映画「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」
★★★★☆’:85点
正月休みの最終日に映画「のだめ・・・」を観ました!
原作のコミックスは読んでいませんし、テレビドラマのときも物語の途中くらいから見ただけです。ですが、ドラマでも「上野樹里=まさに”のだめ”ちゃん!」の不思議な魅力にはまり、音楽シーンの多さを楽しんでいました。映画では大好きなヨーロッパの美しい街が多数出てくるとのことから、洋風建築ファン&クラシック音楽(プチ)ファンとして大いなる期待を抱いて出かけました。
そして・・・映画では、次から次へと現れるウィーンやパリの美しい街並みと建物の数々にうっとりし(いきなりウィーンのベルヴェデーレ宮殿が出てきてビックリ!ここは大のお気に入りなのです)、
楽友協会・黄金のホールは2年前に現地を訪れてはいますが、あらためてその華やかさと美しさにため息をつきました。そこでベートーヴェン:交響曲第7番を指揮する千秋先輩も格好良かったですね。 千秋先輩の指揮ぶりも進歩したような?
音楽のシーンも中にはメロディを聞いても曲名が分からないものが幾つかありましたが、予想以上にクラシックの名曲の数々が出てきて&その扱いも本格的で、これにもビックリ。後から分かったのですが、演奏シーンでは秋にザ・シンフォニーホールでコンサートを聴いたチェコのブルノ・フィルが協力したそうで、これも嬉しかったですね。終盤の序曲「1812年」では映画館が破裂しそうなど迫力のサウンドで、素晴らしかったです。もちろん、静かに奏でるシーンも申し分なく、邦画では最高の音楽映画になっていたのではないでしょうか。これだけの音楽映画は、やはり映画館の大空間と最高の音響システムでないと魅力は1/5くらいになってしまいますね。音楽が好きな人やクラシック音楽ファンにとっては特にご機嫌になる映画だといえるでしょう。ましてやヨーロッパの街や建物が好きな人にとっては感涙ものなのです。
さて、建築や音楽のことばかり書いてきましたが、のだめちゃんの不思議な魅力も満開ですし、アニメチックな笑いのシーンもてんこ盛りで文句無しの面白さでした。千秋と「ボレロ」での共演が決まったのだめがパリの街を花吹雪をまき散らしながら歓喜のパレードをするシーンは、ベートーヴェンの「歓喜の歌」も効果的ですし、そのパリという舞台や極彩色の色合いなどからヒロ・ヤマガタの版画を思い出しました。カラフル&ビューティフルで楽しさもいっぱい!
上野樹里=のだめちゃんは、全身これ音楽&音楽の申し子で(女神か?)、可愛らしくてコケティッシュで、天真爛漫。しかし、繊細でもあり、超明るいかと思えばどよーんと落ち込んだりと、千秋以外には(?)理解不能な不思議な不思議な魅力が満ちあふれていました。
そして終盤、バッハのPf協1番を弾き振りし、ピアノについても卓越した腕前を披露した千秋。その華やかな成功とピアノの面でも自分よりずっと先に行ってしまった千秋を見て、感動しながらも「先輩ずるいです・・・」と涙にくれるのだめ。これは切なかったですね。。。 でも、後編では再び輝いてくれるはずです。また、 年末のスペシャル・ドラマでは、これも2年前に旅行したプラハの美しい街が現れましたし、後編でもプラハなどのシーンがいっぱい出てくるのかな?早くも後編への期待絶大!です。
マルレ・オーケストラのメンバーは、千秋のハードな練習にブツブツ言いながら&フラフラになりながらもプロとしての自覚と意地を少しずつ取り戻す。夜、タクシーの運転手をしながら、多くの子供達がギャーギャーと家の中を走り回る中、妻に早くやめろとののしられながら、あるいは橋の下でブラスセクションメンバーが集まって、彼らなりに必死に練習するシーンは良かったです。ただ、このシーンはもう少し長く、深く描いても良かったかなとも思いました。
と微少な注文はつけましたが、のだめ映画版は景色などの映像面&音楽シーンの迫力と美しさの面で映画の持つパワーを見事に生かし、原作の持つ魅力を存分に引き出していたのではないでしょうか。
◎参考ブログ
☆ベートーヴェン: 交響曲第7番 - 第1楽章
★チャイコフスキー: バレエ音楽「くるみ割り人形」 - 小序曲
チャイコフスキー: バレエ音楽「白鳥の湖」 - 情景(第2幕)
☆ベートーヴェン: 交響曲第9番「合唱」 - 第4楽章
☆ラヴェル: ボレロ
デュカス: 交響詩「魔法使いの弟子」
シューマン: 交響曲第1番「春」
★グリーグ: 「ペールギュント」組曲 - ソルヴェイグの歌
★モーツァルト: ピアノ・ソナタ第11番 - 第3楽章「トルコ行進曲」
弾き終わったときに思わずのだめが発した「はあ~っ!」といった
喜びの声(? ため息?)と表情が最高!
ショパン: ワルツ第6番「小犬のワルツ」 変ニ長調 Op.64-1
ショパン: 革命のエチュード ハ短調 Op.10-12
★ドヴォルザーク: チェロ協奏曲ロ短調 Op.104 - 第1楽章
★モーツァルト: オーボエ協奏曲 ハ長調 K314 - 第1楽章
美しいメロディに美しいオーボエの音色。
サラサーテ: ツィゴイネルワイゼン
グリーグ: ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 Op.45 - 第2楽章
★ベートーヴェン: 交響曲第9番「合唱」 - 第2楽章
★チャイコフスキー: 祝典序曲「1812年」
ど迫力で、かつて聴いたフェドセーエフ/モスクワ放送響の
コンサートでの感動が甦りました。
マルレ・オケ再生のシーンとしても感動的でした。
★J.S.バッハ: ピアノ協奏曲第1番 - 第1楽章
この曲がこんなに魅力的なことを初めて知りました(汗)。
☆チャイコフスキー: 交響曲第6番「悲愴」
ベートーヴェン: 交響曲第5番「運命」 - 第4楽章
ハイドン: 弦楽四重奏曲第77番「皇帝」 -
第2楽章「神よ、皇帝フランツを守りたまえ」
★マーラー: 交響曲第5番 - 第4楽章
終盤にこの曲を持ってきましたか!
「ベニスに死す」でも素晴らしい使われ方でしたね。
ガーシュウィン: ラプソディー・イン・ブルー
ショパン: ピアノ協奏曲第1番 - 第1楽章