妻方の菩提寺は、浄土真宗(東本願寺派)。お墓参りの時、同派宗務所発行の「同朋新聞」をいつもいただく。先の大戦では日本の多くの宗派は、戦争賛美一色になっていた。その点を率直に反省していることが「同朋(どうぼう)新聞」では読み取れる。
6/1号コラム欄「時言」では「渇愛」と題して教育基本法見直しの与党案をとりあげていた。
ジャーナリスト桜井よしこさんが「祖国愛を否定すること自体が戦後教育の問題」としているが今の教育基本法が祖国愛を否定しているとは思えない。祖国愛は万国に共通するもの。生まれた国を愛するというごく当たり前のことが、いさかいと紛争を引き起こすことになり人類の終わることのない戦争を作って来たということも見逃せない。愛国心と言っても、人間の「渇愛」です。それはお釈迦さまのさとりの内容として示されます。渇愛とは好ましい対象に対する愛着、その裏返しは「嫌悪、憎悪」。仏陀の教育では、愛国心ということは恐らく賛美されません。祖国を愛着するのは、人に自然におこってくることだからこそ、そこに起こる人間の偏りと歪みに目を覚ませと教えられます。
愛国心についても、非常に慎重であることが伺われます。自分の国を愛することは自然で当然、ただそれを特出して強調することで自国の利益優先、他国排撃にならないことを戒めなければならい、ということだろう。もちろん桜井よしこさんもそういう意味で愛国心教育を掲げているわけではないだろう。ただそういう危険性を過去の歴史から教訓としてもっていなければならない、と「同朋新聞」は語っているようだ。
「葬式仏教」にとどまることなく「既成仏教」界はもっともっと主張を持って良い。そこは「同朋新聞」は面白いところだと思う。