新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

マンサクに教えられた

2009年01月30日 08時02分01秒 | 写真・エッセー

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 市民の森の一角で、マンサクが咲き始めた。

 枯葉が落ちずにいて、花をいたわっているように見えた。

 過日のこと。

 朝から曇っていた。降ることもなかろうと思い、臘梅やマンサクを見に行った。

 今年に入ってから、臘梅は幾度も撮っていた。しかし、マンサクは撮っていなかった。

 マンサクは咲いていた。まだ満開とは言えない。

 コートを着た女性が、真剣に撮影していた。

「お早うございます。やっと咲きましたね」 私は声をかけた。

 女性は私の方を、ジロッと見た。不審者を見るような目つきだった。挨拶は返さない。

 (朝から、ヘンな婆さんに会っちゃったナー) 

 内心そんなことを思いながら、別な枝を探してレンズを向けた。

 (上の写真はその時に撮影)

 カラッとは晴れていなかった。だから、写真の中に空を入れたくなかった。しかし、ヘンな婆さんは動こうとしない。20分も30分も粘っている。

 諦めて、ほかのポイントへ移動した。その内に終わってくれるだろうと思った。

 臘梅や紅梅を撮った。

 大木のマンサクを、望遠レンズで撮った。

 リス小屋に入り、走り廻るリスを追っかけた。リスの撮影はなかなか難しい。

 かれこれ2時間ほど過ぎてから、朝のマンサクへ戻ってみた。

 先ほどのヘンな婆さんがいた。

 (ヘンな婆さんと言っても、私よりは若い。嫌なヤツだったので、あえてヘンな婆さんという)

 また、ジロッとやられた。同じ枝と睨めっこをしていたのだ。

 どうやら、その小枝に凄まじい執着があるようだ。

「たかがマンサク……」と思いながら、家路を急いだ。

 写真愛好家によく見かけるタイプだ。執着心は分かるが、譲る気持ちがないのは困る。

 (こんな婆さんの家では、嫁さんが苦労するだろうナ)

 よけいなことまで考えた。

 この執着心は、他人事ではない。現に私にもあったのだ。だから腹を立てている。

 そしてまた、貪ってもいけない。ほどほどがいいようだ。

 何事も、貪ってはいけません。

 その朝、ヘンな婆さんに、何かを教えてもらった。

 いや、マンサクに教えられたようなものだ。マンサクに感謝だ。

Simg_0467t

 上の写真は、別な大木で撮ったマンサク。

 この枝からは、すでに枯葉が落ちていた。陽当たりがいいからだろうか。

 なかなか器量よしのマンサクだ。 

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コメント (18)
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