ひろの東本西走!?

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円満字洋介さん はがきスケッチ展(in野田)

2012-01-31 23:29:42 | アート・文化

先日、野田のカットザコーナーで催された円満字洋介さんの「はがきスケッチ展」に行ってきました。これは著書「京都・大阪・神戸【名建築】ガイドマップ」の出版記念として、同書に収録されたスケッチ50点を軽妙洒脱な文章と共に展示されたものでした。私が行ったのは最終日だったので表現が過去形になっており、申し訳ありません(^_^;

円満字さんは複数のブログやツイッターをやっておられますが、 「西日本建築探偵団ブログ」に記事がありました。

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遅ればせながらまず著書の紹介を(Amazonから)

 ■京都・大阪・神戸の名建築を効率よく巡りましょう!

    実際に著者が歩いて設定した
    さんぽコース=1ルートあたり5km×50ルートをたどることで、
    近代名建築を楽しみながら効率よく見てまわることができます。

    建物の歴史、設計者の思想・経歴、時代背景がわかることで、
    建物への理解が深まり、建物の見方も大きく変わります。

    独自の建築様式などの「うんちく」も満載で
    建物の前でおもわず「これのことか!」と感嘆すること間違いナシ!

    ルートごとのおおよそのカロリー消費量も掲載していますので、
    ダイエットにも効果的かも・・・

以前から円満字さんとは多少の面識があり、この本は発売日(2011/10/31)の翌日くらいに書店で偶然見つけて即購入しました。これまであまり採りあげられることがなかった建物が掲載されているのが非常に興味深く、写真がオールカラーであったのも嬉しかったです。お寺関係が多めなのも特徴的ですし、独自の視点で類書とはひと味違うと思います。

この日は円満字さんがおられたので、話を伺いながらサインも頂きました。アンド、記念に絵ハガキも少し購入。その中では「門の家」「古民家」(下の2枚)がお気に入りです。

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円満字さんのスケッチ・イラストは独特の味わいがあり、特に近代建築関係は一目で分かります。必ず一部に彩色されていない部分があり、それがかえって何ともいえない味を醸し出しているなあと思っていました。私はそれを”省略の美”あるいは”空白の美”と感じており、それについて尋ねて見たところ・・・・

意外なことに、1ケ所あたりのスケッチの時間(彩色も含む)を集中力が続くことなどから約20分と決めておられるそうで、自分が描きたい部分をメインに描き始めるものの、結果的に時間がなくなって未彩色の部分などが残るそうです。へえーっ、そうだったのか!

ですが、これも考え方で、全体を時間をかけて描くスケッチもあれば、ここぞと思う部分にスポットを当て、まずそこを一気に集中的に描くスケッチもあると思います。私は、未彩色部が結果的に味わいにもつながっていると思いますね。輪郭は4Bのホルダーを使って描くとのことで、柔らかなタッチはここから生まれているようです。

円満字さんのスケッチは特に関西では(?)よく見かけます。皆さんも機会があればぜひ美しく素晴らしいスケッチを味わってみてください。

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生命をとらえなおす -動的平衡とは何か- 福岡伸一さん

2012-01-30 23:27:40 | 本と雑誌

昨日、NHK文化センター梅田教室で開催された下記の講演会に参加してきました。

  生命をとらえなおす-動的平衡とは何か-
  講師: 生物学者・青山学院大学教授 福岡伸一

  私たちの周りには、遺伝子組み換え、ES細胞、臓器移植など、
  生命操作を巡る様々な議論があり、根底には「生命はミクロな部品が
  集合したプラモデル」という見方があります。しかし生命は、ミクロな
  レベルでは、常に入れ替わりながら新たに構成されている
  「動的平衡」な状態にあります。
  この「動的平衡」論をもとに、生命とは何かを考えます。

