2023/12/25放送
「世の光」の時間です。クリスマスおめでとうございます。大嶋重徳です。今週はヨハネ福音書の語るクリスマスの知らせについてご一緒に見ていきたいと思います。
ヨハネによる福音書1章1節
「初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった」
この世界の「初めにことばがあった」と記します。この「ことば」は、聖書で日本語の漢字を用いずに平仮名で記すしかない「ことば」であり、聖書が記されたギリシャ語では真理を意味する「ロゴス」と表現され、英語も「ザ・ワード The Word」、まさに「ことばの中のことば」としか言い得ない存在だとイエス・キリストのことを表現します。
このヨハネ福音書を最初に日本語に訳したのは1837年のことです。尾張の国、今の愛知県出身の船乗りで乙吉、久吉、岩吉の三人が米を積んで江戸に向かう途中に遠州沖で遭難し、カナダのバンクーバー近くまで漂流します。そこで奴隷にされイギリスを経てマカオに辿り着いた時、彼らが出会ったのがドイツ人宣教師ギュッツラフでした。ギュッツラフ宣教師は彼ら三人から日本語を学び、宣教師によるヨハネ福音書とヨハネの手紙の最初の聖書翻訳をします。
そして1章1節はこう訳されました。
「ハジマリニ カシコイモノゴザル。コノカシコイモノ ゴクラクトトモニゴザル。コノカシコイモノゴクラク。」 となりました。
「ことば」は「カシコイモノ」と訳され、「神」は「ゴクラク」と訳されました。乙吉、久吉、岩吉たちの生きていた尾張のことばで聖書のことばが訳されたのです。ギュッツラフ先生を助けた乙吉たち三人は船が難破し仲間たちを失いました。漂流し辿り着いたカナダでは奴隷にされ自分の人生を売り買いされました。自然の恐怖、人間の無力さ、恐ろしさを知った乙吉たちは「ことば」を「カシコイモノゴザル」と訳した思いが非常によく分かるように思います。彼らは賢いものを求めていたのです。自分はどうすればこの自分の人生をもっと賢く生きてくることが出来るだろうか、と悩んできたのです。そしてこの賢いことばを、自分の家族にも伝わることばで届けたいと願ったのでしょう。
今週はこのヨハネの福音書1章からともにクリスマスの余韻を味わっていきたいと思います。そして私たちも神のことばを受け取る年の瀬を過ごしてまいりたいと思います。
( PBA制作「世の光」 2023.12.25でのお話しより )
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