ひろの東本西走!?

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cafe パラボラ(中崎町)

2011-01-25 22:49:59 | まち歩き

先日久々に中崎町をブラブラしました。

旧済美小学校が解体された眺めにはショックを受けましたが(以前、自分で撮ったデジカメ写真が見つからない・・・)、それ以外は中崎町らしく古くからある長屋や町屋とそれを改装した懐かしさ&楽しさのあるお店など、風情のある景色が広がっていました。

しばしのブラブラ歩きを楽しんだ後、夕方に入ったカフェが「cafe パラボラ」(大阪市北区中崎西1-7-36)です。このお店は”休日style”というブログで見て、なかなか良い感じやなあとチェックマークをつけていました。ただ、中の様子が外からは分からないため、男性が一人で入っていっても違和感がないのかなあとちと不安ではありました。

ですが、ドアを開けてみると、おー、予想通り元の建物を生かしながらも良い雰囲気のお店です。

※実際には、1階にお客さんがおられたので2階に上がったのですが、写真は
 その後に撮らせて頂いたものを混ぜて下から順に並べてみました。

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店内はレトロな家具や雑貨、小物など懐かしさと可愛らしさが同居したような感じでしょうか。階段の感じも素晴らしいです。

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階段の2、3段目から入り口横の席をふり返ってみました。
この眺めが外に見える緑の色合いも含めてベストでしょうか。

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2階の奥には古いミシンが置いてありました(ブラザーミシン)。

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私が座った席は階段横にあった木の味わいが素晴らしい席でした。
まあ、乙女チックでありますが、半分はすだれを通して向こう側が見え、半分は壁で遮られていて実に居心地の良さそうな席です。

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ホットコーヒーとこの日オススメのレモンタルトを頂きました。
お店の雰囲気も良いし、なーんかのんびりできました。

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中崎町にはカフェなどで感じの良さそうなお店が幾つもあり、次回はどこに入ろうかなあ。 


海炭市叙景(atシネ・ヌーヴォ)

2011-01-21 22:44:00 | 映画

Si1 海炭市叙景
★★★★:80点

久々の映画感想です。

自宅から徒歩10分強の場所にありながら、これまで行ったことがなかったミニ・シアター「シネ・ヌーヴォ」で「海炭市叙景(かいたんしじょけい)」を見てきました。少し前の新聞夕刊でこの映画の評を読み、これは面白そうと思って出かけたものです。

ちなみに、先日発表された2010年度キネマ旬報ベスト・テンで日本映画の第9位に選出されています。

映画の公式サイトはこちら



********   <ストーリー>公式サイトより ********

その冬、海炭市では、造船所が縮小し、解雇されたふたりの兄妹が、なけなしの小銭を握りしめ、初日の出を見るために山に昇ったのです…。

プラネタリウムで働く男は妻の裏切りに傷つき、燃料店の若社長は苛立ちを抑えきれず、父と折り合いの悪い息子は帰郷しても父と会おうとせず、立退きを迫られた老婆の猫はある日姿を消したのです…。

どれも小さな、そして、どこにでもあるような出来事です。
そんな人々の間を路面電車は走り、その上に雪が降り積もります。

誰もが、失ってしまったものの大きさを感じながら、後悔したり、涙したり、それでも生きていかなければならないのです。

海炭市でおきたその冬の出来事は、わたしたちの物語なのかもしれません。

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函館をモデルにした北の町、海炭市を舞台にした日本映画らしい情感あふれる作品だった。映画全体を覆うややもの悲しく暗いムードは、冬の北の町という季節・風土とも関係しているのかもしれない。

しかし、生きるということは何と厳しく、切なく、哀しいものなのだろう。自分の思うように生きることができなかったり、一生懸命生きようとしても空回りしたり・・・。ここで描かれた5編では、小さな喜びはあるものの、悲しみ、怒り、いらだち、虚しさ、あきらめ、無常感、疲労感などが際だっていたように思う。特に、「まだ若い廃墟」(谷村美月ほか) と「裂けた爪」 (加瀬亮ほか)の2編が強く印象に残った。若い兄妹には貧しくとも幸せに暮らして欲しかったのだが・・・。

