ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

いやはや阪南町

2007-04-28 22:55:00 | まち歩き

最近、古い洋館付き住宅や洋風長屋を求めて探訪することが多いです。

先日、ぷにょさんが探訪された昭和町&阪南町。私は登録文化財の寺西家などがある阪南町1丁目はかつて歩いたのですが、今回は2丁目と3丁目を探訪しました。午後4時頃から2時間ちょっと、ひたすら東西約400mの通り15本以上を縫うように歩きながら北から南へ移動しました。

圧巻は3丁目7番地にあった洋風長屋。最初、北向きの4軒続きを見て「おおーっ!」と唸ったのですが、次に一筋南の方を通ると、何と先ほどの長屋の裏手にも今度は南向きの5軒続きがありました。かつてこのあたり一帯は同じような洋風長屋が林立していたのでしょうか。さぞかし壮観やったやろなあ。。。

まずは、北向きの4軒続き。

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右から2軒目のバルコニーのみ、ほぼオリジナルでしょうか。石の手すり、親柱(? 欄干?)が実に味わい深いです。

次に、背中合わせに建っていた南向きの5軒続き(両者の間にはそれぞれの裏庭スペースあり)。1軒多いと、やはりパッと見の迫力も増します。全体的に粉浜の山小屋風長屋に似ていますね。あれ?その写真をアップするの忘れてる(ぷにょさんの写真はこちら)。また、ここに挙げた写真では分かりにくいのですが、屋根の造形も素晴らしいです。

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阪南町は長屋が多く他にも見所一杯で、残りはまあボチボチとアップ予定です。


金聖響&OEK、ブラームス・チクルス

2007-04-26 23:55:00 | アート・文化

Seikyouoek0422 先日、5ケ月ぶりに大阪クラシック音楽の殿堂”ザ・シンフォニーホール”にコンサートを聴きに行って来ました。「殿堂は”フェスティバルホール”」というオールド・ファンの方もおられるでしょうが、まあこれは言葉のあやでして。

前年度は指揮者・金聖響&大阪センチュリー交響楽団によるモーツァルト4回シリーズ「天才が遺した音楽-聖響・MOZART」に通ったのですが(但し、2回/4回)、今年度は指揮者は同じ金聖響さんで、オケが「オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)」、そしてブラームス・チクルスです。モーツァルトの明るさ・軽やかさに対してブラームスは渋さ・重厚さが特徴でしょうか。でも、私はどちらも好きです。

チクルスの第一回目は、①「大学祝典序曲」(昔、ラジオ・大学受験講座のテーマ曲だったはず)②「ヴァイオリン協奏曲」(Vn:シュロモ・ミンツ)、そして③「交響曲第1番」という豪華なプログラムです。今回、まずオケの配置に驚きました。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右に配置するのは時々見かけますが、コントラバスが第1ヴァイオリンの斜め後ろって初めて見たんじゃないでしょうか。また、全体的に面白い配置だなと思いました。

※追記(2007-04-27)
  弦の配置、昨年のモーツァルトシリーズでも体験していました。

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全体としての短評は、①:○、②:○’、③:◎(本当は三重丸!)といった感じでした。①は有名な旋律を最初にファゴットが奏でるのですが、ブラームスらしからぬ(?)ユーモアがあって楽しい感じでした。

②の長大な第一楽章では睡魔が襲ってきて、世界を舞台に活躍するミンツ氏の素晴らしさがよく分からずでした。しかし、第2・3楽章は美しいメロディや民俗調メロディが良かったです。圧巻はアンコール!左手の超絶技巧的な曲だなと思って驚嘆していたら、やはりパガニーニの曲(24の奇想曲より 第5番イ短調)でした。場内は「ほおーっ!」というため息と割れんばかりの大拍手。ミンツ氏は右手で胸を押さえて堂々の応えっぷり。投げキッスまで飛び出しました。ミンツ氏が素晴らしい音色を奏でてくれたオーボエトップの男性を讃えたのも嬉しかったですね。

