ポポロ通信舎

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保育士不足を国試2回に求める予算案

2015年01月16日 | 医療・福祉

保育士不足解消のために現在1回の国家試験を2回に増やすことが予算案で決定された。試験制度に助成金を出すという。お金をかけるところが全然わかっていない人の机上の愚策です。

保育士の労働条件は厳しい

17年度末までに69,000人の保育士が必要だから国試2回??保育士が足らないのは他産業に比べ賃金が低く、臨時やパートの増加で身分も不安定。将来に希望が感じられないからだ。免許を持っているか否かが問題ではありません。もともと保育士の業務は「名称独占資格」。資格がなくてもその業務に従事する事は認められている。ただし保育士と名乗ることはできないない資格。ですから国家試験を倍にして保育士資格者を増やしたから定着率が良くなり充足するといものではありません。最近では男性保育士も増えましたが保育士資格をもっていても、賃金的に高い他産業に流れる人がけっこういます。免許だけ持っていて現場から遠ざかっている潜在的な資格者も少なくない。末端の保育士の給料アップに直結する補助金が、今必要なのです。

国試2回の必要性は看護師の方

国家試験を2回やると言うのなら、むしろ看護師試験の方が緊急性があるでしょう。年度によって合格最低ラインが変動する現在の試験で、落ちた受験生は1年の浪人を強いられ看護師の仕事には就けない。こちらの方が先ではないだろうか。現場を知らない人の考えが実行に移されると言うのは、なんともとんちんかんなことですね。

ついでに介護報酬2.27%カットにもあきれます。過去最大の2.3%の引き下げを求めた財務省の主張は認めなかったからとして、「介護報酬、最大下げ回避。首相、現場の混乱に配慮」(読売新聞1/12 3面見出し)。首相を持ち上げるマスコミもマスコミです。最悪を回避すれば、それが最高指導者のお力、ご配慮ですか。なんとも上手な表現です。演出力です。敗退を「転戦」と言い換えた「大本営文学」を彷彿させます。

同じマスコミでも、今度の予算案は「未来の道が見えない。3年連続増の防衛費や前年度並みの公共事業などからも厳しい財政規律を守る姿勢がうかがえない・・」とした毎日新聞(1/15社説)。果たして今後、事態はどのように推移するものなのでしょうか。

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【写真】15年度予算案を語り合う木工さん達(撮影:田口大輔)」

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