プラネタリウムや市電のシーンなどで数組の登場人物がわずかにクロスするのであるが、映画的にはもう少し接点を持たせても良かったかとも思う。

谷村美月さん。映画「ボックス!」の感想でも少し書いたのであるが、この若手女優さんはちょっと古風な雰囲気の役をやらせると抜群に上手い気がする。一番身につまされたのは、仕事で家庭で様々な問題を抱える加瀬亮の苛立ちだろうか。ただ、全般的にはもの悲しい結末の物語ばかりであるが、やはり最後は人が拠るべきところは家族なんだろうなとか、頑張って生きていればそのうちにちょっとは良いことも起こるんだろうなと感じた。市電で、夫婦が親子が並んで座っているシーンに僅かな光を見たような気もする。

ミニ・シアター系劇場での公開だが、この映画がキネ旬をはじめとしてベストテン入りしたり、幾つかの賞を受賞しているのは嬉しく思う。

◎参考ブログ

   苗坊さんの苗坊の徒然日記(2011-3-24追加)
    *原作について書かれています。

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「シネ・ヌーヴォ」は確かマンション(orビル)の地下にあり、最初、ちょっと場所が分かりませんでした。昔よく行った名画座(大阪では「戎橋劇場」や「大毎地下劇場」などが有名でした)ともちょっと違った雰囲気でした。これがミニ・シアター系映画館の佇まいなのでしょうか。映画関係の色んな雑誌や本も多数並んでいましたし、近所の方を中心に根っからの映画好きの人が集まっているようでした。

しかし、当地に住んで10数年、すぐ近くにこんな映画館があったとはなあ。。。
新鮮な驚きでした。

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そば切り「文目堂(あやめどう)」

2011-01-18 22:49:00 | まち歩き

先日、雑誌「大阪人」2月号に掲載されていた、そば切りの「文目堂(あやめどう)」(大阪市中央区安堂寺町2-2-26)に妻と行って来ました。文目堂は2009年4月にオープンした新しいそば屋さんですが、そば通の方を中心にかなり人気があるようです。

私はそばも好きですが、まずは雑誌で見たお店の外観に大いに惹きつけられました。昭和10年頃に建てられた3階建ての長屋を改装されたそうですが、その外観もインパクトがあります。入り口に向かって右手の窓まわりなどは凄い佇まいです。このような長屋はこれまでにあまり見たことがありません。

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お店の中はとても静かでした。一人あるいは2人連れのお客さんが多いようでしたが、皆さん静かに喋りながらそばの味を楽しんでおられるようでした。

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お昼の部、最後の客となった私たちが案内された席は、お店の一番奥にある巨大な一枚板のテーブルの席でした(下の写真は他のお客さんが帰られてから撮ったものです)。この席からは、かつての床の間や欄間、お庭の”つくばい”(手水鉢?)などの様子がよく分かります。そば屋さんにこのような空間はよく合いますね。

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さて、肝心のお料理です。この日、そばの前にまず「板わさ」と「大豆のえび煮」を頂きました。このお店はお酒を楽しんでもらうこともモットーにされているようで、確かに冷やで一杯やりたくなりますね。

そしてメインの蕎麦は、私が「辛み大根おろしそば」、妻が「大和芋とろろそば」(いずれも細切り)を注文しました。二人とも特にそば通といったことはないので、どう表現したら良いか分からないのですが、なかなかコシがあって歯ごたえ十分。出汁も美味しかったです。

なお、鴨汁そばが名物のようですので、次回はぜひそれを頂かなくては。また、器がすべて素晴らしく、特製の細身の割り箸や爪楊枝も味わいがありました。

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外から見て凄いインパクトがあった入り口脇のお部屋は元応接室だったそうです。最後は私たち以外にもう一組お客さんがおられたのですが、お店の方に許可を頂いて元応接室の写真も少し撮らせて頂きました。

立派な格天井(但し、細かいデザインも施されています)をはじめ、照明や窓まわり、壁(腰壁を含む)、棚など見どころがいっぱいです。ここは、これまでにあまり経験したことがない不思議な、しかし、魅力的な空間でした。

