草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

土俗的情念による変革

2009年11月10日 | Weblog
 民主党が政権をとっても、やっていることは自民党と大差はないから、無血革命なんて大袈裟に言うほどではなかったよね。大風呂敷を広げてしまって、かえって手に負えなくなっているんではないの。そんなことでは、鳩山内閣は長くは続くわけがないよ。変革の原理というのが見当たらないのが一番の問題だと思うよ。マルクス主義は止めを刺されて陳腐になったし。ここぞというときに国民が結束して危機を乗り切る。良いつけ悪いにつけ、そうした情念が見直されてくるんではないのかな。吉本隆明は米沢高専時代に、「帰命」という詩をつくっているんだけど、なぜか身につまされてならないんだよね。
 
 祖国の土や吹きすさぶ風や
  人の心の修羅のかげあるも

  いまは
 おほきみのみ光の下に
  いのちかえれ
 あそこであんなに苦しんでいる人
 どうかかなしい生命の光もて
  修羅の行路を泣いてかえれ

 戦後、新左翼の教祖にまでなった吉本は、過去の負の部分として引きずっているんだろうけど、そうじゃないよね。日本人の土俗的な心情がこめられており、切なさがこみ上げてくるから。三島由紀夫が『文化防衛論』で書いているように、天皇というのは、秩序の側に手をさしのべていただけではなく、無秩序の側にも手をさしのべていたんじゃないの。桜田門に変に決起した浪士たちは、孝明天皇の大御心を信じていたんだし、二・二六事件の青年将校もそうだったんだよね。日本の政治が混迷すれば、土俗的情念が大きなエネルギーを生むんではないかな。鳩山政権はあくまでも第一幕で、その次が本番じゃないのかな。
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