ひろの東本西走!?

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東北学院大学-ラーハウザー記念礼拝堂

2008-11-30 10:42:17 | 近代建築

シップル館を見学した後、キャンパス内の裏手を少し回ってみると、ガラス越しに温かな光が見える石造風の建物があり、これがラーハウザー記念礼拝堂でした。J・H・モルガン設計のチューダーゴシック様式の立派な建物で、鉄筋コンクリートの躯体に秋保産の凝灰岩を貼って石造風に見せています(昭和7年竣工)。クリスマスの可愛らしいリースが飾り付けられた玄関は立派ですね。

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見学は無理かなと思いながらも内部を覗くと、毎朝の礼拝後の片づけをされていた総務の方がおられ、少し拝見させて頂くことができました。荘厳で美しい礼拝堂で、梁の装飾なども見事です。正面にある美しいステンドグラスは英国産だそうで、古いものであるため補修も難しいとのことでした。パイプオルガンが2つあり、右の方にある小ぶりなものがやはりかなり古いもので、これは現在は音が出ず、礼拝には左側にある方を用いているそうです。椅子の側方には暖房用の温風の吹き出し口(?)があり、うまくデザインされていると感じました。

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シャンデリアもオリジナルのままなのでしょうか?側面高窓の桟の模様はシンプルな菱形の格子状でしたが、ここから洩れてくる温かく柔らかな光が外から眺めたときに何とも言えず良い雰囲気をかもしだしていました。

朝からの雨でガッカリしていたのですが、この礼拝堂を見学できて満足に思うと共に、荘厳で静謐な空間に身を置いてとても豊かな気持ちになりました。見学させて頂いて、ほんとうにありがとうございました。
 
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東北学院大学-シップル館

2008-11-29 00:30:36 | 近代建築

この2年ほど出張で仙台に行くことが多いのですが、いつも空港-工場間をタクシーで往復するだけで、仙台の街の雰囲気を全く知りませんでした。そこで今回、急きょ仙台を少し歩き回ることにしたのですが、こんなときに限って天気はあいにくの雨。元々、普通の観光をする気はあまりなく、傘を差しながらあちこち移動するのも面倒なため、東北学院大学と東北大学の古い校舎(近代建築)めぐりに的を絞りました。大阪から仙台に行った人で、そんな人はあまりいないでしょうね(^_^;

まずは、東北学院大学-シップル館(デフォレスト館)です。東華学校の設立に伴い仙台に招かれた宣教師ジョン・H・デフォレストの着任時に建てられた下見板貼りヴェランダコロニアル住宅で、何と明治19年竣工だそうです(近代建築ガイドブックでは明治21年頃となっています)。見る方向によって表情が随分異なるのが面白いです。

北面は玄関回り(破風)などに和風の趣きもあります。

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東面に回り込むと次第に南面のベランダ部分が見えてきます。柱などはペンキが剥がれてかなり傷みが感じられますが、何せ明治19年生まれですからね。しかし、後の写真で分かるように、この建物は現役で使われています。これは凄いし、素晴らしいことです。

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南面ベランダです。天井と床下側面の菱組が軽やかな感じです。凹凸の平面の形が外観に変化を与えていますね。上げ下げ窓も味わいあり。よく見ると基部には煉瓦も積まれています。この建物は日が当たっていたら、さぞかしい美しいだろうなと思います。

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西面の方を見ると1・2階通しの出窓があり、そこに単独で屋根がかかって、他の面とはまた異なった表情を見せています。雨が残念でしたが、この素晴らしい建物が現役で頑張っていることに感銘を受けました。

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福知山2008、何とか完走

2008-11-24 10:23:15 | ランニング

2008 天候に恵まれた福知山マラソン、何とか完走してきました。極端な練習不足から目標を4時間15分としましたが、やはりこれも厳しく、結局ネットタイムで4時間22分49秒でした。

5キロごとのスプリットタイムは下記の通りです。距離に対する不安感・大ということから、前半抑え目でスタート。スタート~5K~10Kまでの27分台は、かつてなら終盤でもマークしたことのない超スローペースだったのですが、それでも身体・脚は重~い感じで決して楽ではありませんでした。練習不足はもちろん、体重に問題ありですね(10年前より8kg増 ^_^;)。まあ、このペースだと呼吸は余裕でしたけどね。

   ~START    1’49”
       5K   27’42”
      10K   27’41”
      15K   28’34”
      20K   29’56”
      25K   30’56”
      30K   32’47”
      35K   34’48”
      40K   35’06”
      GOAL   15’19”
    TOTAL  4゜24’38”
    (ネット   4゜22’49”)

