ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

1ゴール、1アシスト

2009-05-31 22:51:25 | サッカー

今日は次男が通うサッカースクールが他の2チームと交流試合を行いました。本当は5、6年だけで1チームを編成したかったところですが、ソフトボールやボーイスカウトなどで都合の悪い子が多かったため、6年生:3名+5年生:4名+4年生:3名の計10名編成となってしまいました。但し、相手チームも試合のときは10名で合わせてくれたので、ハンディキャップは無しです。まあ、交替メンバーはゼロですが。

この日、高学年チームは3試合を戦いました。次男は第一試合と第二試合は左バックスで先発。ただ、どちらの試合でも左サイドにあまりボールが来ず、時折ダッシュは見せるもののコーチから言われたポジションを大きく逸脱することもなかったので、遠くから眺めているシーンが多かったです。一度絶対的なゴールチャンスがありましたが、シュートは相手GKに阻まれてしまいました。相手も恐らく4年生を含むチーム編成で実力的にはほぼ互角と思われましたが、第一試合:1-2で負け、第二試合:2-2で引き分けと惜しいゲームが続きました。

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第三試合のポジションはミッドフィルダーです。恐らくバックスでは今いちモチベーションが上がらず不完全燃焼だったのでしょう。この試合では俄然張り切って走り回り、何度かライン沿いのドリブル突破もありました。そして、0-0で迎えた後半、同じ中盤に入った6年生エース君にアシストしてまずは1点先取。更には親友・ゴンちゃんからのパスを次男が冷静に左へ流し込んでゴ~~~ル。私が試合で次男のゴールを見たのは久しぶりです。その後、攻守に走り回って3試合連続で得点を挙げた6年生エース君は疲れが出たのか何度もシュートチャンスを外してしまったものの、味方GKが相手の反撃を「おぉーっ!」のファイン・セーブ連発でしのぎ、3試合目で本日の初勝利(2-0)となりました。これには6年生のセンターバックが実に献身的な動きをしてくれたのも大きかったです。次男もバックスに入ったときはその役割を理解して、もっと必死でボールに食らいつかないとね。ですが、第三試合の1ゴール、1アシストは見事だったと思います。試合後はコーチが祝福のタッチをしてくれて嬉しそうでした。

週一回しか練習がなく、”全員参加でサッカーを楽しむ”がモットーのチームですが、やはり勝利をあげるのは嬉しいものですね。この後の低学年チームも最後の試合は完勝して盛り上がり、応援のお父さん・お母さんたちも大喜びでした。

☆写真は今日だけのものではありません。
  走る姿はなかなかさまになっていると思います。


猫を抱いて象と泳ぐ(小川洋子)

2009-05-30 23:32:26 | 10:あ行の作家

Nekowo1 猫を抱いて象と泳ぐ(文藝春秋)
★★★★’:75点

「博士の愛した数式」(映画の感想のみブログにアップ済み)で数学と数式の奥深さ、美しさを鮮やかに描いた小川洋子さん。その彼女がまたもや何とも不思議な物語を紡ぎだしてくれた。
私などにはとても考えつかないような物語・設定で、その想像力・イマジネーションに驚嘆。やっぱり作家は凄い!それにしてもチェスを題材にした小説のタイトルが「猫を抱いて象と泳ぐ」とは!これにもビックリだった。

***************************** Amazonより *****************************

伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの密やかな奇跡。触れ合うことも、語り合うことさえできないのに…大切な人にそっと囁きかけたくなる物語です。

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チェス文学というジャンルもあるそうだが、この小説はチェスの世界を描きながらも恐らくはこれまでのチェス文学とは全く異なっているのだろう。リトル・アリョーヒンを主人公としたチェスの世界(宇宙)は静かで密やかで、温かさともの悲しさが同居している。しかし、数式の美しさと同様にチェスの美しさ、とくに棋譜の美しさが遺憾なく表現されていると感じた。

彼が最も憧れたロシアのグランドマスターにして”盤上の詩人”と呼ばれたアレクサンドル・アリョーヒン。その手を指した人物のすべてが投影されているというチェスの棋譜。”リトル・アリョーヒン”の存在を記すほとんど唯一の証拠となった国際マスターS氏との歴史的な対局と「ビショップの奇跡」。老婆令嬢との素晴らしい戦い。後年、更に老いてすっかりチェスのことを忘れてしまった彼女にリトル・アリョーヒンがチェスを教えるシーンは感動的だった。もちろん、チェスと共に素晴らしいのが心のふれ合い、心の奥底でのつながりだった。リトル・アリョーヒンと祖父・祖母・弟、チェスのマスター、少女・ミイラ、老婆令嬢、婦長・・・。

