ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

東住吉区山坂町3丁目、南田辺町(その2)

2007-10-31 23:08:48 | まち歩き

山坂町・南田辺町探訪記の最終回です。

(その1)で1枚だけ写真を掲げたカトリック大阪田辺教会。昭和9年築で、設計はスワガーだそうです。シンプルで素朴で、畳敷きの聖堂は温かみがあります。私は畳敷きの教会は初めてだったかもです。ステンドグラスも単色の色ガラスをはめた素朴な味わいがありますね。上部のトラス構造などももう少し写したかったのですが、信者さん(恐らく外国の方)が来られたので遠慮しました。屋外も緑が多くて伸びやかで気持ちの良い空間でした。

最後の4枚は山坂町3丁目だったはずです。一部の壁が崩れている洋館が妙に印象に残りました。最後から2枚目のお宅は一見するとシンプルなのですが、建物自体は左右対称で水平線と垂直線が強調されたモダンにして個性あふれる住宅です。最後のお宅は、石垣と緑が凄いといった感じではないのですが、いい味わいでした。

今回、わずか2時間30分の探訪だったのに4回シリーズにしてしまった。。。
それほど面白かった&興味深かったということですね。

◎参考ブログ:

   小道さんのブログ”喫茶店で瞑想して、銭湯で元気になる”

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東住吉区山坂町3丁目、南田辺町(その1)

2007-10-30 22:51:07 | まち歩き

山坂町4丁目、5丁目を歩いた後は東隣の南田辺町(2丁目と4丁目)をちょこっと探訪したり、山坂町3丁目を巡ったりしました。行きつ戻りつしたので、写真はちょっとゴチャゴチャになっており、どこで撮ったか記憶もややあやふやです。

それにしても和風あり洋風あり、建物・景色が多彩です。1枚目の写真は門のすきまから遠くにチラッと見えたものです。よくこんなところに目が止まったなあ。。。5・6枚目の理容「かげやま」は、スクラッチタイルの色合いや軒部の装飾がええ感じです。

山坂町と南田辺町の残りのエリアも要探訪ですね。
4枚目のカトリック大阪田辺教会については、別途もう少し写真をアップ予定です。

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東住吉区山坂町4丁目、5丁目(その2)

2007-10-29 21:32:12 | まち歩き

山坂町4丁目、5丁目探訪記の続きです。

このエリアにはふと足をとめたくなるお宅やユニークなディーテールが色々ありますが、注意していないと見過ごしそうです。最初の2枚の写真では、えらく塀の背が高いのが分かります。なんでだろう?

最後から2枚目のお宅(店舗併用住宅?)は写真ではちょっと分かりにくいのですが、シンプルでお洒落な木製建具がはまっています。最後の煉瓦造の門柱&塀は5丁目の南東端で見つけたものですが、カーブさせているところなどがなかなか優美でした。

※更に山坂町3丁目、南田辺町ちょこっと探訪に続く。

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東住吉区山坂町4丁目、5丁目(その1)

2007-10-28 23:06:11 | まち歩き

今日(10/28)は前日の小雨模様から一転してポカポカと気持ちの良い好天でした。本来であれば、いざ探訪へ!といきたいところなのですが、最近は忙しくて建築探訪や街歩きも丸1日とれることはなく、2時間くらいのミニミニ探訪から半日くらいまでで精一杯です。そのためなかなか遠出は出来ないのですが、その分、近場を細かく見て回るようにしています。そこで今日は午後から、よく街歩きの参考にさせて頂いている”びんみんさん”のブログ”日常旅行日記”で紹介されていた東住吉区山坂町(~南田辺町も少し)を歩いてきました。びんみんさん、いつもありがとうございます。

まずは山坂町4丁目、5丁目です。このあたりは所属ランニングクラブのホームグラウンド・長居公園のすぐ北なのですが、これまで全く歩いたことはありませんでした。最初、4丁目の北の端から歩き始めたのですが、家々に緑が多くて気持ちの良い町です。4丁目の中心は円形の交差点のようで、ロータリーにはなっていないのですが、パッと開けた雰囲気が伸びやかさを感じさせてくれます。低層のお宅が多いこともあって、南北を貫くメイン道路(?)は相対的に道幅も広く感じられ、心地いいです。

一部は新しい住宅に建て替わっているのですが、和洋の様々なタイプのお宅があり、これまでに見た昭和町や阪南町ともまた違った雰囲気です。池(?)の近くに朽ち果てかけたアパートがあったのですが、ここもかつては面白い雰囲気を醸し出していたと思います。

今回、洋館付き住宅も幾つか見たのですが、その中では6・7枚目の写真に挙げたものが形・色・材質(質感)などの点で最も印象に残りました。また、8・9枚目の写真のスパニッシュ住宅は伸びやかですね。ここは丸窓があけられた塀も味わいありです。

※以下、続く

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デッドライン(建倉圭介)