最後まで脚をもたせるため、とにかく25Kまでは我慢・自重するつもりでした。ところが、それでも疲労が次第に蓄積し、結局、それ以降もずーーーっと我慢というか忍耐を強いられました。タイム的には17キロ地点で4時間のペースメーカーに抜かれて早々と4時間切りをあきらめ。中間点を2時間2分15秒くらいで通過して、これは目標の4時間15分も厳しいかなと感じ、後はあまり細かいタイムは気にせず、最悪でも4時間30分は切ることを考えました。30K以降はやはりキツかったですね。何度も”歩きたい”誘惑に誘われましたが、とりあえず32Kまでは走ろうとか、いや次の給水所までは我慢するかと考えたり、沿道の応援の方(福知山は地元の方を中心とした熱烈応援が素晴らしいです)から頂いたチョコレートやバナナを食べたりして気を紛らわせ、超超スローペースながらも何とかランをキープ。35Kあたりになると、歩いている人も多いです。後続ランナーに追い抜かれることは気にせず、歩いている人をじわじわと追い抜くことで気力も持たせました。ラスト3~4キロはキロ7分ペースに落ちていましたが、案外元気で、ラスト1キロ超の急坂も止まったり歩いたりすることもなく無事に走ってゴールイン!

過去最低に近い練習量を考えると、よく歩かずに完走出来たなと思いますし、目標をクリアできなかったとはいえ、4時間22分台はまずまずでしょう。もちろん、終盤の給水所ではちょっと立ち止まったり、歩きながらドリンクを飲んだりはしました。

しかし、ベストタイム(ネットで3時間22分43秒)のちょうど1時間遅れと考えるとちょっとビックリします。うーん、かつてはどんな走り方をしてたんやろ。。。もうすっかり忘れてしまっています。建築探訪やまち歩きの時間を全てランニングの練習に当てたら、もうちょっとましなタイムを出すことはできると思いますが、今はこれが自分の時間の使い方ですしね。今後も色んなことを並行して楽しみたいと思います。でも、来年はもうちょっとだけ練習量を増やそうかな?

↓過去のフルマラソンの記録です。

青・緑・水色は早いタイム、黄・オレンジが中間くらいのタイム、ピンク・赤・濃い赤が遅いタイムを表しています。昔は青・緑・水色も多かったのに、最近はレース序盤からピンクが目立ち、終盤は真っ赤っか状態なのがよく分かります。膝の怪我・手術もありましたが、年々練習量も減ってきて走力低下が歴然です。しかし、自分で見てもこの表は面白いです。

Marathonrecord2_2 

レース後は自動車組と電車組に分かれて大阪に帰りました。
電車組は福知山~篠山口間(約1時間)は座れず、フルマラソンを走った身体にはこたえましたが、立ったままビールで乾杯(ちょっとうるさ過ぎてまわりの顰蹙を買う)。篠山口からは無事座ることができ、一人で参加されたという他のランナーの方とも談笑しながら楽しく大阪を目指しました。

フルマラソンは中途半端な練習では絶対に結果を残せません。今年もそれを実感しました。しかし、福知山にだけは今後も参加し続けたいと思います。フルの奥深さと素晴らしさはやはり走らないと分からないですし、遅くとも完走できたときの達成感は凄いものがありますから。そして、福知山はコース良し、サポートや沿道の応援も最高ですしね。


いざ、福知山!2008

2008-11-22 19:04:53 | ランニング

明日はいよいよ福知山マラソン(フル)本番です。

”いよいよ”と言うほどの練習をしていないんですけどね。
最近はレース直前でも何の緊張感も無くなってしまっている始末でして(汗)。

膝の手術をして以降、ただでさえ少ない練習量が更に激減して、今年は遂に8月以降の走行距離が下記のようになってしまいました。

    8月:29km(4日)
    9月:26km(3日)
   10月:69km(4日)
   11月:37km(2日) 

の、計161km(13日)。距離も少ないのですが、日数の少なさが特筆ものかも。32kmマラニックや吉野川ハーフマラソンも含めてこの距離・日数ですから、いやあ自分でもビックリです。市民ランナーでよく練習される人の1/5くらいですかね。

ということで、今年の目標は冷静に4時間15分としました。
これでも、途中で足がとまり、気力もプッツンすると厳しいかもです。
ただ、天気は良さそうなので、42.195kmを楽しんできます。
(終盤は楽しんでられるかな?)


ゼロ・マイル【0 mile】(稲葉なおと)

2008-11-22 00:17:04 | 本と雑誌

0mile ゼロ・マイル【0 mile】(USEN )
★★★★:80点

”建築中毒さん”から教えて頂いた稲葉なおとさん(B’zの稲葉浩志さんの従兄弟)初の長編小説「ゼロ・マイル」を先日読了しました。良かったです!

