駐車場がホールになり、そこを使って何かできないかというオファーがきて、その前から考えていたステージ構想にぴったりだったという運命的な出来事。
わたしも学生時代、友人みえっちさんとコンサートに何回か行きました。スピーカーの音がものすごくて、会場を出たあと耳が遠くなっているんだよね。
みえっちさんは中島みゆきのアルバムを全部持っていて、よくダビングしてくれました。二人でしょっちゅうカラオケに行っていたけど、彼女が病気で亡くなってからはずっと行ってなかったのです。
しかし、この本を少しずつめくっているうちに、ふと久しぶりに行きたくなって。
行きました。一人で。結構楽しかった。「毒をんな」と「慟哭」を歌ってみましたよ。なんだか最近覚えたような歌は思い出せませんでした。
少しずつ読んでいるうちに、いちばん胸に迫ってきたのは「EAST ASIA」。みえっちさんがよく歌っていた曲です。
権力に揺さぶられて故国を捨てざるを得なかった女性が、どこででも生きていけるといいながら、大切な人への思いだけは捨てられない。その甘苦しい辛さ。
「でも心は帰りゆく 心はあの人のもと」
ふと、口ずさんでいる自分に気づくのです。
この歌詞自体は朝日文庫にも入っているのですが、やはり昔愛読した「愛が好きです」の系統は伝わり方が強いのでしょうか。歌というものは、様々な記憶を蘇らせることを実感しています。