ひろの東本西走!?

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一期一会の最終日、純喫茶プティ

2010-07-29 23:22:17 | まち歩き

最終日に訪れた「純喫茶プティ」の続きです。

私が訪れたのは11時半頃だったと思います。先におられたお客さんが勘定のときに最後の日と知って、「えっ?今日で閉店なん?」「そうやがな。お前知らんかったんかいな」。そしてお店の方の「これまでご贔屓にして頂いてありがとうございました」といった会話が聞こえてきました。ああ、やっぱり今日で閉店なんだなあ。。。

しばし、お客さんが途切れた時間帯があって、お店の方に話を伺ったり店内をあちこち移動しながら写真を撮らせて頂きました。私の愛機、と言っても(デジタル)一眼レフではなく、割と広角にも強いコンパクトデジカメですが、1・2階吹き抜けの広い空間はなかなか思ったように入りきらず、もどかしい思いもしました。

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そして、お店の方のご好意で2階も見せて頂くことができました。「散らかっているんで」とのことでしたが、照明も点けて下さり、赤い絨毯を踏みしめて上がると、そこはまた1階とは違った雰囲気の空間でした。

アールのついた壁面にちょっと珍しいデザイン、雰囲気の照明がいい感じで灯っています。奥にある壁面装飾(木製)のデザインは2頭のライオンでしょうか。羽根があるようにも見えるので、想像上の動物なのかもしれません。
 
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下で伺った通り2階からの眺めも素晴らしかったです。特に見下ろした眺め・情景に、しばしの間、ぼーっとしてしまいました。吹き抜け空間の広がり感は外で想像するよりも圧倒的に大きいのですね。これも建築の妙でしょうか。

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2Fの絨毯に描かれた丸い模様も味わいがありました。

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壁面の絨毯タペストリーの存在感は圧倒的ですね。入り口から見た店内の様子も額に入った一幅の絵のようだなと思いました。タペストリーの反対側の壁には大きな鏡が取り付けられているので、店全体が絵に囲まれたような感じになっているのかもしれません。あるいは、劇場の舞台でしょうか。これほど多彩な要素がドラマチックに、しかも美しく見事に配された店はそうそうないと思いました。

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大阪だけでなくレトロな味わいのある純喫茶がどんどん減っています。
私がまち歩きや建築探訪をしていてお茶しようかなと考えるとき、まずは純喫茶やレトロな雰囲気の喫茶店などを探します。もちろん、あらかじめ調べておいてこの店に入ろうと決めていることもありますが、ふと風情のありそうな店が目にとまり、実際に入ってみてその内部空間の素晴らしさに驚いたりすることもあります。後者の方が感動度は大きいかもしれませんね。

ただ、純喫茶・レトロ喫茶といっても、単に建物や内装、家具などをレトロにするだけではダメで、そこに年月という要素が加わらないと実際の味わいは生まれません。長い年月を経た傷みなども逆に味わいになったりします。純喫茶プティでも、床の絨毯の一部がすり減ったりすり切れていたり、椅子が少しギシギシ鳴っていたりしましたが、私は長い間使われてきたことの証やなあと感じておりました。

今回、私にとってはまさに一期一会になってしまいました。このような風情のあるお店がなくなってしまうのは残念ですが、最後の日にお話しを伺い、点内を拝見させて頂くと共にこの素晴らしい空間や空気を味わえて良かったです。

丁度お昼どきとなって常連さんやら知り合いの方が次々と来られました。
最後は昔話に花を咲かせながらお店を閉じられたのでしょうね。
長い間お疲れさまでした。

そうそう、記念に持って帰ってくださいとのことで、お店のマッチも頂きました。

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三国丘惜敗、8強ならず

2010-07-27 23:17:51 | スポーツ

夏の高校野球大阪府予選の5回戦、三国丘は近大付を相手に戦い、惜しくも2-3で敗れて8強進出はなりませんでした。

野球部OBでも関係者でもない会社員のため、平日に球場に駆けつけるわけにはいかず(涙)、遠く京都から三丘生の奮闘を祈っておりました。今日は午後から会議だったため、午前中はその準備で忙しく、また午後も試合経過を確認することができず、午後5時過ぎにインターネットのasahi.comで結果を見ることにしました。大阪大会・8強決定の文字の後、いきなり見えた三国丘の文字。「頼むでー」との祈りをこめて恐る恐る画面をスクロールさせると。。。2-3のスコアが目に飛び込んできました。あー、負けたか・・・。あかんかったか・・・。という無念の思いと、1点差&しかも一旦は逆転したことを知って、いい試合やったんやなあ、終盤のハラハラ・ドキドキ感を現地で味わいたかったなあという思いが入り混じり、しばし感慨にふけりました。

