ひろの東本西走!?

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我らが隣人の犯罪(宮部みゆき)

2005-10-03 23:38:27 | 本と雑誌
wareragarinjin-1我らが隣人の犯罪(文春文庫)
★★★★’:75点

ゆきうさぎさんのブログ記事 他にもこの記事 でオススメの短編集を読みました。5編中2編は傑作で、「サボテンの花」を最高作と評価します。以下に5編の概略評価をマークで示したのですが、私には最後の2つの良さが分かりませんでした。従って、全体の評価としては75点どまりにしかできませんでした(文庫本の解説で北村薫氏は全体を高く評価されていましたが)。

  ◎’:我らが隣人の犯罪
  ○:この子誰の子
  ◎:サボテンの花
  △:祝・殺人
  △:気分は自殺志願〈スーサイド〉

で・す・が! 「我らが隣人の犯罪」と「サボテンの花」があれば文句なし!
前者は、あれ?これで終わりなの? うーん今いちかと思っていたら・・・。
おーーー、そういうことだったのかと感嘆。

後者は、あれ?結局どういうことだったんだろうと思っていたら・・・。
そうか・・・そういうことだったんですね・・・ジーン・・・。
でも僕は泣かないぞ。グスン。

教頭先生と六年一組の生徒たちの心のつながり、子供たちにそそぐ真の愛情、先生に対する尊敬と親愛と感謝の気持ち。
わずか30ページの短編に凝縮されたお互いの想いが胸をうつ。ラスト、こんなに短くて心のこもった手紙を書いた子供たち。君たちは素晴らしいしカッコイイよ!

これはミステリーの味わいを持った素晴らしい教育論(という言葉は使いたくないのですが)ですね。
作者は余計な説明はせずに読者に判断を委ねます。判断といっても別に難しいことも何ともないのですが、どうとらえるかはあなた次第です。

「宮部さん凄い!!!」
ゆきうさぎさん、素晴らしい本の紹介をありがとうございました。