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「文目堂(あやめどう)」は全体としては和風基調で、改装の仕方なども素晴らしいのですが、洋風(一部和洋折衷)の元応接室も凄かったです。

そばが美味しくて、お酒も楽しめそうですし、なおかつ建築ファンであればご機嫌になること間違いなしのお店でした。ただし、大人数でガヤガヤといった感じはなじまないようです。


原田城跡、旧羽室家住宅-3

2011-01-15 21:29:51 | まち歩き

原田城跡、旧羽室家住宅-3は和風部分です。

もちろん、玄関の方から廊下を通って座敷に行くこともできるのですが、サンルームからも横手の小さな扉をくぐって座敷の南側の縁側(廊下)に出ることもできます。縁側は畳敷き+板敷きで、明るく伸びやかです。

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座敷は二間の続き座敷になっており、数寄屋造りでシンプル&洗練されています。床の間もスッキリしていますが、床脇の天井に竹を配したりが面白いです。縁側の天井も含め、旧羽室家住宅ではあちこちに竹がうまく用いられていて、軽やかさのあるデザインとなっています。

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欄間も当然、伝統的・重厚な透かし彫りなどではなく、華美さや豪勢さを廃した簡素な美しさです。これはこのお宅全体に当てはまります。

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廊下のほの暗さもこれまたよろし。
天井・照明ともにきちんとデザインされていますね。

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そして、離れの和室へ。こちらも数寄屋風で茶室としても使えます。
こちらも床脇の竹の使い方などが印象的です。

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離れの縁側(廊下)も良い眺めで、気持ちよさそうです。

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室内写真の最後は、今は一般公開されていない2階へ上がる階段部です。
階段室の天井は網代になっており、遠目にもこれは見事。
いずれ2階も拝見したいものです。

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下の写真は、階段部を少しだけなら上がっても良いですよと言って頂き、1枚だけ撮らせて頂いたものです。

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最後に、いったん外に出て、本来の正面玄関に当たるという西側に回ってみました。門柱はちょっと珍しい石の使い方でした。

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旧羽室家住宅は和風部分・洋風部分ともに、モダンでシンプルかつ軽やかな感じのデザインがなされていると思いました。規模的にはかなり大きい邸宅ですが、そのデザイン故に品の良さや清々しさが感じられます。また、一方では細かく見るとみどころいっぱいで、色々説明を伺いながら結局2時間も見学させて頂きました。どうもありがとうございました。


原田城跡、旧羽室家住宅-2

2011-01-12 22:42:40 | まち歩き

旧羽室家住宅-2は引き続き洋風部分で、食堂と暗室です。

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小さなドアから応接室を出ると右手に広い廊下が奥に続いていますが、廊下および応接室を含む各室の配置が雁行型になっていて、変化があります。また、奥の方には食堂や台所、風呂などがあるため、玄関・ホールからの視線をうまく遮っているのかもしれません。

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食堂です。この部屋もモダンながらも落ち着いたデザイン・色合いの暖炉、ニッチ、食器棚(水屋?)などが実に良い感じです。裏手が台所で、小窓から食器などを渡したりできます。

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ここにもやはり天井に化粧梁が配されており、建具のデザインなども絶妙の味わいです。

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食堂の天井照明は、応接室の角張ったデザインとはまた異なった丸みを帯びた柔らかなもので、これも素晴らしいですね。

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壁面には建築当初からのものと見られるガス燈もあります(根元にガスのコックらしものがついています)。ここにもデザインが施されていて見事です。

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こちらは暗室です。
昔のお宅で暗室があったということは、かなりの写真好きで、超ハイカラで裕福だったのでしょうね。暗室内の棚がなかなか面白く、何らかの用途があってのことと思うのですが、仕切りなどの配置がデザインされているようにも見えます。

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また、暗室内の壁と天井が接する部分(廻り縁部分)にもしっかりとデザインが施されていました。化粧材が貼られているのか、漆喰が塗られているのかちょっと分からなかったのですが。

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次は和の部分です。