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本を読んでいない方はピンとこないでしょうが、福岡さんの著書は高度な理系の内容を文系の人にも分かりやすいように、しかも叙情性豊かに書かれています。また、芸術などへの造詣も深く、それらが最大の魅力でしょうか。2007年に読んだ「生物と無生物のあいだ」、2009年に読んだ「世界は分けてもわからない」は、共にその年のMyベスト本リストでノンフィクションの1位と評価しました----2007年度2009年度

実は私、テレビ等でも福岡氏が話されているのを聞いたことがなく、その文体の感じから真面目だけれど軽妙洒脱な話し方をされる方かなと想像していました。しかし、実際には、話の内容には軽妙さもあるものの、学者らしくゆっくりと落ち着いて真摯に話される方でした。低くよく通る声も印象的。

講演は、冒頭に2枚の写真が映し出され、これはいったい何でしょう?というところから始まりました。私は「動的平衡」を読んでいたので分かりましたが、その写真をきっかけにレーウェンフックとフェルメールの話につながり、そこからは魅力いっぱいの福岡ワールドにひきこまれました。福岡さんの本は「世界は分けてもわからない」でもそうでしたが、科学ミステリー・科学サスペンス的な面も多少あり、レーウェンフックとフェルメールに関する福岡説・福岡論も実に興味深かったです。

講演の内容は基本的に著書に書かれたものがベースでしたが、やはり著者の口から語られるととても説得力があり、より印象に残ると思います。

  動的平衡とは

    ・要素はたえまなく更新される
    ・平衡がたえまなく求められる
    ・柔軟、可変的
    ・回復、修復

  生命、環境、自然 = 動的平衡

    ・全てのものは移ろう(うつろう)
    ・長い時間軸で考える
    ・部分的な思考におちいらない
    ・流れをとめない
    ・占有から共生

これらのまとめ、キーワードもとても分かりやすかったです(細かい転記ミスがあるかもしれませんが)。著書を読んだときもそうだったように、知的好奇心を大いに刺激された1時間半で、脳死問題と脳”始”問題についての指摘や最先端技術への危惧などにはうーんと唸り、しかし、精密にしてしなやかな生物・生命の不思議さに改めて驚き、至福のひとときを過ごすことができました。

会場は満員で、質疑応答の際に「難しい質問ですね」と言いながら、しかし、分かりやすく丁寧に回答される姿勢も素晴らしかったです。講演会後の著書販売&サイン会も大盛況でした。私は既に所有していた「動的平衡1」とエッセイ集「ルリボシカミキリの青」の2冊にサインして頂きました。あちこちのページに付箋(メモパッド)を貼っていたため、「おー、たくさん貼られていますね」的なことを仰られ、「大事と思うところに貼りだしたらキリがなくなってきまして・・・」と答えると、笑っておられました。これからも素晴らしい本をどんどん書き続けて、我々を深遠な生物学の世界にいざなって頂きたいものです。そして、個人的には2人の息子が文系のセンスも持った理系人間(?)になってくれないかなあ・・・なんて思っています(笑)。


大阪国際女子マラソン ほか

2012-01-28 23:55:00 | ランニング

明日は大阪国際女子マラソン&大阪ハーフマラソンですね。

国際女子マラソンは野口選手が欠場となったのが残念ですが、福士さんの爽やかな快走に期待したいものです。本当は最初からかっ飛んでほしいですけれど、五輪選考レース&ペースメーカーがつくらしいので、前半は自重してそれに合わせるのかな?