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~asahi.comより~

1回戦を久宝寺球場で応援し、快勝に喜んだのですが、その後の4試合は平日だったため、応援にいくことができなかったのが残念でした。大会前の評判などは全く知りませんでしたが、観戦して、その後の試合ぶりを新聞などで見て、今年のチームは各学年に素晴らしいピッチャーがいて、打線も1番から9番まで長打、送りバント、スクイズ、盗塁とバランスのとれた良いチームだなあと思いました。

普段はあまり母校のことを意識しないのですが(すみません)、春の大学合格速報や夏の高校野球府予選ではどうしても母校の名前を探してしまいます。卒業生としてはやはり母校が文武両道で頑張っていてくれるのを確認したいのでしょうね。

私の在校時と比べて応援の雰囲気はかなり変わりましたが、選手も応援する人々も1球1球にかける思いの大きさは不変ですね。今年も観戦・応援は1試合だけでしたが、約2週間、夢を見させてもらいました。 

選手の皆さん、猛暑の中をお疲れさま。よく頑張ってくれて本当にありがとう。
この夏の経験を自信として、3年生は受験に向けて、下級生は新チームで頑張ってください。


昭和の香り漂う、純喫茶プティ(その1)

2010-07-25 18:57:37 | まち歩き

昭和の香り漂う「純喫茶プティ」(天王寺区上本町6-4-7)が7月25日をもって閉店ということで、何とかその最終日に行ってきました。

純喫茶プティがオープンしたのは昭和42(1967)年で、40年以上にわたる歴史を閉じることになりました。プティは雑誌「大阪人」の2005年8月号の喫茶店クロニクルでも採りあげられていましたね。私がこのお店のことを知ったのは以前、「大阪人」の記事を見て&ぷにょさんのブログ”まちかど逍遙”の記事を見てだったはずですが、実際に訪れるチャンスはなく、何と昨晩、ブログでのコメントで閉店されることを知って、まさに一期一会の探訪となりました。

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このあたり一体は再開発されるようで、「プティ」はポツンと佇んでいました。外観も味わい深いのですが、この中に豊饒の空間が隠されていたとは!

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ドアを開けると、いきなりこんな景色が目に飛び込んできました。これは凄い!

1・2階吹き抜けの大空間、優美な手すりの階段、天井のシャンデリア、奥に見えるほのかな照明、アンティークな椅子、深紅の絨毯、ゴブラン織の壁(byぷにょさん)、レリーフなど様々な要素がぎゅっと凝縮されており、圧巻です。これまで京都・大阪でも純喫茶やレトロ喫茶を見てきましたが、スケール感と共にこれだけ多彩な要素が散りばめられたお店はあまりないのでは?まさに極上の空間です。

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私が注文したのはモーニング・セットのミックスサンドとアイスコーヒーでした。店内をキョロキョロと眺めながらも美味しく頂きました!

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シャンデリアは以前はもっとガラスがキラキラ、青い光なども天井を照らすゴージャスなものだったそうですが、地震時の安全のためにこのようなシンプルなものに変えられたそうです。確かに取り付け部を見ると、凄い豪華な装飾が施されていますね。ここだけでもホーッといったため息が出ます。

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壁を飾る巨大な絨毯のタペストリーも圧巻です。デザインはヨーロッパの田園あるいは森の近くの風景でしょうか。色彩・質感・生地が紡ぎ出す立体感が素晴らしいです。吹き抜けの大空間があってこのタペストリーが引き立ちますね。

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座面が低く背もたれの高い椅子は階段とも調和のとれたデザインのようです。座面と(ちょっと分かりにくいのですが)横の腰壁部のレザーも味わい深いです。

奥にある2階部分の下となるところは、”ゴブラン織の壁、ふさふさとした赤いシャギー地貼りの天井”(byぷにょさん)や小さいけれど繊細なデザインの照明など、更に凝縮された素晴らしさです。

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写真を撮らせて頂いてもきりがなく、書き出すときりがないですね。
まだ続く予定です。 


