ひろの東本西走!?

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ぼくのミステリな日常(若竹七海)

2005-12-22 12:55:00 | 19:わ行の作家

wakatake-1ぼくのミステリな日常(創元推理文庫)
★★★☆:70点

うーむ・・・まずまずといったところか。期待度はもうちょっと上だったので、その対比では、まあ合格の70点です。

~Amazonより~
月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。そこへ「小説を載せろ」とのお達し。プロを頼む予算とてなく社内調達ままならず、大学時代の先輩に泣きついたところ、匿名作家を紹介される。かくして掲載された十二の物語が謎を呼ぶ、贅を凝らしたデビュー作。
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ちょっと変わった味わいを持つ連作短編ミステリ。社内報に毎月掲載される匿名作家による小説の体裁をとっています。この設定は面白かったです。

建設コンサルタント会社の社内報であれば、もうちょっと建物に関連した内容を含めてほしかったなあ(多少はありましたけど)。何せ私は熱烈建築ファンなものでして。社内報の目次ページが各編(各月)の最初に掲載されているのは面白かったですが、これももうひとひねり欲しかったところです。『「小高女史への返信」への返信』へのご意見、などは笑えましたが。この会社の幹部が血縁で構成されているらしいこと(専務や常務と同じ名字の取締役や部長、営業所長がやたらにいることから分かるとのこと)などが、後からでも、もう少し読者にも分かるようになっていたならなあ。

肝心の内容についてですが、全12編の中では、

  「え?」
  「あんただって、○だろうが、新居。にぶい奴だなあ」

というやりとりに、それこそ「え゛?」と驚いた「内気なクリスマス・ケーキ」が一番印象的でした。

そして、12編の小説の中に秘められていたミステリが「ちょっと長めの編集後記」と「配達された最後の手紙」で浮き彫りにされてくるのはウマイ!と思いました。ですが、若干掘り下げ不足&味わい不足のような気も。デビュー作で多くを望み過ぎかな?

◎参考ブログ:

   エビノートさんの”まったり読書日記” (2008-4-4追加)