ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

東京家族、“群馬家族”?

2013年02月14日 | 映画・芸能

後味の良い映画でした。今公開中の『東京家族』。
入館前、これは爆睡して周りに迷惑をかけないようイビキに要注意だなと思って恐る恐る席に着きました。しかし意外や意外、終始スクリーンに惹きつけられイビキが出るどころか代わりに時々涙が出てしまうほどでした。

最後の字幕で「この作品は小津安二郎監督に捧げる」とありましたが「東京家族」は小津監督による「東京物語」(1953年)のリメイクだという。「おかしくて、かなしい。これは、あなたの物語です・・」とコピーに書かれていますが、確かに現代のどこの家でも存在する共通した事柄、家族関係を素材に自然なタッチで描かれていました。

親から見て、出来の良い子どもと、そうでない子・・。それぞれを育て、育てられた幼児の時からその違いに互いに反発し合ってはいたものの、心の奥底では親は子の行く末を心配し、子も親のことは気にかけていた・・。しかしそれがはっきり表に出て分かりあえる時がおとずれるのは、肉親の死や婚姻など家族にとって大きな出来事がきっかけになって・・。
子どもたちが故郷を離れ東京に集結したので東京家族、もし大阪なら“大阪家族”、群馬であれば“群馬家族”・・

広島の離島に住む元教師の平山周吉(橋爪功)とみこ(吉行和子)老夫妻。その子でフリーターの次男、昌次役に妻夫木聡、その恋人でしっかり者の書店員間宮紀子(蒼井優)。東京で開業医の長男、幸一(西村雅彦)、そして長女(中嶋朋子)は都内で美容院経営・・。
特別に社会的なメッセージを発するような硬い作品ではありませんが、それぞれの登場人物に今の社会の各層に脚本家の思いが入り表わされているように感じます。
3.11大震災のボランティアに出動して次男、昌次のカップルは知り合った。控え目ながらも「この国はどうなるのだ・・」といった問題意識もチラッと感じさせられました。 

【写真】映画館での注意書き

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東京家族 オリジナル・サウンドトラック
山田 洋次、 平松 恵美子
ユニバーサル シグマ
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