新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

心の機微

2009年01月02日 09時38分55秒 | コラム・エッセー

 元日の午前10時ごろ、年賀郵便が配達された。

 元日に配達された数としては、昨年より多い感じだ。昨年より手際よく、配達できたのだろうか。

 配達された中の1通に、気にしなければならない賀状があった。差出人を、仮にZさんとしておこう。

 Zさんと私は、特に親しい間柄ではない。Qさんを介しての間柄だ。QさんはZさんの弟。Qさんと私は親しい間柄で、Zさんはそのことをよく承知している。

 Zさんは私より年下だが、すでにリタイアしており、ある地方都市のシルバーセンターで働いている様子だった。

 昨年の11月ごろ、Zさんはある臓器の癌と診断された。最悪の場合、さほど長くはない余命を聞かされたらしい。もちろん、本人はすべて承知しているとのこと。

 新年早々の入院・手術の手配だそうだ。私はQさんから聞いて知っていた。

 そのような状況下にあっては、暮れ正月と言えども、家族中がひどく滅入ってしまう。私の昨年が同じような境遇だった。Zさんの心情は分かるような気がしていた。少なくとも、にこにこ笑って乾杯する気分にはなれない。

 そんなZさんの心情を忖度して、私はZさん宛の年賀状を遠慮した。

「病気であることを知っているくせに……」 そのような思いで気持ちを波立たせてはいけないと思ったのだ。

 ところが、昨日配達された中に、Zさんからの年賀状が入っていた。単に「謹賀新年」と印刷された簡潔な内容だった。

 やはり私の思いは、考えすぎだったのだろうか。

 淡々と新年を寿ぐ内容であれば、Zさんの気持ちを損なうことはなかったかもしれない。

 新年を寿ぎつつ、病状を気遣う添え書きをする方法もあったではないか。

 私のしたことは、まさに「下手の考え休むに似たる」だったようだ。

 考えすぎて、礼を失してしまったようだ。

 病状伺いと早期退院の祈念を添えて、遅ればせながらの賀状を送った。

 人の心を忖度することは難しい。機微に触れることならなおさらだ。

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