2007-10-25 23:30:00 | 13:た行の作家

Deadline1 デッドライン(角川書店)
★★★★:80点

上下2段組・482ページの大作ですが、通勤時間などを利用して3日で読了。読書中、大作の割にはもうひとつ(70点レベルかなあ・・・)とも思いましたが、終盤が非常に面白く見事でした。

サンタフェ→シアトル→アンカレジ→アリューシャン列島→千島列島→樺太という大脱出行が1ケ月足らずのものだったのは何となく意外でした。北の海は、こういった脱出行に雰囲気がぴったりなのですが、夏(7月)ということもあってか、荒れ狂う波、休息することすらままならない暴風雨や猛吹雪・・・といった厳しい自然描写が無かったor少な目だったのが物足りなかったです。全体的に物語・題材のスケールに比べて描き込み不足という気がしました。惜しいなあ。。。

また、もう少し文体に味わいというか香りがあれば良かったとも思います。例えば、J・ヒギンス、D・バグリィ、志水辰夫とか・・・。いやいや、そういった巨人と比べるのは酷ですね。他のブログなどでも書かれていたのですが、ミノルとエリイの情愛なども割と淡泊でした。もう少し濃厚(?)でも良かったなあ。いやこれは独り言。

と、色々と注文をつけましたが、コンピューターや原爆の開発史・開発秘話などの歴史的な側面は非常に興味深かったです。

コンピューターの開発(真空管方式、プログラム配線方式:ENIAC → プログラム内蔵方式:EDVAC)、エッカート&モークリー、フォン・ノイマン。原爆の開発(米:オッペンハイマー、フェルミ。一方、日本でも京大と理化学研究所で)と投下へ至る経緯(アメリカは戦争が終わる前に何とか原爆を実戦で試したかった。それには日本に降伏されては困る・・・)など、一部推定は混じっているのかもしれませんが、これらのことがよく分かり抜群の面白さでした。ジャンルとしては冒険小説に属するのだとは思いますが、私は技術史・戦争史的な側面を高く評価します。

また、白人vs日本人をはじめとする黄色人種・インディアン・エスキモー。一方で日本人vs混血児・アイヌ。これらの人種(民族)差別、マイノリティ差別も丁寧に描かれていましたね。

【 注)以下、かなりのネタバレあり】

ミノルを敵対視し、米国側の刺客として彼を追っていたやはり日系二世のホソカワ。彼は(ミノルに命を救われ)日本にたどり着いて一般の人々の優しさに触れ、焦土と化した東京を見て原爆がもたらすであろう大被害と恐ろしさを実感してからは協力に転じる。まあ予想できる展開でしたが、一般の人々とその生活との対比で戦争の愚かさ・おぞましさを表現したこの描き方は良かったです。

歴然としていた日米の国力の差。米内海軍大臣は十分にそれを認識していたが、一人では陸軍を中心とする他の閣僚たちの愚論をくつがえすことはできなかった。ミノルの話を聞き、彼はある決意をした。凄い人物ですね。阿川弘之の「米内光政」も読まなくっちゃ!

エリイ、トオル(エリイの息子)、ケイ(ミノルのいもうと)を広島から脱出させたミノルだが、広島市民に放送で避難を促そうとの最後の仕事に取り組み、それが功を奏しそうに思われた寸前・・・。これもある程度予想はしていましたが、あれほど必死になって奔走したミノルの命がほんのちょっとの差で失われた悲しみは大きいです。途中、いくつもの小さな幸せが一瞬にして失われてしまった長崎原爆を描いた秀作映画「TOMORROW 明日」(黒木和雄)のことを思い出しました。

戦後、電子工学の道に進んだ息子たちの作った日本製のコンピュータがIBMなどのアメリカ製コンピュータの前に大きな壁として立ちはだかったというエピローグは痛快でした。

******************************** Amazonより ********************************

出版社/著者からの内容紹介
原爆投下を阻止せよ!科学者とダンサーの決死行。
日系二世部隊に所属し欧州を転戦後、米国に帰国していたミノルは、ノイマンとのやりとりから日本への投下を目的とした原爆開発計画が進行中であることを察知する。ミノルはアラスカ経由で日本への入国を試みるが

内容(「BOOK」データベースより)
日系人部隊で欧州戦線に参加し、負傷して米本国に帰還したミノル・タガワは、ペンシルベニア大学に復学し、世界初のコンピューター開発計画に加わる。このプロジェクトの顧問、フォン・ノイマンとの交流をきっかけにして、ミノルは、日本への原爆投下が間近であることを突きとめる。もはや日本に残された道は「降伏」の二文字のみ。一刻も早く政府高官を説得し、日本政府を動かさなければならない。ミノルは、幼い息子を義父母によって日本に連れ去られたナイトクラブの踊り子、エリイと共に日本への密航を決意する。北米大陸を横断し、アラスカを経由して千島列島へ―。冒険小説の新たな傑作、誕生。