ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

京都市交響楽団・大阪特別公演 リスト&マーラー 下野竜也

2011-04-26 23:30:47 | アート・文化

Shimonokanekokyoto1_24月24日(日)、ザ・シンフォニーホールで開催された、京都市交響楽団の大阪特別公演に行ってきました。

~ピアノの魔術師リスト&交響曲の革命児マーラー! メモリアルイヤーに下野竜也が挑む!~

下野竜也  (指揮)
金子三勇士(ピアノ)
リスト  :ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調

コンサートは朝比奈さん時代から地元の大フィルに行くことが多く(最近ではコバケンさん)、京都市交響楽団のコンサートはまだ3回目くらいでしょうか。下野さんの指揮は初めてです。

プロの演奏について善し悪しは殆ど分からず、基本的にどんなコンサートでも素晴らしいと感じる私(汗)。もちろんテンポが良かったとか自分の好きな箇所が自分の好み通りに演奏されてにんまり等といった感想はありますが、この日のコンサートはこれまでに聴いた中でもベスト級に入る感動度でした。特にマーラーでの、ひそやかなひそやかな&しっとりとした最弱音とホール全体を音の渦に包み込んだド迫力の最強音の対比、指揮者とオケが一体となっての熱演、そして聴衆の熱狂ぶりが素晴らしかったです。

まずは1曲目のリストのピアノ協奏曲。ソリスト・金子三勇士さん(1989年生まれ。若い!)の演奏スタイルが予想以上に激しく、超絶技巧のめまぐるしい手の動き・身体の揺れが印象的でした。また、オケの編成も予想していたよりも大きくて、若きソリストとオケがガップリ四つに組んだ迫力あるコンチェルトだったと思います。座席は2Fの2列目ほぼ中央(BB-28)で、ピアニストの手の動きが見えるか少し懸念していたのですが、問題なし。

いつものごとくCDによる事前の予習は少なめでしたが、この協奏曲は全曲を通しても後半のマ-ラーの各楽章と変わらない短さなので、集中して聴くことができました。ピアノによる激しく情熱的な部分はもちろん、ピアノと木管や弦の静かな音のやりとりも素晴らしかったです。特に、ピアノ+クラリネット(ソロ)→ピアノ+第一ヴァイオリン(第一プルト)の部分やピアノ+フルート(ソロ)→ピアノ+クラリネット→ピアノ+オーボエ→ピアノ+チェロ など。

アンコールはリストの「愛の夢 第3番」で、極上の調べを聴かせて頂きました。

さて、後半のマーラーです。実は私、コンサートでマーラーはこの5番しか聴いたことがありません(汗)。しかも、過去に一度だけでしょうか。

第1楽章冒頭のトランペット・ソロの音色が実に素晴らしく、ああ良いなあと感じて、その後は下野さんと京響がつむぎ出す豊饒のサウンドにひたりきりました。

下野氏の指揮ぶりは凄かったです。腕の振りは大きくしなやかで、しかも力強い。小柄でちょっと太め(失礼)ですが、身体全体を使ったキビキビとしたエネルギッシュな指揮ぶりでした。約90名の大きな編成のオケ相手に、見事にコントロールしたというか、緩急・強弱自在で見事にオケをドライブしてもの凄い演奏を引き出したのでは?強奏の直前のほんの一瞬の静寂や”ため”にはゾクゾクしました。大フィルとも縁の深い下野氏、これからも楽しみです。

大感動のマーラーでしたが、約70分の大曲なので、細かい部分まではよく覚えていません。
感銘度は第1楽章>第2楽章、第4楽章>第3楽章、第5楽章(第4楽章から休みなしで突入。コーダは迫力あり)といった感じだったでしょうか。第3楽章のスケルツォはコミカルで(クラリネット3人など)ちょっとホッとする感じも良かったのですが、この感銘度の差は事前の予習時間の差にもよるかと思います。長大なこのシンフォニーを夜寝るときなどに細切れに聴いたのですが、第3楽章と第5楽章は他の楽章に比べて聴いた回数・時間が少なく、まだメロディそのものがきちんと頭に入っていませんでした。この点が惜しまれます。

