ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

『100年後の人々へ』胸を張れるか

2014年12月18日 | 原発震災・原発問題

3.11原発震災後、真実を包み隠さず解説し続ける小出裕章氏(京都大助教)。彼の著書は何冊か読みましたが、『100年後の人々へ』は久々の新刊です。

100年後の子孫に恥じない生き方を

人類にとって放射能との付き合いは、いやおうなしに長くなります。セシウム137の半減期が30年、安全なレベルの1000分の1に到達するには300年かかる。プルトニウムの半減期は2.4万年、同1000分の1になるには24万年。著者は100万年後の日本がどうなるかはわからない、でも100年後なら想像がつく。暗い時代に向かおうとしている今という時代を、100年後の人々から2014年頃のお前たちはどう生きたのかと問われた時、しっかり答えを出せる覚悟をしなければ、と言う意味で「100年後」のタイトルにしたようだ。

昨年7月22日、参院選後に東電は海に地下の汚染水が流れていることを認めた。その後ひとつのタンクから300トンの汚染水がもれたことも発表(1リットル当8千万ベクレル)。今度も衆院選が終わるのを待っていたかのように、なりふり構わない原発の建て替え(リプリース)、さらに再稼働推進の動きが頭を持ち上げてきている。

今夏、原発なし電力OK

この夏、原発ゼロでも電力量は余裕でした。全国の各電力会社のなかで使用率が95%を超えたのはたった2日間だけ。関西電力で7月17日(96%)、中部電力で8月5日(95.1%)。国民の節電意識も高まり電力は安定して供給されました。つまり再稼働の必要はまったくないのです。なのになぜ再稼働を急ぐのでしょうか。著者小出氏は3.11以前から、電力不足で原発必要論の誤りを解説していました=動画参照。

食品に年齢別汚染表示を

著者は、食品汚染についてはその汚染度に応じて、成人映画などのように18禁(18歳未満禁止)、40禁、50禁、60禁などの表示を付けたらどうかと提案しています。これもたしかに名案です。お米は震災前は1キロ0.1ベクレルの基準が、いまでは子供、大人区別なく100ベクレルまでに許容されてしまっているわけですから。

原発政策、まさに7つの罪

ガンジーの7つの社会的罪を紹介しています。(1)理念なき政治(2)労働なき富(3)良心なき快楽(4)人格なき知識(5)道徳なき商業(6)人間性なき科学(7)献身なき崇拝・・
今の日本の政治状況、さらには核戦争に近づく世界の、人類の愚かさを先哲のガンジーが指摘、いずれも当を得ています。      

100年後の人々へ (集英社新書)
小出裕章 著

集英社   

「原発なしでも電力足りてる」 小出裕章(京都大・助教)  

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コメント (6)
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