先日、5ケ月ぶりに大阪クラシック音楽の殿堂”ザ・シンフォニーホール”にコンサートを聴きに行って来ました。「殿堂は”フェスティバルホール”」というオールド・ファンの方もおられるでしょうが、まあこれは言葉のあやでして。
前年度は指揮者・金聖響&大阪センチュリー交響楽団によるモーツァルト4回シリーズ「天才が遺した音楽-聖響・MOZART」に通ったのですが(但し、2回/4回)、今年度は指揮者は同じ金聖響さんで、オケが「オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)」、そしてブラームス・チクルスです。モーツァルトの明るさ・軽やかさに対してブラームスは渋さ・重厚さが特徴でしょうか。でも、私はどちらも好きです。
チクルスの第一回目は、①「大学祝典序曲」(昔、ラジオ・大学受験講座のテーマ曲だったはず)②「ヴァイオリン協奏曲」(Vn:シュロモ・ミンツ)、そして③「交響曲第1番」という豪華なプログラムです。今回、まずオケの配置に驚きました。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右に配置するのは時々見かけますが、コントラバスが第1ヴァイオリンの斜め後ろって初めて見たんじゃないでしょうか。また、全体的に面白い配置だなと思いました。
※追記(2007-04-27)
弦の配置、昨年のモーツァルトシリーズでも体験していました。
全体としての短評は、①:○、②:○’、③:◎(本当は三重丸!)といった感じでした。①は有名な旋律を最初にファゴットが奏でるのですが、ブラームスらしからぬ(?)ユーモアがあって楽しい感じでした。
②の長大な第一楽章では睡魔が襲ってきて、世界を舞台に活躍するミンツ氏の素晴らしさがよく分からずでした。しかし、第2・3楽章は美しいメロディや民俗調メロディが良かったです。圧巻はアンコール!左手の超絶技巧的な曲だなと思って驚嘆していたら、やはりパガニーニの曲(24の奇想曲より 第5番イ短調)でした。場内は「ほおーっ!」というため息と割れんばかりの大拍手。ミンツ氏は右手で胸を押さえて堂々の応えっぷり。投げキッスまで飛び出しました。ミンツ氏が素晴らしい音色を奏でてくれたオーボエトップの男性を讃えたのも嬉しかったですね。
③の交響曲はこれまでに聴いたコンサートの中でも上位クラスの感銘度でした。大フィルなどと違って約50名の小編成ですが、緩急の差が大きくて迫力もあり、ビビッドな演奏は見事でした。終楽章で弦が有名な主題を奏でるところでは思わずじーんときました。この日は終始オーボエが良い音色を奏でていましたが、木管同士の音のやりとりも素晴らしかったです。ティンパニーの怒濤の打ち込みも凄かった・・・。
この日、弦は殆どビブラートをかけないピリオド奏法だったのかもしれませんが、2階席だったのでよくは分からずでした。
演奏後、指揮者とオケを讃える拍手が何度も何度もそして長く続いていましたが、最後は金氏が下がった後、オケメンバー全員が客席に向かって深々と一礼して終わりました。これも珍しかったですが、爽やかで良かったです。
なお、金聖響さん自身も手応え十分だったようでした。