演奏後は大興奮のもの凄い拍手の中、下野さんはまずトランペットのトップの方を、次にホルンのトップの方を指名して讃えられました。トランペットのトップの方は文句なしのMVPでしょうね。終始安定した美しい音色、豊かな音量が素晴らしかったです。冒頭のトランペットソロと直後の総奏の響きがこの日の演奏を生み出した1つのポイントかなとも思いました。隣の席のトロンボーントップの方が肩を叩いて熱演を讃えておられたのも印象的でした。また、その次に指名されたティンパニーも迫力と音のキレ(?)が凄かったです(会場からも大拍手)。ソロの方にも聴衆からブラボーの声がかかり、京響ファンの方がたくさんおられたのでしょうね。また、オケメンバーが拍手と足踏みで下野氏をたたえていたのも素晴らしかったです。

弦と木管も終始美しい音色だったと思いますが、個人的にとても印象に残ったのは、トランペット(ソロ)、ティンパニー、コントラバス(重低音がピチカートも含めて実に良かったです)です。

上の方でも書きましたが、ひそやかなひそやかな最弱音からホール全体を音の渦に包み込む最強音まで、リアルなコンサートはやはりCDなどと比べて音のダイナミックレンジが遙かに大きく、また視覚によるものとも相まって音の分離感・明瞭感などの素晴らしさにも感動しました。こんな経験が続くと、もっともっとコンサートに行かねば!と思います。きちんとしたオーディオルームでグレードの高いシステムで聴けば、かなりの臨場感は得られるのでしょうけれど。また、ひそやかな個所でのホール全体の緊張感をはらんだ静寂さも素晴らしかったです。その意味では聴衆も最高だったのでは?

最後列中央にコントラバス(8人)が横に並び、その前には金管群(左からホルン(7)、トランペット(4)、トロンボーン(3)、チューバ(1))が横一列でズラッと並ぶオケの配置も壮観で興味深かったです。これについてはもう少し加筆するかもしれません。

◎参考ブログ:

   雅哉さんの”エンターテイメント日記”
   散歩道さんの”ブログ散歩道”


第二回 午前十時の映画祭 「鉄道員」再見!

2011-04-20 22:54:00 | 映画

鉄道員(イタリア映画)
★★★★★:100点

2月に「大脱走」を観て中学生の頃の興奮と感動が鮮やかに甦った第二回・午前十時の映画祭。今度は「鉄道員」(1956年)を初日の第一回目に観ました!(at TOHOシネマズ梅田)

私が生まれる前に作られたこの作品、やはり中学生の頃にTVの「日曜洋画劇場」(淀川長治さん!)で観て大感動し、我が生涯の洋画ベストテンで数十年もの間ずっとベスト3の一画をキープし続けています。監督&主演のピエトロ・ジェルミ、ルイザ・デラ・ノーチェ、エドアルド・ネヴォラ、シルヴァ・コシナ、サロ・ウルツィ・・・。そして、カルロ・ルスティケリ(音楽)。今でも出演者や作曲者の名前はスラスラ出てきます。この作品を再び映画館のスクリーンで観ることができるとは!

Tetsudoin1 Tetsudoin2_t
Tetsudoin4 Tetsudoin3_t

*************************** あらすじ **************************

(午前十時の映画祭のサイトより)

鉄道機関士のアンドレア(P.ジェルミ)は、厳格な父親であった。長男マルチェロや長女ジュリアはそんな父を敬遠し、幼い末っ子サンドロだけがアンドレアを尊敬し、誇りに感じていた。そんな家族を支えているのは、寛容で慈愛に満ちた母サラ(L.D.ノーチェ)の存在であった。ある日、アンドレアの運転する列車に青年が飛び込み自殺をしてしまう。そのショックで信号無視を犯し、アンドレアは降格。組合も彼には厳しく、彼は酒におぼれ、周囲からも次第に孤立していく……。

(CinemaScapeより)