稲葉なおとさんの本は「アール・デコ・ザ・ホテル」 「近代名建築で食事でも」に続いて3冊目です。稲葉なおとさんについては、こちらのページもご覧ください。

http://www.momotown.net/beauty_health/inaba/news/naoto/naoto.html

この小説は父親と息子のロード・ムービー的な作品と言えます。そして、フロリダを舞台にそこに登場するアール・デコ建築のホテルの数々。完全に私好みの作品で、奨めていただいた”建築中毒さん”に感謝したいと思います。

旧知の雑誌編集長・國崎から与えられた最後とも思えるチャンス。吉川士朗は写真家としてもう一度納得のいく仕事をしたいと思うが、アシスタントとして連れて行くことになったのは小学校2年生の息子・登士だった・・・。
日の出という最高のタイミングを逃したくないのに、足手まといとも思えてしまう息子のスローテンポぶりにイライラ、カッカの連続。立入禁止エリアへの潜入を見とがめられてホテルの警備員に捕まり、警察に突き出されそうになったりするが、息子の前では無様な姿をさらしくたくないと何とか強がって虚勢をはろうとしたり、撮影に夢中になって息子の姿が見えないと分かったときのろうばいぶりなどは頷けました。

父親と息子の心のきずな。旅の間にくっついたり、またちょっと離れたりが面白かったです。色んな人との出会いがあり、登士はいつの間にか父を助けることに・・・。旅を通じての息子の成長も丁寧に描かれていましたね。確かに旅は人を成長させ、視野や考え方を大きくすると思います。可愛い子供には旅をさせよ。いや、一緒に旅に出よう!

そして、撮影旅行前の病弱な妻との会話、妻から旅先に送られてきたFAX。妻が出てくるシーンは僅かなのですが、とても印象的でした。

「アール・デコ・ザ・ホテル」でも書かれていたホテルとの写真撮影許可についてのやりとり(かけひき)、立入禁止エリアへの潜入などもリアリティたっぷりに描かれていて面白かったです。ホテルブレイカーズで撮影許可申込をしたのに打ち合わせを無視続けるカメラマン。これはてっきり主人公だと思いこんでいたら実は・・・。ちょっとミステリー的な要素も含まれていて、ここは見事にひっかかりました。

建築的な面からは、「ホテルブレイカーズ」を舞台にした第5章「鉄道王の宮殿」が特に素晴らしかったです。ブレイカーズの屋上から見た日の出とフラグラーの家の感動的なこと!

そして、 父親が見たかった道、息子に見せたかった道。

「その土地ならではの情景はね、ハイウェイなんかじゃなくて脇道にあるのよ」
     :
「ドライブの本当の楽しさは、高速道路じゃなくて生活道路にあるんだよ」

脇道の方が面白かったり、脇道にあっと驚くような素晴らしい情景があったりは、建築探訪や街歩きにも当てはまります。できれば現地の具体的な写真を見たかった気もしますが、それでは小説と言えなくなってしまいますね。建物や道、旅に興味があるかないかで評価は異なると思いますが、私にとっては極上の作品でした。

◎参考ブログ:

   えんたかさん(遠藤さん)のブログ

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稲葉なおと初の長編小説
音声でしか存在しなかった感涙巨編

USENの朗読チャンネル放送時、多くのリスナーから書籍化を望まれた話題作。
待望の書籍化!
~番組収録中、ナレーターの涙が止まらなかった~

男にとってのあるべき父親像、仕事への姿勢などを、フロリダの世界一美しいと言われる道路を走る、父子ふたりきりのドライブ旅行を通して描きます。紀行作家として実績を残す稲葉なおとならではの、フロリダ・サウスビーチやホテルの情景やドライブの描写は、まるで現地の映像が目に浮かんでくるかのようで、この作品のもうひとつの魅力となっています。

著者について
著者紹介 稲葉なおと
東京工業大学建築学科卒。一級建築士。
建築プロデューサーを経た後に、国内外の名建築ホテルを題材にした旅行記と写真を発表し続ける。初の旅行記『まだ見ぬホテルへ』が話題となりロングセラーに。
第2作の旅行記『遠い宮殿―幻のホテルへ』で第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。
初の写真展『ザ・ホテル』を資生堂ギャラリー及びハウス オブ シセイドウにて開催。
本書が初の長編小説。
主な著書に『名建築に泊まる』(新潮社)、写真集『ア-ル・デコ ザ・ホテル』(求龍堂)、『パパズ ホテル 日本』(講談社)など。

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