作品によりやや好き嫌いというか、感銘度の差がありました。しかし、ブログで感想を書くために再度パラパラとページをめくると、ひきこまれてしまう魅力があります。1980年~1991年の作品集ということもあって若干時代の古さを感じさせる面はありますが、カジシン(梶真)さんには独特のムードがあります。
************************** 文庫本背表紙より **************************
友達以上恋人未満の関係が長かった二人。月面基地勤務の彼から地球に届けられた、壮大な愛のメッセージとは?(ムーンライト・ラブコール)
報われない仕事に追われ、家族からは疎まれ。人生に疲れた中年男は、あるきっかけで19歳の自分に戻る。人生をやり直せる!そんなチャンスに彼が選んだ道は・・・・・・。(一九六七空間)
すべての読者に幸福な気持ちを運ぶ、永遠の名作8編!
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○「ムーンライト・ラブコール」
空間を超えて伝えられた壮大な愛のメッセージ。
オチは十分に予想できるのですが、good!
お婆ちゃんと孫娘の会話も微笑ましくていいです。
◎「アニヴァーサリィ」
新たなサンタクロース伝説の始まり。
夫婦愛が素晴らしい。
「ヴェールマンの末裔たち」
同窓会で再会した3人の男と1人の女。
少女と怪獣。
成長した少女が見つめる三人の乞食像とは。
「夢の閃光・刹那の夏」
竜介、達也、美梨子の愛と友情。
白ワイン・・・38年前の約束。
○「ファース・オブ・フローズン・ピクルス」
タキオン通信が生み出した切なさ系の恋。
そして、プチ・コメディ。
「メモリアル・スター」
ゴーレムとエリラン。
ススム、サトシ、恵莉。
三角形の愛とボタンのかけ違い。
”泥場”に現れる”ゴーレム”の奇跡。
○「ローラ・スコイネルの怪物」
ローラが小さい頃から一緒に遊んでいたともだちは
不思議な怪物”ブロッコ・ミリー”だった。
ラストの「ウェザー・コントロール・カンパニー」のアイデアが出色。
この話が一番風変わりかもしれません。
よくこんな物語を思いつくものです。
◎「一九六七空間」
「あなたが結婚して・ご主人が勤め先の・現場で・怪我をしたら・
どんな小さな怪我でも・医者に見せること・わかりましたか」
梶尾真治の超名作・クロノス・ジョウンターの伝説を彷彿と
させるエピソード。
そして、完全に切れてしまったかのような夫婦の絆が・・・。