大教大附属天王寺中学校、大阪大道教会

2010-07-24 22:24:33 | まち歩き

息子のサッカーの試合で大阪教育大学附属天王寺中学校に行ったとき、一画に古びた建物があるのに気付きました。旧校舎の一つでしょうか。モダニズム建築に属すると思いますが、最上階の庇を突き抜ける柱形などがインパクトありです。階段室と思われる塔屋の部分は、縦の連窓が良い感じです。

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帰りにふと十字架が目に止まりました。日本キリスト教団・大阪大道教会です。1945(S20)年の大阪空襲で旧会堂などが焼失し、現会堂の建築年は1949(S24)年のようです。最初、十字架の下の丸窓がステンドグラスなのかよく分からなかったのですが、角度を変えると青と黄色のすりガラス(凹凸ガラス)が光を反射して美しく輝いていました。

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この日、このような建築に出会うとは予想しておらず、猛暑の中を出かけておまけのご褒美を貰ったような感じです。


ボックス!(映画)

2010-07-24 08:50:27 | 15:は行の作家

Box_3映画「ボックス!」
★★★★:75~80点

先日、夫婦で映画「ボックス!」を観てきました。

面白かったです。ただ、青春スポーツ小説のベスト1、2位とも評価している原作を読んだときのインパクト・感動度がもの凄かったので(そのときの感想はこちら)、どうしてもそれと比較せざるを得ず、75~80点となってしまいました。原作あっての物語なのでね。

”カブ”役の市原隼人はハマリ役というか、正にカブそのもので、これは特筆ものでした。ボクシングに関してもかなりトレーニングをつんだのでしょう。あまりガードしないトリッキーな動きもそれらしかったです。

また、ランニングのシーンのスピード感・躍動感、身体の軽さを感じさせる動きも見事。「風が強く吹いている」でも林遣都のランニング・フォームの素晴らしさにビックリしたのですが、この市原隼人も凄いです。

映画「風が強く吹いている」の感想でも同様なことを書いたのですが、あの分厚い原作を約2時間にまとめるのは至難の技で、印象深いエピソードの幾つか(恋のトライアングル関係、キャプテン・南野とカブの最後のスパーリング、部室の天井に貼られている写真 etc.)がカットされていたり、ちょっと変えられたりしていたのは残念でした。

高津先生・香椎由宇はちょっと美人すぎるかなと思っていたのですが、なかなか良かったです。ボクシング部監督の筧利夫は原作とちょっとイメージが違っていたでしょうか。原作ではボクシングを知らない高津先生に説明する形でアマチュアボクシングの特徴や奥深さを語るその静かな雰囲気がより印象深かったような気がします。木樽”ユウ”ちゃんが全くの初心者から4ケ月間ひたすらジャブの練習だけを続け、その後次第に才能を開花させていくと共にだんだん構えがさまになっていく過程は良かったです。このあたりを更にもうちょっと味わい深く描いてもらいたかったところではありますが。カブとユウちゃんのちょっと不思議な友情はよく描かれていましたね。強豪・稲村に惨敗し、その後、ユウちゃんとの対決にも敗れたカブは一大決心をし、彼のために仮想・稲村役をつとめる。それが最後の決戦で万事休すかと思われたピンチで見事に生きる。これは痛快!

一部アマチュア・ボクシングのルールとそぐわないシーンがありますとの注釈が出てきました。あの激しい打ち合いはアマチュアボクシングの試合ではあり得ないと思っていましたし、相手校の取り巻き(?)の雰囲気にちょっと違和感も覚えたこともあって、アマチュア・ボクシングの素晴らしさ、ピュアな感じを損なってしまっていたのでは?とも思いました。実際にアマチュア・ボクシングの試合を会場で見たことはないのですけれど。

マネージャーの”マルブタ”丸野智子(谷村美月)。ちょっと古風な感じもする彼女の顔が良かったですね。原作での彼女はもっともっとカブをはじめ、ボクシング部メンバーのことを思っている気はしましたし、原作対比で映画としてのアラは色々ありますが、全体的には百田直樹さんの原作の雰囲気がよく出ており、まずは快作&素晴らしいスポーツ青春映画といえます。ボクシングが題材だし、こういう映画は妻に合うかなと思っていたのですが、面白かったとのことで良かった、良かった。