③の交響曲はこれまでに聴いたコンサートの中でも上位クラスの感銘度でした。大フィルなどと違って約50名の小編成ですが、緩急の差が大きくて迫力もあり、ビビッドな演奏は見事でした。終楽章で弦が有名な主題を奏でるところでは思わずじーんときました。この日は終始オーボエが良い音色を奏でていましたが、木管同士の音のやりとりも素晴らしかったです。ティンパニーの怒濤の打ち込みも凄かった・・・。

この日、弦は殆どビブラートをかけないピリオド奏法だったのかもしれませんが、2階席だったのでよくは分からずでした。

演奏後、指揮者とオケを讃える拍手が何度も何度もそして長く続いていましたが、最後は金氏が下がった後、オケメンバー全員が客席に向かって深々と一礼して終わりました。これも珍しかったですが、爽やかで良かったです。

なお、金聖響さん自身も手応え十分だったようでした。


シェイド・オブ・メモリー(ミシェル・ルグラン)

2007-04-25 23:47:46 | 映画

Legrand シェイド・オブ・メモリー(CD)

「シェルブールの雨傘」「華麗なる賭け」「おもいでの夏」「愛と哀しみのボレロ」といった映画音楽の作曲で有名なミシェル・ルグラン。彼はまた、ジャズの世界でも特にピアニストとして有名です。何でも「ルグラン・ジャズ」と呼ばれているそうな。同名のアルバムがあります。

今日、図書館で本を借りたついでにふらりとCDコーナーにも立ち寄り、以前から聴きたかったミシェル・ルグランのこのCDを手に取りました。収録曲は下記の通り。

  1. ウォッチ・ホワット・ハプンズ 
  2. おもいでの夏 
  3. ビリー・ホリデイ物語 
  4. エラ,エラパ 
  5. 双児姉妹の唄 / いつもいつも / 町から町へ / イボンヌの歌 / 夏の日の歌
  / アンディの歌 / ソランジュの歌 / マクサンスの歌 / バラバラ事件の女
  / ハンブルグの港で / 水夫,友達,恋人,または夫 
  6. シェルプールの雨傘 
  7. マルティーナ 
  8. 愛…そして愛 / 王子と王女の秘密の夢 / リラの精の助言
  / 愛のケーキの作り方 / 指のマッサージ / 王子の歌 
  9. アイ・ウィル・セイ・グッドバイ 
10. シェイド・オブ・メモリー 

曲名を聞いて知っていたのは「おもいでの夏」(ああ、ジェニファー・オニールよ・・・)と「シェルブールの雨傘」のみ。自宅に持ち帰った仕事をしながらまだ1回聴いただけですが、なかなか素晴らしいです。2のハーモニカもチャーミング。4と9ではルグラン自身が歌っています。昔、テレビでルグラン氏が「シェルプールの雨傘」などをピアノの弾き語りで歌っているのを聴いてとても感動した記憶があるのですが、彼の歌は味わいがあります。もっと聴き込まなくては!


靭公園の花壇

2007-04-22 23:55:00 | まち歩き

今日の大阪は曇りのち小雨のあいにくの天気でした。靭公園のバラはまだ早いかなと思いながら自転車で行ってみましたが、やはりまだ全然でした(当然ですね)。小雨パラパラでしたが、そのまま帰るのもしゃくなので花壇のお花を数枚パチリ。チューリップ以外は名前が分かりません。そんなに珍しい花はないと思いますが。曇っていても、かえって落ち着いた色で案外綺麗ですね。

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映画「バッテリー」

2007-04-21 23:30:00 | 10:あ行の作家

Batterimovie1

映画「バッテリー」
★★★★☆’:85点(~90点)

