脳卒中後の復職についてネットで調べてみると、例えば、脳卒中の復職率は約40%。そして復職を左右する因子として、下記のような項目が挙げられていました。
・若年で復職への意欲が高い
・仕事内容に肉体労働がない
・高次脳機能障害がない
・歩行が自立している
・家族や同僚の支援がある
・雇用主の柔軟性
・復職に向けた早期リハビリの有無 など
また、「発症後の病態が落ち着いていて、回復期病院でのリハビリ期間が平均的な日数であった場合、早ければ発症後3~4ヶ月ほどで職場に復帰できる可能性もあります。しかし、万全な状態で復帰したいのであれば、回復期病院でリハビリを長く続けて、発症後半年~1年後に復帰する方が良いでしょう」と書かれていたりも。プロ(医師や療法士の先生方など)が専門的な知見および具体的データに基づいて書かれているもの、患者さんがそれらを読んだ上で書かれているものなど様々あるようですし、病状や取り巻く環境によって異なりますが、概ね上記のこと(復職を左右する因子など)は正しいと思われます。
私の場合、日時(数値)データ的には昨年11/24夜に脳出血(脳皮質下出血)発症・入院&緊急オペ。今年1/6にリハビリ病院(回復期病院)に転院。そこを3/6に退院し、約1週間の自宅療養を経て3/13に復職しました(元の職場で基本的に業務も従来通り)。発症後、約3ケ月半ですね。3月中は、疲れをためない・残さないように週半ばに「午後半日休」をとったりもしましたが、原則として週5日&フルタイム勤務(昼休み1時間を含む8.5時間勤務)での復職です。但し、会社に色々配慮はしてもらいました(ラッシュ時間帯を避けての時差出勤等)。
私の場合、復職を左右する因子について考えてみると・・・・
・若年で(×)復職への意欲が高い(○)
発症時:57歳。気持ちは若いつもりでしたし、マラソンを走ったり建築探訪などで一日中歩き回ったりと、体力はあると思っていました。しかし、とても若年と言えませんね(笑)。二人の息子は学生(大学生&高校生)で、まだまだ学費などがかかりますし、復職は当然と考えていて、それに向けての意欲は高かったです。ただ、自宅が大阪&会社が京都で通勤に片道1時間40~50分かかっていて、元の職場への復職に当たってはこの遠距離・長時間通勤のハードルが高いと分かっていました。それもあって、リハビリ病院(大阪の森之宮病院)では先生方に通勤のことや業務内容を伝えて、ビシビシ鍛えて頂きました(笑)。なお、会社の産業医の先生や看護師さんの話によると(正確には記憶していませんが)、私くらいの年齢(定年(60歳)のちょっと手前くらい)で入院して会社を数か月休むような病気をした人で復職した人は少なく、早期退職する人が多いそうです(汗)。これは病気の種類や状態などにも大きく影響されると思いますが。
・仕事内容に肉体労働がない(○)
・高次脳機能障害がない(○~△)
私は技術系スタッフ職で、職種はあえて書けば「メカニカルエンジニア(機械系エンジニア)」でしょうか。実際には、機械屋&建築屋&コンピュータ屋&事務屋の兼任状態で、何でもやります/やってきました。ただ、繰り返し業務などは少なく、大きな流れは変わらないものの、毎年・毎期で具体的テーマや業務でのアウトプットも色々変化します。仕事の関係で工場や研究所などの現場に行くことはあります/ありましたが、調査やヒアリング、チェック・分析などがメインで、基本的に自分で体を動かして作業したりはありません。ただ、生産機械の近くに行ったり(時には中にもぐりこむことも)はありました。基本的にはオフィスで一日中PCを使ったデスクワークがメインです。
手を使っての細かい作業等もありませんが、手指が麻痺してPCがうまく使えないとちょっと元職への復帰は難しかったかもしれません。また、スタッフ職として計画/構想/企画/調査/分析/提案などの業務が多く、その関係の高次脳機能障害があると(大きな問題が残っていると)これも復職には影響が出たと思います。現在でも、易疲労性などはありますが、入院当初は左足の麻痺以外に左半側無視、若干の記憶力・構成力・空間認識力低下などがあったと思います。高次脳機能障害関係については、別途もう少し細かく書くかもです。
・歩行が自立している(○~△)
「歩行が自立」の定義がよく分からないのですが、転倒防止の目的もあって現在でも特に自宅外では杖は手放せないものの、基本的に回復期病院では当初から院内を一人で歩いていました。
・家族や同僚の支援がある(○)
・雇用主の柔軟性(○)
・復職に向けた早期リハビリの有無(○)
以下、-2に続く(予定)。