北毛3町村の震災がれき受け入れについて、当広場1/31で取り上げたが、この問題がなんともわが町にも飛び火してきた。
放射性物質を除けるか?
受け入れに名乗りを上げたのは「大泉町外2町環境衛生施設組合」(大泉町、邑楽町、千代田町で構成)。震災がれきの焼却処理は大泉町の町清掃センター=写真。埋め立ては最終処分場(邑楽町狸塚)で扱うとの計画。
東日本大震災復興は原発事故を伴っているから厄介なのだ。当然、震災がれきも放射性物質に汚染されていることは自明の理。なんとか一刻も早い復興にと被災地支援を想う心情は温かいのだが・・。
移動・拡散でなく「一元集中管理」を
放射性物質の移動・拡散には賛成できない。「放射性物質の広がりや放射性セシウム濃度といった科学的なデータを見ると、がれきの放射線量は気にしなくていい」(岩手大学農学部・颯田尚哉教授)という見方もあるが、「放射線量は基準値より上も危険、下も危険」(京都大学・小出裕章助教)と、警戒を常に怠らない意見の方を重視したい。本来は汚染した震災がれきは専門家の監視下に置き一元管理するのが望ましいし、その方策を講じるのが責任ある政府の役割だと思う。
作業を担当する人たちの健康や周辺住民の被ばくを考えるなら各地に分散管理するという安易な方法は採るべきでない。元はといえば東京電力の原発事故が引き起こしてのこの惨状。高濃度の汚染地帯はこれから先永きにわたって健康な生活は困難だ。東京電力の敷地、福島原発周辺の地域は、「無人立ち入り禁止区域」と定め、その場所に被災各地からの汚染がれきや、校庭に青いシートで山積みになっている汚染土などを集め一括徹底管理をする体制を早急につくること。これは全国的な視野に立った政府の主導なしには進まない。
泥縄式対応にならないか
がれきの焼却については、排出ガスからの放射性汚染物質がどのような形で放出されるかその捕捉量、基準値をどのように定め把握していくか正確な事前準備と検証が必要となる。最終処分については、従来の埋め立て処分の対策強化にとどまらず将来にわたる構造物の保管、維持管理まで含めた検討が求められる。長期間のメンテナンスを考えると、各地で受け入れるようとしている分散処理は、コスト面でも決して安くなく刹那的な応急策に終わってしまわないだろうか。
当のがれきよりも先に、“焼却灰”のようにこの問題が北毛から東毛へ“拡散”してきた。上州人の義理と人情が、適切な判断を鈍らせないようここはしっかりとした賢明な対応を願いたい。 より身近に降りかかってきた放射能問題を、一住民として十分に注視していきたいと思う。