新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

燗の酒

2009年01月28日 07時32分15秒 | 写真俳句・エッセー

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遙けきは母の温める燗の酒

 過日、実家を継いだ弟から、母親の50回忌について連絡があった。

 もう50年も経ったのだ。「50年も経ったのか」というより、「へーえ、ずいぶん昔だったんだよなァ」との思いだ。

 50年前と言えば、社会人としての2年目だった。あの頃の感懐は、すでに淡いものとなっている。

 私の父は、生来の下戸だった。お猪口一杯でまっ赤になる。それ以上は飲めない。

 そのDNAを受けていたからか、学生時代の私は、アルコールが大の苦手だった。ビール一杯でも飲もうものなら、大変なことになる。小間物屋を開いてしまったりする。

 母親はそんな私の体質を、密かに心配していたようだ。

 実家に戻るたび、父親に隠れるようにして、私に酒を勧めた。

 しかし私は、銚子1本の酒が飲めなかった。半分も飲めなかった。

「少しは飲めなくてはネ」

 母親はよくそんなことを言った。父親の苦労を知っていたのだ。

 いつの間にか、私も酒のみの片隅に入っていた。もちろん母親が他界してからだ。母親の兄や弟は酒豪だった。その血筋のわずかが、私を育てたのかもしれない。

    遙けきは母の温める燗の酒    鵯 一平

 母親とのことは、もはや思い出を超えた。遠い時代の歴史的な事柄のようだ。

 50回忌の先は、何回忌となるのだろうか。

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コメント (11)
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