昨日は、無断侵攻した北のミサイルなど迎撃ミサイルPAC3で打ち落とせなかったものかと歯ぎしりしましたが改めて、にわか知識の吸収ですがいろいろ疑問がわいてきました。
防衛省の関係者は「ミサイルが上空を飛べば破片の落下など不測の事態も否定できない」と語っていたと。と・・いうことは仮に迎撃に成功したとしても昨日のように爆弾を搭載していない飛行体ならともかく、もしも、もしも核爆弾が装着されていたミサイルだとしたらどのような状態になるのだろうが、ぞっとしました。
広島原爆を搭載したエノラ・ゲイ(米軍機B29)がもしも日本の上空で当時、地上から迎撃されたと仮定したなら、果たして「きのこ雲」は発生しなかったのであろうか????。
熱核戦争の現代では、核を搭載したミサイルが発射された時点で、それが迎撃されようがされまいが「大悲劇」は決定されてしまう、ということではないでしょうか。つまり今回のように迎撃ができなかったからさらにミサイル防衛システムを強化して備えようとするのは余りにも単純すぎる。その思考は、核弾頭が出現する以前のものと感じました。原発と同じで人類は核(放射能)を撃退したり抑え込めることは今の技術では不可能です。それだけに核ロケットに対しての迎撃ミサイルの出番は果たしてあるのだろうか・・。
迎撃が命中したとしても被害は
思った通り小野寺防衛大臣は早速、米国製迎撃システム=イージス・アショアの導入に向けて来年度予算案の概算要求に関連予算を盛り込むことを表明。これは迎撃システムのグレードアップを図ることによって被害を食い止めようという従来的な考えによるものでしょう。
核が登場するハイテク戦では、迎撃ミサイルの精度が向上し射程距離が伸びて見事に相手方のミサイルを打ち落としたらそれで一件落着とはならない。迎撃して被害を未然に防ぐいう図式は、今の時代では成り立たない。人類が制御できない悪魔の核爆弾がひとたび発射されたなら、その時点で「終わり」なのではないでしょうか。
核爆弾が飛び立ってからでは遅い
先の戦争の教訓からもエノラ・ゲイが日本に向けて飛び立つ前に、政治家は命がけで外交交渉を徹底的に行って終戦を早めるべきでした。今の時代も外交努力を怠って「迎撃システム」に頼りそれを強化したところで問題は少しも解決には近づかない。拉致問題という大きな国民的な未解決事案を抱えたわが国は、一刻も早く6カ国協議が無理なら2国間だけでも先行して平和的な外交交渉に臨むこと、ぜひその道を追求してほしいと願います。
(参考)日本は北朝鮮ミサイルの迎撃は無理そう【森永卓郎】2017/1