ひろの東本西走!?

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高野山の近代建築-6

2010-10-31 23:14:18 | まち歩き

既に2ケ月近くが経過してしまった高野山の近代建築探訪記。その5までアップしたものの(その1その2その3その4その5)、実はまだメインの建物を紹介していませんでした。

それが高野山大学図書館で、竣工は昭和4年(1929年)、設計は武田五一です。今回の探訪で唯一の洋風建築であり(洋間と擬洋風は幾つかありましたね)、高野山始まって以来の洋館だったそうです。

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鉄筋コンクリート造3階建てで、半円アーチの玄関部、半円状に突き出したベランダが特徴的です。下部が段を持つ円錐状にデザインされたベランダは結構大きく、見た目にもインパクトがあります。

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玄関ホール部正面の壁には明かりとり用の窓があり、その周囲はイスラム風の彫りの浅い装飾によって縁取られています。控えめですが、味わいあり。

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1階の床には共通して市松模様のセメントタイルが貼られており、色合いも良い感じです。

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広間に設置された円柱周りのソファは造りつけで、当初からのものだそうです。これは貴重ですね。階段周りも見事です。

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そして、圧巻は2・3階吹き抜けの閲覧室で、扁平ヴォールト天井を支える鉄筋コンクリートの梁が描くアーチが優美です。その側方に穿たれたアーチ窓との接合部が造り出す曲線・曲面の美しさが素晴らしいです。閲覧室が見どころの図書館は多いですね。優美で、かつ構造面にも優れた大空間を如何にして作り出すか、そこが建築家の腕の見せ所なのでしょう。

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この日は特別に閲覧室の奥にある書庫(収蔵庫)内も見学させて頂きました。ここは1階から最上階まで吹き抜けの空間となったところに背の高い書架を設置し、その間に通路を配置するといった構造だそうです(全部で5層?)。書架と木製通路の間には結構大きなすき間があり、そこから上下階の本が見えているのは珍しいのではないでしょうか。ここの構造と佇まいは実に印象的でした。

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探訪記、まだあと2回分くらいあります(汗)。恐るべし高野山!?


珈琲「ん」(夙川)

2010-10-28 00:16:33 | まち歩き

カトリック夙川教会を静かに見学させて頂いた後、もうちょっと話をしましょかということで、教会から10mほど離れたところにある珈琲「ん」に寄ることにしました。ここも私は2回目です(前回の記事はこちら)。

ここは実に面白いお店で、店内には”フクロウ”の置物やグッズがいっぱいです。また、天井照明まわりや壁のランプ風の照明などは近代建築的味わいですし、他にアンティークな家具や雑貨なども多数あって見飽きることがありません。

この日は私は珈琲とケーキを頂きましたが、次回はぜひ有名なカレーかカツ・サンドを頂きたいと思います。

なお、写真は最後の1枚を除いて全て2年前に撮ったものです。

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カトリック夙川教会

2010-10-26 22:31:50 | まち歩き

「トラピスト修道院(シトー会西宮の聖母修道院)」を見学した後、そぼ降る雨の中を有志数名で「カトリック夙川教会」へ行きました。梅木省三の設計で1932年(昭和7年)の竣工です。阪神淡路大震災で大きな被害を受けたものの、その後、美しく修復されたそうです。とても印象的な尖塔の屋根部は鉄骨むき出しのようなのですが、これは修復後にこのようなスタイルにされたのでしょうか?

ゴシックと思われる外観は、凹凸の多いなかなか濃厚な表情です。一方、内部は比較的簡素な造りで、美しいステンドグラスもデザインはシンプルでした。窓と同様の尖塔アーチ形の天井もシンプルな構造美を見せています。

この日は雨だったため、写真は以前に訪れたときのものも混ぜています。

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宝山寺(寶山寺)・獅子閣 特別拝観-2

2010-10-23 22:49:20 | まち歩き

宝山寺(寶山寺)・獅子閣 特別拝観の続きです。

実に味わい深い螺旋階段を上がって2階に行きます。手すりは数本の木が接がれていますが、ねじりながら曲げるという難しい加工が為されています。

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2階は豪華な和室が2室です。格天井、欄間、襖絵、床の間などいずれも見事で、黄金色に輝いていますね。釘隠しは全て形が異なっているそうです。

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そして南面のベランダへ。ここも素晴らしいです。

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外から見ると南面のベランダはこのようになっています。今回の修復ではこの南面の崖と脚部の部分を中心に、建物の南半分が解体・修復されたそうです。それは大変だったことでしょうね。

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手前の瓦の上には波乗りウサギさんが・・・。

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宝山寺(寶山寺)・獅子閣 特別拝観-1

2010-10-23 12:55:29 | まち歩き

10/15から始まっている”生駒の聖天さん”で知られる宝山寺(寶山寺)の重要文化財・獅子閣の特別拝観に行ってきました(近鉄生駒駅でケーブルカーに乗り換え)。これは平成17年から4億円以上を費やして行われた修復工事が終了し、それを記念して特別に公開されているものです(~11/15 ¥300)。

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擬洋風建築の獅子閣については下記のサイトなどを参考にして頂きたいのですが、さすがは重文、外観・内部共に見どころいっぱいで素晴らしかったです。私は2時間近く1F・2Fを行ったり来たりウロウロしていました。大混雑していなければ、写真撮影も全く問題ないはずです(三脚は不可)。期間は11/15までで、ぜひ都合をつけて見学されることをオススメします。

http://www.city.ikoma.lg.jp/dm/14/1402hozanji/140204sisikaku/140204sisikaku.php

>〔ほうざんじししかく〕  重要文化財
> 二階建  寄棟〔よせむね〕造  車寄切妻〔きりづま〕造  桟瓦葺
> 附設計図7枚・棟札1枚  明治17年(1884)造立  宮大工吉村松太郎設計
> 宝山寺の客殿で、螺旋〔らせん〕階段、1・2階の外柱の柱頭飾り、
> 玄関・ベランダの天井の意匠、窓や外扉のアーチ、1階外扉に色ガラスを
> 施すなど明治の洋風建築に影響を受けたことが各部に見受けられます。

以下、まずは外観全景と1Fを中心に写真をアップしました。

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