戦後のイタリア、鉄道の運転士ピエトロ・ジェルミの父を誇りに思う息子サンドロエドアルド・ネボラの目を通し、家族の絆を描く感動作。長女や長男と一途で厳格な父とのわだかまり、意に反したスト破りでの仲間との確執、不幸な事故で酒におぼれ体を壊していく。家族、夫婦、仲間といった庶民の暮らしを切ないメロディとともに描いている。 (kinopさん)

******************************************************************

「大脱走」のときと同様、ギターが主旋律を奏でる憂いを帯びたテーマ曲(映画音楽として名曲中の名曲)が始まると、心はあっという間に少年時代へタイム・スリップ。殆どすべてのシーンを覚えていましたが、感動度合いは昔も今も変わらずでした。まさに名作は死なずです。

【 注)以下、ネタバレあり 】

特急列車の運転士として仕事に誇りを持つ、謹厳ながらも酒と音楽が大好きで快活な父・アンドレア。いつも家族全員のことを思い、悩みも多いけれど、優しくて、みんなから頼りにされる綺麗でしっかりものの妻・サラ。人は良いのだが、仕事もせず毎日ダラダラと過ごして遊んでいる兄・マルチェロ。不本意な妊娠で(?)結婚したものの、決して幸せには暮らしていない美人の姉・ジュリア。そして、父が好きで、母が好きで、年の離れた兄や姉も好きで、可愛らしくて、やんちゃで、機転がきき、ちょっぴり大人びたところもあり、みんなに愛される末っ子のサンドロ。学校の成績を親に見せづらかったりといったシーンも微笑ましかったですが、サンドロを演じるエドアルド・ネヴォラが家族の間をとりもつ天使のようでした。そして、サラは慈愛に満ちた聖母マリアか。この2人が家族を結びつけていましたね。

喜びと悲しみの繰り返しの日々。家族の心の結びつきと離反。中盤以降はなかなか厳しくつらいシーンが続きますが、物語の終盤の木洩れ日が射すようなシーンにピエトロ・ジェルミの心の温かさを感じました。

スト破りとして仲間からも冷たい目で見られ、家にもいづらくなって場末の酒場に入り浸りになる父・アンドレア。「一緒に帰ろう」と迎えにきた息子と共に、勇気を振り絞って居酒屋の仲間の元へ。彼の姿を見た仲間の束の間の沈黙が緊張感をはらむが、新しいワインをあけて迎えようとする酒場の主人が素晴らしく、かつてのようにみんなで賑やかな酒盛りが始まる。胸をうつ良いシーンです。

終盤のクリスマスのシーンが最高です。体を壊し、3人で寂しくクリスマスのテーブルを囲んでいるところに突然戻ってきた長男。抱き合う父と息子。これからもずっと家にいるという。やがて、次々と友人たちがやってきて、酒に音楽にダンスに、これまでになかったほどの賑わいを見せる。久々の幸せに顔がほころぶ父と母。そして、長女からも、別れた元夫と一緒にミサに行った後、家に来るという嬉しい電話がかかってくる。このあたりは分かっていても泣けます。

皆が帰った後、心地よいほろ酔い気分の中でベッドに寝転んでギターをつまびくアンドレア。もうすぐやってくる娘夫婦を待ちながら。台所で片づけものをしながらその音色に耳を傾けている妻。やがて、ギターの音色がやんで・・・・。

悲しみの中に明るさが同居したラストも秀逸。サントラ版では音楽と共にこのラストシーンの2つの台詞も入っていました。音楽のカルロ・ルスティケリは「鉄道員」以外にも「刑事」「ブーベの恋人」「誘惑されて捨てられて」などの有名な曲を書いており、私はカルロ・ルスティケリとニーノ・ロータ(「道」「ロミオとジュリエット」、後年では「ゴッドファーザー」などが有名)の映画音楽のレコードを所有していました。今も実家に残っています。

この映画は庶民の暮らしと家族や仲間の絆を描いており、名匠ピエトロ・ジェルミ版「家族の肖像」と言ってよいのかもしれません。貧しくとも心の結びつきが強い家族の姿など、戦後10年くらい経った頃のイタリア映画には日本映画と似たような空気があります。家族や友の素晴らしさ、ありがたさ。古くからの友人を演じるサロ・ウルツィも名演でした。初見以後、やはりTV放映されたものを1,2回見たと思いますが、この年齢になって再見すると、登場人物の全ての立場で見たり考えたりして感慨深いものがありました。そして、この映画はやはり今後も生涯のベスト3から外れることはないと確信しました。ただ、主人公アンドレアの年齢にビックリ。今の私より年下の設定だったとは!