私はチェスも将棋も囲碁も指さないのであるが、チェスの1つ1つの駒を擬人化しての性格や役割が丁寧に描かれており、その魅力や奥深さも感覚としては良く分かった。取った駒を使える将棋とは異なって、チェスの場合は決着がつくまでの手数はかなり少ないのかな?27手でチェックとか出てきましたが。海底チェス倶楽部での人形”リトル・アリョーヒン”としての戦い。横で佇む肩に鳩を乗せた少女・ミイラ。人間チェスとそこで起こった出来事。不思議な不思議な世界でした。

また、この小説がとくに不思議な味わいを醸しだしているのは、身体が大きくなることへの恐怖が描かれていることだろう。屋上から降りることができなくなった象、壁の間に挟まれて動けなくなった少女、家がわりのバスの中から外へ出ることができなくなったチェスのマスター、チェス盤の下にもぐりこんでしかチェスがさせない主人公のリトル・アリョーヒン。。。私にはこれに秘められた意味合いはよく理解できなかったのであるが。

ミイラから届いた「e4」とだけ書かれた手紙。
あまりにも突然の終幕。
ロープウェイのゴンドラのすれ違いのシーンが哀切だった。エピローグ良し!

将棋・棋士を描いた小説としては過去に、難病と闘いながら29年の短い生涯を生き抜いた天才棋士・村山聖を描いた「聖の青春」(大崎善生)が素晴らしかったのですが、全く味わいが異なるもののチェスを題材にしたとても不思議で印象深い小説が誕生した。

◎参考ブログ:

   そらさんの”日だまりで読書”
   苗坊さんの”苗坊の徒然日記”(2009-6-28追加)
   エビノートさんの”まったり読書日記”(2009-12-28追加)


田尻歴史館再訪(ステンドグラス-2)

2009-05-28 23:28:50 | 近代建築

田尻歴史館のステンドグラスの続きです(実際にははまだ他にも色々あります)。今回の再訪では意識してアップ写真を多めに撮りました。本当は傾き補正をしてからアップしたかったのですが、時間がなくそのままです。

それにしても様々なデザイン、趣のものがありますね。私はどちらかといえば、ステンドグラスは幾何学的デザインよりも植物や鳥などの優美なデザインの方が好きです。もちろん例外はありますが。

今回、色んなステンドグラスの写真を撮ってみて、背景となるガラスにも様々な色合いや濁り具合、模様があることを再確認しました。これらも合わせて田尻歴史館は”ステンドグラスの殿堂”にふさわしいですね。

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田尻歴史館再訪(ステンドグラス-1)

2009-05-25 23:28:22 | 近代建築

先週の土曜日、大阪はインフルエンザ渦ではありますが、南の方ならちょっとはましかなと考えて、約6年ぶりに田尻歴史館(旧谷口房蔵別邸)を再訪しました。

6年前の探訪記は3年遅れでブログにもちょこっとだけアップしていました。
最近では、mayumamaさんが”m's dairy”に、半年前にはぷにょさんが”まちかど逍遙”に探訪記をアップされていますね。で、詳しい説明はそちらをご覧ください(よろしく~)。

前回もかなり写真は撮ったのですが、古い方のデジカメだったこともあって、この建物の最大の見どころであるステンドグラスのアップ写真が少なかったのがやや不満でした。そこで今回の再訪は、ステンドグラスの写真取り直しが目的の一つとなりました。まずは一番好きな書斎の出窓のステンドグラスを中心に写真をアップしてみました。同じ場所でちょこっとアングルや大きさを変えたものが多いこと、ご容赦ください。何せここが大のお気に入りなもので。

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◎参考ブログ

   きゃおきゃおさんの”きゃおきゃおの庭”(2011-9-1追加) 


キネマの神様(原田マハ)

2009-05-24 16:07:55 | 15:は行の作家

Photo_2 キネマの神様(文藝春秋)
★★★★☆:85~90点

映画ファン・映画好きにはたまらない作品で、とても良かったです。これほど映画と映画館(とくに名画座)への愛をストレートに綴った小説は日本にはあまりなかったのでは?これまで読んだ小説の中では、名作をモチーフにした金城一紀の小説・「映画編」も素晴らしい作品でしたけれど。

私自身、もち論この小説で出てくる映画を全て見たわけではありませんが、出てくる作品はいずれも恐らく素晴らしいに違いないと思わせてくれました。名画座での「ニュー・シネマ・パラダイス」+「ライフ・イズ・ビューティフル」という超豪華な組み合わせの2本立て。「プライベート・ライアン」「タイタニック」「アメリ」「戦場のピアニスト」「イングリッシュ・ペイシェント」「Shall we ダンス?」・・・。題名を見ただけで、映画ファン・映画好きであれば”あぁ、あれあれ”と思い起こしたり、”そうそう、あの映画は・・・”と語り出してしまう、その手法はズルイとも”にくい”とも言えますが、素晴らしい映画にはそれだけ人を惹きつけ、長く心に残るという魅力があるということでしょうね。古い作品では「自転車泥棒」や「カサブランカ」などが出てきました。