私は京都マラソンを走る予定で、惨敗した福知山の前よりは練習しており、今日も昼前から自宅~淀屋橋~大川沿いに毛馬へ~城北大橋往復の約25kmを走りました。まだスピードはないものの、まずまず脚筋力はつきつつ(戻りつつ)あります。

と・こ・ろ・が・・・・日曜日に20kmを走ったときに左足の甲のあたりに痛みを感じ、平日はノーRUNなのでその間におさまるだろうと考えていたら、今日も走中ずっと鈍痛があり、終盤はかなり痛みが大きくなりました。痛みの場所はネットで調べると甲というよりも第1中足骨(親指で甲より少し前方の骨)のようです。単なる炎症?ひょっとして疲労骨折?まずいな。。。

野口選手も故障は全部左足に起こっているそうですが、私も踵の痛み、ふくらはぎ・太ももの肉離れ、靱帯損傷(これは微少)、半月板損傷(部分切除手術に至る)とこれまでの故障は全て左足です。うーん、この共通項はちょっと嬉しいような?
長年走ってきましたが、元々左右の足で筋力などはかなり差があり、いわゆる筋トレなども全くと言っていいほどやったことがないので、どうしても弱い方の足に故障がかたよるのでしょうね。それが分かっていても改善できないのです(汗)。

まあ、明日は走るのを控えようっと。


深江文化村

2012-01-24 23:56:43 | 近代建築

旧小寺別荘(現・太田酒造貴賓館)のすぐ近くには深江文化村と呼ばれる一画が残っています。約2500坪の敷地の中心に広い芝生の中庭があり、大正13(1924)年から昭和4(1929)年の間にその周囲に13棟の住宅を配するという画期的なランドスケープデザインでした。指揮者・故朝比奈隆さんの師匠であったメッテル氏の自邸もここにありました。

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しかし、現在では登録文化財の冨永邸と古澤邸の2邸が残るのみで、広大な芝生の中庭もなくなり、昔の風情が失われつつあります。下記の写真の内、上が冨永邸、下が古澤邸です。デザインは全く異なりますが、どちらのお宅も趣があります。冨永邸は爽やかな感じで、正面(北面)の佇まいが素晴らしいです。古澤邸の急勾配の屋根には度肝を抜かれますね。また北面の複雑な屋根形状も面白いです。土曜日は雨で写真が冴えないのが残念です。後日、以前に撮ったこの2邸の美しい写真もアップするかもしれません。

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以下は以前に撮った今は失われた建物の写真です。蔦のからまるお宅が旧メッテル邸だったようです。これらの趣の異なった建物が中庭をぐるりと取り囲んだ景色はさぞかし見事だったことと思われます。更に以前に銀塩カメラで撮った写真もなかったかなあ。探してみようっと。

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旧小寺別荘(現・太田酒造貴賓館)

2012-01-23 23:25:06 | 近代建築

土曜日は小雨模様の中、旧小寺別荘(現・太田酒造貴賓館)の見学に行ってきました。

ここは4年半ほど前にプライベートで来て敷地外から外観のみ眺めたことがあります。そのときの記事はこちら。以前の写真と今回の写真を比べると、屋根が葺きかえられ、サンルームなどのサッシが入れ替えられた模様です。サッシは現在の方が建物にマッチしていて良いですね。また、全体的に塗装も塗り直されたようでキレイになっています。前回は夏の良い天気のときに訪れたので、写真的には美しかったのですが。

この建物は当初は大日本紡績社長をつとめた小寺源吾の海浜別荘として建てられ、現在は滋賀県草津市に本拠をおく清酒醸造業・太田酒造の貴賓館となっています。建築年はハッキリしませんが、昭和9年から10年代中頃までと考えられるそうです。

◎参考ブログ:

   mayumamaさんの m's diary (今回もお世話になります(^_^) )

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原則として内部は非公開であり、ここでは外観の詳細写真を少しだけアップしました。
なお、内部はまず玄関まわりが美しく、1階の居間と食堂は比較的シンプルながらも広く伸びやかで、暖炉(を模したもの)があってなかなか見事でした。家具類や階段まわりのデザインも良かったですし、作りつけの食器棚などのある台所も印象的でした。

また、外部も内部も持ち送りの装飾が特徴的でした。

玄関ポーチのねじり柱(1本だけ)と柱頭の装飾は珍しいですね

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面格子のデザインが華麗です。

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その他、深江文化村なども歩きましたが、これらは別記事とします。