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「男性専用車両」の設置は否決 西武HD

2009-06-24 22:52:46 | その他社会・時事
「男性専用車両」の設置は否決 西武HD(産経新聞)

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 西武鉄道を傘下に持つ西武ホールディングスは24日、埼玉県所沢市で株主総会を開いた。株主提案として痴漢冤罪(えんざい)を防ぐため「男性専用車両」の設置を求める異例の議案が出されていたが、筆頭株主の米投資ファンドなどの賛同が得られず否決された。

 株主からは乗客の男女比についての質問は出たが、男性専用車両そのものについての質問はなかった。株主提案ではほかに、株主利益を図るため早期上場を定款に盛り込む議案が出された。定款への記載は否決されたが、会社側は「上場を経営の最重要課題として取り組んでいる」と説明した。
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うーむ…男性専用車両か…私は正直、複雑な心境だ。

痴漢問題に関しては、映画「それでもボクはやってない」の公開を機に流れが大きく変わった(逆転した、と断言してもいいと思う)。それまでは、「無抵抗でか弱い女性とその性の尊厳を踏みにじる男性」という構図だったのが、最近では「弱者の立場を利用して男を陥れようとする女性」対「反論権を与えられない男性」という構図に変わった気がする。

少なくとも、男性にとって反論権が与えられないという状況に変化が生じてきたのは人権の面から評価できると思うが、一方で、事実を検証もせず、すべての痴漢事件をどちらか一方の構図にステレオタイプ的に当てはめてしまうという捜査当局の姿勢が変わったとは思えないのだ。この思考停止こそ、事実の検証を怠りえん罪を生み出してきた背景にある。今後、今までと逆の方向に針が振れた結果「男性がえん罪を主張すれば女性は反論の機会も与えられないまま犯罪者にされる」なんて事態が起こらなければいいのだが…。

いずれにせよ、こうした極端な状況がもたらされた背景には、捜査当局がきちんと事実関係を検証しないことがあると見て間違いない。足利事件を見てもそうだが、当局が思い当てた人物を犯人に仕立てるような流れが意図的に作り出されているのだ。周防監督も、そうした捜査のあり方を問うため「それでもボクはやってない」を作ったと、その意図をはっきりと述べている(例えば「キネマ旬報」2007年2月号インタビューなど)。捜査当局がこの点をきちんと反省し、事実をきちんと検証できる態勢を構築しないことには、結局何も変わらないだろう。

こうした捜査当局の怠慢のツケが鉄道会社に回されているのだとすれば、本当に気の毒なことだ。鉄道会社が対応すべき問題ではないと思うし、できるとすれば株主提案があった男性専用車両の設置くらいだろうか。

しかし、自分たちと違うものを排除しようとする「排除の論理」の行き着く果てが差別と偏見と戦争であることは歴史が証明している。その意味では、女性専用車両も永久的措置ではなく過渡的措置であることが必要である。今さらながら思うことだが、痴漢の根本的解決は鉄道からラッシュをなくすことだ。そのために、時差出勤のほか、テレワーク(在宅勤務)の拡大、企業の地方移転の促進などあらゆる政策的努力が望まれる。

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