やはりヨーロッパの国々の建物は美しく風情がありますね。アンドレアの住まいは庶民が住む安アパートなのでしょうが、背の高いドアやインテリアなどに味わいがありました。また、イタリアが歌好きの国(クラシック、カンツオーネ)、サッカー好きの国ということも再認識しました。

約2時間の映画で、第1幕と第2幕に分かれていたことを今回、初めて知りました。上映そのものは休憩なしで連続でしたけれど。入場者は年配の人ばかりかなと予想していたら、確かに多かったものの、若い方の姿もチラホラ見えて嬉しく感じました。題材が古かろうが、モノクロであろうが、素晴らしい映画はいつの時代でも人の心を打つのだと思います。

さて、とにかく素晴らしい午前十時の映画祭、次は何を見に行こうかな?


西住之江の洋風長屋(再訪)

2011-04-16 00:44:51 | まち歩き

靭公園&土佐公園の桜を見た日曜日、天気も良いので、午後は住之江方面に出かけました。元々の目的地は次の記事でアップ予定で、その帰路、久しぶりに西住之江の洋風長屋の方に少しだけ寄りました。このエリアはこれまでに数度探訪しているのですが、ブログにアップしたのは4年前に浜口西を探訪したときの記事(”住之江区・浜口西の近代建築”)のみのようです。

今回再訪して、幾つかの洋風長屋は残念ながら解体されていたものの、全体的にはまだあの独特な景観は失われていませんでした。

なお、以前に”ぷにょさん””びんみんさんも”同様に記事をアップされています。

P1480424_t P1480426_t

ここからが洋風長屋の写真です。下のお宅は建屋本体は現在もなかなか見事に維持されており、西日に照らされて美しいです。

P1480441_t P1480443_t

↓1F側面の窓は円形でも楕円形でもないのがポイントでしょうか(ちょっと花びらのような感じも)。さりげなく付けられた変化が絶妙です。

P1480440_t

下の2枚の写真は、見た瞬間はドキッとしますが、考えようによっては2戸1の片側だけでも昔のまま残ってくれたととらえるべきなのかもしれませんね。上の方のお宅は4年前も既にこの状態だったようです。

P1480445_t P1480477_t

下の写真で、右側のお宅の玄関ドアはオリジナルのものかもしれません。また、窓も全体的に昔の雰囲気をよく残しているようです。
P1480451_t

色がついていたり、異なった表面状態の型板ガラスが入った窓が目を引きます。面格子のデザインも良いです。

P1480434_t P1480437_t P1480438_t

この一画の2戸1住宅はよく昔の状態を留めています。前庭やとっくり型の手すり子(?)がついた低い塀、植栽なども味わいがあります。小ぶりな桜が良いアクセントになっています。

P1480462_t P1480467_t

レトロ感の中にかつてのモダン感&先進性が感じられるデザインが素晴らしく、見ているだけで楽しくなります。凹凸の多いデザインは光が当たると特に見応えがありますね。

P1480465_t P1480455_t

こちらのお宅の窓・窓枠もオリジナルでしょうね。細かなデザインが素晴らしい!
これらの洋風住宅は貴重な街の文化遺産だと思います。住むのにはきびしくなりつつあるかとは思いますが、できる限りこの景観を残して頂きたいものです。

P1480473_t P1480475_t      


大阪の桜(靭公園、土佐公園)

