ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

【中学下宿記】(19) 腹ペコ“悲しき中学生”

2009年12月17日 | 中学生下宿放浪記
医学生の部屋からは、高尚なクラシック音楽が流れていた・・
そっと近づくと、「シーッ。静かにしているなら聞かせてやる」

そんなI下宿でしたが、急に待望の一部屋が空きました。
てっきり私が入れるものかと思っていましたら、新しい学生を
迎えてしまいました。お婆さんとの“同棲生活”には飽きて
いましたので、私はとてもがっかり。

またまた、四中生のH君からリアカーを借りて引越しました。
今度は天川大島町のIW家(五中区域)。
なぜこの下宿先を選んだのかは、記憶がありません。母の知り合い
だったのかもしれません。ここでは専用の自分の部屋がありました。

IW家も奥さんが副業的に私以外に2人の学生に部屋を貸していました。
新潟・小千谷市出身で医者の息子の浪人生と北毛からの前橋工の生徒。

部屋は与えられたのですが、ここでも中学生は半人前扱いでした。
食事の時のおかずがいつも少ないのです。大好きなシャケが出たときも、
私のお皿にはみんなの半分。
日記には、シャケの大きさが図入りで書いてあります(笑)
腹が減ってしかたがない。浪人生は小食で、いつも余し気味でしたが
反対に、食べ盛りの私は、食事の量が足りない、その嘆きでした。
もっと食べたい、と言い出せないところが実家と違うところでしょう。

ここでは、薄暗い裸電球の下にある木桶製の五右衛門風呂が印象に
残っています。釜ゆでの風呂近くには、家のラジオがかけっぱなし。
ある時、軽快な曲が耳に入りました。週一回のヒットパレード番組。

若者が悲しそうにせつなく怒鳴っているような声と金属性のギター音。
それがデル・シャノンの「悲しき街角」でした。
意味はわかりませんが、
wa(ワー)wa(ワー)wa(ワー)wonder(ワンダー)の節が気に入りました。

風呂から出ても、それからは、しばらく学校でも下宿でもどこにいっても
ワーワーワー ワンダー状態で、この曲を口ずさんでいました。

当時好きだった洋楽のメモがあります。

(1)悲しき街角(デル・シャノン)
(2)コーヒールンバ(ユウーゴ・ブランコ楽団)
(3)小さい悪魔(二ール・セダカ)
(4)ポケットトランジスタ(アルマコーガン)
(5)悲しき片想い(ヘレンシャピロ)
(6)ライオンは寝ている(ザ・トーケンズ)
(7)ハウンド・ドック(エルヴィス・プレスリー)
(8)戦場の陽は落ちて(リトル・リチャード)
(9)オンリーユー(ザ・プラターズ)
(10)夢のデート(コニー・フランシス)

曲名に「悲しき」が付くものが多かったですね。
これ以外にも「悲しき少年兵」「悲しき雨音」「悲しきインディアン」
「悲しき足音」「悲しき恋の物語」「悲しき60歳」,etc・・

クラスの中で、私の席の列一番前、お下げ髪の小さな可愛い女の子が
気になりだしたのもその頃でした。思春期に入りました。(つづく)



【写真】衝撃的だったデル・シャノン「悲しき街角」のジャケット

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1 コメント

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Unknown (思春期少女Y )
2010-04-11 10:29:42
思春期特有のもんもん時期にはいるのかな。。
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