ポポロ通信舎

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【中学下宿記】(20) テープレコーダー事件

2009年12月20日 | 中学生下宿放浪記
今から思うとリール式のおもちゃのような録音機(テープレコーダー)を
ある時、前橋市内の電気店ではなく、設備屋さんのようなお店で買い
ました。偶然、店頭の張り紙を見て。
サンヨーでなくメーカー名は「サンウェーブ」。

今、サンウェーブ工業のホームページで確かめてもテープレコーダーの
ことは何も記されていません。しかし確かにブランドはサンウェーブ
でした。同社は今も住宅設備、流し台などで有名な会社ですが1960年代に
一時期、録音機も手がけたのだろうと思います。

テープレコーダーを持つと、なんでも録音したくてたまりません。ちょうど
教科書サイズの大きさでしたので、週一回のラジオの音楽番組を録音して、
こっそりカバンに入れポップスの好きな友達と一緒に聞きました。
ジーンピットニーの「ルイジアナママ」などを何回も流しました。
「レコードを買うより安い」と友人からも好評でした。

さて、このテープレコーダー、嫌な思い出も“記録”してしまったのです。
ある晩、下宿の旦那さんと奥さんの夫婦喧嘩を録音してしまったのが、
ことの発端です。

晩酌でいい気持ちの旦那が、奥さんに向かって小言を並べ始めました。
いつものことなのでしょう、言われている奥さんは、最初はしかたなく
聞いていましたが、長々つづく文句に呆れ、しばらくして席を外し
てしまいました。旦那は半分目を閉じ酔っ払ったろれつの怪しい声で
「お前は俺と離縁をするか、それとも・・・しか道はないぞ」
いたずら小僧の私は、すばやく旦那さんの声を録音していました。

翌日、私の部屋で遊びに来た友人と、昨夜の模様を再生して聞きクスクス
笑っていた。ところがそのことを、廊下を挟んで前の部屋の新潟の浪人生が
旦那さんに告げ口していたのです。終始ポーカーフェイスの浪人野郎に
してやられました。

次の日、急に母が訪ねて来て、事の重大さを知らされました。
私は旦那さんにひたすら謝り言われた通りテープを差し出す。しかし旦那は
それでも収まらない。「人権侵害だ!すぐ出て行け!」と怒り心頭。
この下宿に来た時も最初は「うちの子と同じと思って預かる」といわれた。
しかし他人の家では一度でも失敗は許されない。「すぐに出て行け!」には
辛かった。特に、母には心配掛けて申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

母の話では、
「いきなり電話が来て、すぐ出て行ってもらいたい」と言われびっくりして
飛んできたという。母は私の話を聞くと、旦那が奥さんをいびったセリフに、
「それにしても、ずいぶんひどいことを(妻に向けて)いうものだ」と
意外なところに反応をしてくれて、内心ほっとする。母からもかなりきつく
叱られるものと覚悟していただけに。

奥さんの方は、私にはきつい視線を向けることもなく気にしていない様子。
「なにも(夫が)追い出すとまでいうことはないのに」と母にすまなそうに
語っていたと後から聞きました。

さて、善でなく「悪は急げ」。即どこかに引っ越さなくては、と私が心配顔で
いると、そこは母。手回しよく次の下宿先を決めていた。
やはり頼りになるのは三洋女子寮の力。今度の下宿先は前橋出身の寮生、
Hさんのご実家と決まる。
こちらもすばやく旅支度。またもや“引越し助っ人”四中のH君のリヤカーで、
早々に寮生のHさんの実家めざして引越ししました。(つづく)


【写真】サンウェーブ製と同じオープンリール式録音機、
    三洋MR-530。今も健在です。

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2 コメント

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懐かしのT型シフトレバー (メカキチ)
2010-08-09 14:05:07
1970年ごろ、5型テープレコダーを使っていました。
車のギャーのように、T型レバーを操作して、お気に入りだったが
何を録音再生していたか思い出せない。
メカキチさん (popolo)
2010-08-11 22:01:40
そうでした。車のギアに似ていましたね!

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