2011-04-13 23:27:00 | まち歩き

大阪の桜もこの週末にはもう見頃を過ぎているかもしれません(遅咲きの「造幣局・通り抜け」を除く)。で、日曜日に撮った靭公園と土佐公園の写真をアップしておきます。

まずは靭公園です。この日は夫婦で公園近くの有名なパン屋さん「ブランジュリ・タケウチ」のカフェでサンドイッチの朝食を頂きました。

靭公園の桜は本数はそう多くないものの、緑との対比が素晴らしいです。有名なバラだけでなく、チューリップなどもきれいですね。

P1480135_t P1480126_t P1480128_t  P1480131_t 

ちょっと、移動の途中で前を通った「日本キリスト教会 大阪西教会」と「大阪屋」の写真を挟んでみました。

P1480157_t P1480142_t

自宅のすぐ横にある土佐公園・土佐稲荷神社です。ここも大阪市内では桜で有名で、これまでにも数度、ブログでアップしています。ここは狭いながらも桜が密生していますし、背景的にも多彩な写真が撮れるのがいいですね。

P1480177_t P1480178_t P1480170_t P1480174_t P1480194_t P1480168_t  P1480171_t P1480180_t_2 P1480182_t P1480186_t P1480187_t P1480197_t    


原田城跡、旧羽室家住宅再訪(-4)

2011-04-09 23:55:00 | まち歩き

今月の「関西洋風建築めぐり講座」は旧羽室邸でした。ここは今年の1月に一人で訪れたので(ブログには3回に分けてアップ。そのときの記事はこちら→”原田城跡、旧羽室家住宅” -1-2-3)、再訪です。しかし、今回は先生の細かい解説付きでしたし、前回見ることができなかった2階も見学させて頂いて、学ぶところ大でした。

※今回は久々に超スピードの記事アップです。この講座の記事アップは2回分
 ほど抜けていますが、時間が取れれば後追いでアップ予定ではあります(汗)。

*******************************************************************************

食堂にある暖炉上のニッチになったところにオリジナルの壁の一部が残っています。現在は邸内の壁は白く塗られていますが、元々はもっと落ち着いた色だったとのことです。

P1470957_t

モダンな感じの和室(茶室としての使用も可能)には5月人形が飾られていました。

P1470962_t P1470967_t

廊下の天井も様々なタイプがあるのですが、ここのさお縁は幅広で、断面は中央部がややふくらんだカマボコ状になっているそうです。前回はふくらみには気付かず、へえーっ!でした。

P1470970_t

そして、個人的には今回のハイライトである2階へ。
やはりここの天井部の網代が圧巻です。また、後にも述べますが、階段室の自然光の採り入れ方が絶妙です。

P1480026_t  P1470997_t P1480009_t

It's so beautiful !

P1470996_t

2階の座敷には入ることはできませんでしたが、欄間や床の間(書院)の障子のデザインなどが良さ気です。

P1470986_t

洋室の説明は聞き逃したのですが、ロッジ風と言えるでしょうか。

P1480017_t

下の写真にある縦長の小窓から階段室に南面の光を採り入れています。
このあたりも実に素晴らしい。
型板ガラスのデザインもあまり見かけない美しいものです。

P1480020_t P1480004_t P1480006_t

2階のトイレの扉には丸窓が穿たれており、しかもその円周の縁取りには竹が使われていました。3コある節がいい感じです。このあたりは注意していないと気付かないかもですね。旧羽室家には竹があちこちに用いられて、決してゴージャスではなく全体的に軽やかなデザインとなっているのが特徴ではないでしょうか。

P1480007_t P1480012_t

こちらは1階にある蔵の扉です。
金庫の扉のような感じで、さすがに防火性は抜群か。

P1440936_t

前回多数の写真をアップした応接室。
この部屋では最大のハイライトである暖炉の写真を少しだけ追加しました。赤みを帯びた天板(?)などは高級な大理石(オニックス)で作られています。タイルと合わせて、デザイン・材質・色合いと見どころが凝縮されています。

P1480044_t P1480043_t

こちらは同じ敷地内に子供用の勉強部屋として建てられた大和ハウス工業の「ミゼットハウス」を、できるだけ元の材料を使いながら、同じ場所に忠実に修復・再現されたものだそうです。これにも前回は見ておらず、ビックリでした。シンプルでスカッとした良いデザインだと思います。

なお、今回の見学では、管理・運営をされている「とよなか・歴史と文化の会」のお方に、案内や説明で大変お世話になりました。ありがとうございました。

P1480057_t P1480053_t