◎参考ブログ:

   エビノートさんの”まったり読書日記”

****************************** Amazonより ******************************

四十を前に、突然会社を辞めた娘。映画とギャンブルに依存するダメな父。二人に舞い降りた奇跡とは―。壊れかけた家族を映画が救う、奇跡の物語。

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小説としての凄さ・目新しさはそう多くありません。また、悪人や嫌らしい人物が殆ど出てこない甘さもあり、これらが弱みといえば弱みでしょうか。ただし、シネマ・コンプレックスやネット、ブログ、ユーチューブ、スティーブ・ジョブズ(アップル)、ラリー・ページ(グーグル)といった名前が出てくるのは今風でとても面白かったです。この小説ではブログが大変重要な役割を果たしており(この設定は出色!)、4年半ほどブログを続けている私としてはその点でも興味深く、”ブログの力”や考えたこと・感じたことを文章に書いて残し、それを発信することの重要性の再認識にもつながりましたね。

少し小説の内容に戻ると、ブログ”キネマの神様”で繰り広げられるゴウこと円山郷直(主人公・円山歩の父。大のギャンブル好きだが真に映画を愛する人)とローズ・バッド(映画史上最高の傑作と評されることも多い「市民ケーン」の”バラのつぼみ”を自称)の評論対決が見事です。激論対象となった映画「フィールド・オブ・ドリームス」「七人の侍」「硫黄島からの手紙」など、ゴウとローズ・バッドの評論対決には二人の人生観・世界観などが大きく反映されており、一つの文化論にもなっています。時には激しくやりあい、時にはユーモアたっぷりに相手を挑発したりで臨場感もたっぷり。そして、二人の間に次第に芽生える友情と相手への尊敬の念。

一方、歩も映画に対する情熱は父親にひけをとりません。歩が入社5年目の新年度の抱負で書いた文章の素晴らしさ。

  「・・・映画館は一級の美術館であると同時に、舞台、音楽堂、心躍る
   祭りの現場でもあるのだ。・・・この世に映画がある限り、人々は
   映画館へ出かけていくだろう。家族と、友人と、恋人と・・・
   ひとり涙したいときには、ひとりぼっちで。・・・」

そして、その文章を読んで素直に感動した才色兼備のエリート後輩社員・柳沢清音。その後、大胆な行動に出て、物語で重要な役割を演じることになる彼女も素晴らしいです。

ゴウがようやく定職として落ち着いたマンションの管理人。彼は17年間分の管理人日誌(≒映画日誌と化していた)に綴った映画に対する愛情ほとばしる文章の数々。それに驚き、胸がいっぱいになった歩は自らの想いを父に黙ってそこに記す。これまた素晴らしく、これをきっかけに歩と父は映画を通じて心の交流を深め、更にはその人生も大きく舵をきることになる。

  「・・・名画座は”昔ながらの村の鎮守”みたいな場所だ。
   ・・・そんな場所が、ひとつふたつと消えつつある。・・・」

物語の後半は、ゴウとローズ・バッドの評論対決が大きな軸となるのですが、大好きな映画について日米で語り合える素晴らしさ、互いに真の友人を得た喜びが胸をうちます。

シネマコンプレックスの進出計画で経営危機に瀕し、名画座「テアトル銀幕」の館長テラシンこと寺林新太郎は閉館もやむなしと考える。自社も経営不振にあえぐ中、名画座を何とかしようと奔走する老舗だが弱小の映画雑誌「映友」の編集長:高峰好子。ライター:新村・田辺、事務:江藤+歩、興太、清音たち。彼らのコンビぶりも良し。このあたりは、閉店必至の書店を舞台に店長と店員たちの努力が奇跡を呼び起こす「ブックストア・ウォーズ」と似た雰囲気があります。

また、この小説は親と子や夫婦など家族の絆の再生物語でもありました。円山郷直と歩の父娘、清音とその父、高峰好子と長年ひきこもっている天才ハッカーの息子・興太などなど。作者の温かい眼差しを感じました。

終盤、物語は大きく動き、大団円を迎えます。
人生最良の映画とは何か?
ラスト30ページくらいは一気読み間違いなし!

なーんか、支離滅裂な感想ですね。
最近また映画館で映画を観るようになってきましたし、私もかつては映画少年・映画青年で色々な思い入れもあるので、仕方ないかな?映画についてはまた改めて書きたいと思います。