テレビは、夕べから雪の予報を出して大騒ぎ。
どうせたかが知れていると思っていたら、午前中に確かに降ることは降った。
いっときは積もる気配すらあった。
しかし、午后3時ごろには、すでに溶けはじめていた。気温が上がってきたらしい。
このような雪は、「淡雪」と表現したい。なんとも儚い雪だ。
ところが、俳句歳時記では、「淡雪」、「牡丹雪」、「綿雪」は春の季語。春に入ってから降る雪で、すぐに溶けてしまうヤツ。
立春を過ぎなければ、まだ春ではない。
それが俳句のいいところ。
淡雪やかりそめにさす女傘 日野 草城
なんとも言えぬ風情が伝わってくる句だ。
直ぐに溶けてしまう雪と「かりそめの女傘」に、やがて来る別れを予感させられるではないか。
この男女、さほどドロドロした間柄ではなかった感じ。「淡雪」のニュアンスがもたらす効果かもしれない。
繁華街や盛り場といった雰囲気は似合わない。都心から少し離れたところ。
時間帯はもちろん夜。深夜ではなく、8時から9時ごろがいい。
小粋な小料理屋からの帰り道でどうだろうか。「女傘」はもちろん女将さんのものだ。
女将さんの年齢は40代のはじめ。男は50代半ばがいいところかな。
「女傘」の色は何色がいいか?いかになんでも、赤系は合わないなァ。すっきりした感じの淡い紫色ってところでどうか?
書き始めたらキリがない。妄想はとめどないので、今日のところはこのあたりまで。
男を送り出した女将さん、きっとひとり酒かもしれない。まるで演歌だね。