アイリスさんが感想を書かれていた映画「バッテリー」、遅ればせながら観てきました。あさのあつこさんの原作はずっと以前に1~6を読了していましたが(例えば6の感想はこちら)、あの原作を映画に、しかも実写版で映画化するとは!
たぶん読者のそれぞれの頭の中には、原作に登場した愛すべき人物たちのイメージが強烈に焼き付いているであろうことから、ことに実写版は難しかったと思います(私、コミックス版は表紙以外見ていません)。しかし、予想を上回る素晴らしい映画でした。青春映画の傑作といって良いでしょう。映画を見終わっての印象は、愛媛の高校の女子ボート部の青春群像を描いた秀作「がんばっていきまっしょい」とも似ていました。草の匂いと風、日射しと汗、その一方で朝や日暮れの涼やかさを感じさせる映画とも言えます。

原田巧役の林遣都クン。映画ポスターの写真を見たときは綺麗な顔立ち過ぎて原作のイメージとちと違うと感じたのですが、いやいや良かったです。映画をじっくり見てみれば、佐藤真紀子さんの表紙画・挿し絵の雰囲気(細身ながらも強気で剛球を投げる孤高の天才投手)ともかなりマッチしていました。永倉豪役の山田健太クンは、現役キャッチャーでもあったそうですし、体型などもまさにドンピシャ。巧や青波に投げかける笑顔が素晴らしい。原作でもそうでしたが、悩める豪ちゃんの顔なんか見たくないですね。青波役の鎗田晟裕クン。可愛らしいだけの子ならもっと適役の子が劇団などにもいると思いますが、トータルで素晴らしい演技でした。はじめての野球で外野フライをとったときの喜びようが最高でした。「お兄ちゃん・・・」「豪ちゃん!」「あのな・・・」という青波の呼びかけには思わず耳を傾けちゃいますよね。 そうそう、巧が自転車の後ろに青波を乗せて坂を下ってくるシーンは良かったなあ。

映画では、日々成長しつつある天才ピッチャー原田巧の孤独・自信・強気・生意気さ・苛立ち・焦り・不安・・・が丁寧に描写されていました。そして、お互いに不器用な家族愛も(父親役の岸谷五朗さん、ウマイ!)。あの原作を約2時間におさめたため、エピソードによってはやや描き足りないという欠点はありますが(展西の屈折した思いもやや不十分か)、ここまで原作の雰囲気をスクリーンに表現したことに敬意を表します。

そして、岡山の山間の景色が実に美しかったです。草ぼうぼうの荒れたグラウンド(広場?)や単なる川の流れまでもが素晴らしい。サワの家にある大きな木は感動的なほどに凄かった・・・。こんなに美しい自然に囲まれて育つ子供達はええなあ。。。都会っ子の勝手な憧れかもしれませんけれど。

巧の自主トレのランニング・シーンが何度も出てきますが、上半身のフォームにやや硬さを感じさせるものの、ストライドの大きい力感あふれる素晴らしい走りでした。ピッチャーは走らなきゃね。神社の急な階段を駆けあがる姿に、うーん、やっぱり若いって素晴らしいなあと脱帽。

俳優さんで一番オオーッと思ったのは、オトムライ(戸村監督)の萩原聖人さん。独裁者的でちょっと○ーさんっぽさを漂わせたムード、そしてダイヤモンドの原石を見つけた驚きととまどいが絶妙。サワ(沢口)役の子は芸歴豊富なようで名演技でした。ヒガシ(東谷)はちょっと見せ場が少なかったかな?門脇・瑞垣の横手二中コンビはとても中3には見えなかった・・・。原作では次第に存在感を増す瑞垣俊二ですが、この映画ではそこまでのキャラ発揮に至らず。ただし、雰囲気的にはいい線をいっていたと思います。”お電話大好き”で野球に愛された男・海音寺キャプテンも目立たなかったのが残念でした。母親役の天海祐希さん。最初、ちょっと美しすぎると思いましたが、巧が結構美形なので、やっぱり母親はこれくらい綺麗でないとおかしいですね。父親は岸谷五朗さんやしー。

巧の投球シーンなど、部分的にCGが使われていたようですが、野球をやっていたという林クンの本当の実力はどれくらいだったのでしょうね。フォームはなかなか本格的でした。